笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

中間管理職こそ、上司よりも部下よりもさっさと早く帰れ。有休もバンバン使え。

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元Web制作会社ディレクター・現事業会社所属のtoksatoですこんばんちわ。

なんか昨日の記事がGoogle砲を受けているようですありがとうございます。ぶっちゃけ「これは何が言いたいんだ?」と思って書いてたので、ちょっと複雑でございます(謎)

さて、もうすぐ有給休暇取得が義務化されますね。

年次有給休暇の時季指定義務 ※厚労省発行のPDF

「今般、労働基準法が改正され、2019(平成31)年4月から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが必要となりました」

我々のような大変よく教育された社畜にはありがた迷惑とても良い法改正なんですが、なんちゅうか、そもそも有休なんかバシバシ取ろうぜと思うわけですよ。

そういう僕は、一般的に労働環境が悪いと言われるWeb業界(とくに受託ね、受託)だった前職でも、有休は普通に使ったり残業も「仕事なんてしらんしらーん!まろは今日はもう帰りまする(・∀・)」といった感じで割と自由に帰ってました。かなり偉い方に分類される人だったのに。あらなんてダメなマネージャーなんでしょう。

自分のチームの部下だけでも10人近くいたのに、ほぼ全員放り投げて帰ってました。

やめて、石投げないで。
ワタシキットアナタノミカタ。イシナゲルヨクナイ。シゲルハクロイ。

 

っていうか、仕事なんてそんなもんでいいだろコノヤロウが、と思うのよ。

 

そんなわけで(どんなわけだ)、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。



 

「権利なんだから主張して行使すればいいだろ」

というこれはね、根底にはあります。
どの立場からモノをいうかで変わる話なんだけど、仮に一人のひとに相談されたならたぶんそう言う。労働基準法というのは基本的には労働者側に味方するようにつくられているわけで、有給休暇なんてのはその典型。使いたきゃ使えばいいんですよ。悩む方がバカバカしい。

残業にしたって毎日深夜までやらされるなんてバカげていて、帰りたきゃ帰ればいいんですよ。もちろん(どうしても)今日中にやらなければならないことがあるのにそれを投げ出して帰るのはさすがに問題だけど、そうじゃないならさっさと帰ればいい。

実際、僕は社内の定例会議とか、堂々と「今日は予定があるので欠席で!」とか言って帰ってました。た~りら~りらーん、じゃねー!みたいな。

 

だがしかし、これは強者の理論である

僕がそれができたのは、まちがいなく組織内における強者だったからですね。「権利を行使して何が悪い」と堂々と言えるのは、その裏で「最終的には否定的な反応されても知らんがな」と言えるから、できたわけです。
もっと簡単に言うと

 

「クビにできるもんならしてみろや」

 

と。

予定があろうがなかろうが帰りたきゃ帰ればいい、というのは事実でありながら現実ではないわけです。だって、そんなに頻繁に早く帰ったら周りに(とくに上層部に)嫌な顔されたり、単純に仕事量が減るので評価が下がる危険があるから。だから、みんな一生懸命仕事して帰らない(そしてだんだん残業前提になってダラダラしだす)。

インターネットや各種メディアに出てくる成功者は*1、圧倒的当事者意識の高い(文字通り"意識高い"系)の人が多くて、さらに声も大きくて、そういう人はみんな言う。権利なんだから主張すればいい。だまっていれば与えてくれるなんて大間違いだ、と。僕にも半分はその意識があります。「いやいや、取ればええがな」と。でも、半分はこう思うわけです。

 

そんなに強者ばかりしか生き残れない世界で楽しいだろうか?

 

なんか、違うなぁと思って。

 

当然の権利を主張できない空気にも問題がある・・・ではなくて

いや、実際は空気にも問題はありますね。
なんでいちいちそんな顔色うかがわなきゃならんのだ、と。

これを今読んでる人の多くは、もしかすると「そうそう、だからこそ上司が率先して早く帰ったり有休取得して、部下が休みやすい空気をつくらないと」と思っている人が多いんじゃないだろうか。

僕が言いたいのはそれとはちょっと違うわけでして。

 

「この会社は有休も取りやすいし残業も気にせず帰りやすい会社だ」

 

こうなるのは理想です。でも、これはそれこそ一人一人が実践できないと実現しないし、まず何よりも先に経営者がそれを声高に叫ばないと実現しない。
それに、会社は良く働くやつが好きです(笑)これはこれで経営上はしょうがない。いっぱい稼いでほしいし、なんならいっぱい稼いだ奴に給料いっぱい出したいぜと思ってる(そう言う意味では)良い経営者もたくさんいるわけで。

 

ストロングスタイルを見せつけることで「ファイトして良いんだ」ということを伝えたい

「みんなが定時過ぎたら好きに帰ったり有休所得できる空気」を理想とするなら、そういう空気をつくるんじゃなくて、「権利は主張して勝ち取っていいんだ」ということをまず見せないとダメだと思うんですよ。その先に理想がある。

僕は前職の会社において「上流工程から始まる大型案件を担うディレクター」ならおそらくNo.1だったと思います(社長を除くw)。バリバリのシステム部分しかないようなものだと他の人がいたけど、いわゆるWeb制作のディレクターとしてなら。

そうなると、そりゃ会社としては働いてほしいわけですよ。僕が休んだり、ひょうひょうと残業を放り投げて「ま、明日でいいや」とかいって帰るのは、"容認"はできても「手放しで喜んで受け入れる」という気分ではなかったと思います。いやまあ、そりゃそうだろうという話しだけど(笑)*2

この辺、僕はちょっとできてなかったなと思うことがあるんだけど、基本的には僕は部下も多数抱えながら自身も大きな案件を持っていたので、チームの中でも1番か2番目には忙しい部類の人でした。その人が(ときおり)残業もせず「ひょーい帰るべ(・∀・)ノミイクゾー」と帰り、大きな問題も起こしてないわけですから、「そりゃまぁtoksatoさんはちゃんとこなして案件コントロールしてるしね」というイメージを持たれるわけです。

でも、僕が伝えたいことはそういうことじゃなかった。

 

「明日できることは明日やればいいんだよバーカバーカ!」
※バカは余計

 

ということを見せたかったんですよ。

じゃないと「ワタシはそこまでできてないからダメダメ・・・」となっちゃうから。

 

本当に伝えたいのは、雇用主と労働者のバランス。そして"仕事とは"

「まだ帰らないの?」

って聞くと、こう返す人をたくさん見てきました。

「今日中タスクは何とか終わったんですけど、このあと上司とのミーティングで、でもまだ上司は他のミーティング中で・・・」

ほう・・・。

いや、ほうじゃないわ。

上司とのミーティングってそれ社内ミーティングやん。んなもん今日じゃなくていいじゃん。いや、もしかしたら今日中でないと危険なことなのかもしれない。だったら上司がさっさと前の会議切り上げて出てこいや

出てこない時点で、そこまで大したことじゃないんですよ。だって定時後でしょ。今日のそのタイミングを逃したとして、明日の朝一に振り替えたって実質数時間のロスでしかない。数時間のロスがあかんのかいと。あかんのやったら出てこいやと。(ちなみに僕は関西人ではありません。どうでもいいけど)

 

「上司との約束だから」「これは仕事だから」

この二つのパワーワードによって、どうしても「これはやらないといけないやつ」と思い込むんですよね。そんなことないのに。

これは仕事を出される(≒案件にアサインされる)ときもそうです。言われたらやらないといけないと思っている人がたくさんいる。でも、ちゃんとした時間に帰るんだったら限界があるはずなんです。どんなに効率化したってリニューアル10案件も持てないもん。

「いやー、それは無理っすね!」

と堂々と断ればいい。
それで評価が下がることもあるでしょう。でも良いんですよ。自分のために仕事をしていて、もらってる給料分働けば基本的にはOKなんだから。もちろん、それを引き受けた自分と、引き受けない自分がいたら前者の方が評価も給料も高いと思います。

でも、僕はそこまでして働きたくない。仮に僕と全く同じ能力で、残業もフルMAXで僕よりたくさん仕事を引き受ける奴がいたらそいつは僕より凄いんだろうけど、そんなものは「ほー、おまいさん良く働くねぇ」と思うだけで、それでいいじゃないですか。べつにそいつに勝たなきゃいけないわけではないんだから。もしくは、勝ちたいにしても「こいつは僕とは違うルールの戦場で戦ってるやつだから、同じことはしない」と思っておけばいい。その上で負けたら負けたでべつにいいし・・・。

仕事だから、上司の指示だから絶対にやらなければいけないわけではない。

結果として多少の評価が下がることもふまえ、人生の裁量はすべて自分にあるはずです。でも、それがわからない人はできもしない量を引き受けて「だって、あのときやれって指示出したじゃないですか」と言ったりするんですよね。

いや、できないなら断ればいいんだけど、仕事や上司には従うしかないと思っているので、それをしない。そして、会社のせいにしちゃう。その時点でもう会社に依存してしまっていて、そりゃ残業させられるし、有休もとれないんだよね、という。

本来、雇用主と労働者は対等だし、むしろ前述のとおり労働基準法は労働者に味方するように設計されているのに。さらにいえば現在の有効求人倍率を見れば、明らかに人材不足でやめられたら困るのは雇用主の方なんですよね。*3
※だからこの話は昨今話題の退職代行サービスにも言えますね

 

この戦いは中間管理職にしかできない

そうは言っても、これまた前述のとおりその理論は強者の理論なんですよね。でも、大事なのは「誰でも有休申請がしやすくて喜ばれる空気」なんて生ぬるい空気をつくることじゃなくて、

 

っていうか、仕事なんてそんなもんでいいだろコノヤロウが

 

という空気を作ることだと思うんです。

 

  • 「あそうか。我々、対等だった」
  • 「そもそも、べつに多少嫌われるぐらい良いじゃん。会社のため(だけ)に仕事してるわけじゃないし」
  • 「そうかそうか、会社を自分の権利で少し苦しめてええんやな」

 

と、みんなが思えることが先ではないかと。みんながそうやって当然の権利を主張するその先に、理想である「誰もが休みやすい空気」があるのではないかと。そして、その土壌がないから有休をとった人、残業しない人、育児休暇を取る人などなどに(なぜか)嫌悪が向いてしまう。権利を行使しただけなのに。

 

そのためには「ちょwww あのひと仕事放り投げて帰ったwww」ぐらいのスタイルを見せなきゃいけないと思うんですよね。そしてこれは、経営層にはできないんですよ。経営層がそんなことしたところで「結局、会社の売上が自分たちの利益になるかんだからただの自己責任」になっちゃうので。要は、評価する人がいない。

そこへくると中間管理職とて労働者ですから。

本来は自身だって会社のために働かねばならないし、上からの評価も気にしなければならない人が

 

「評価なんて多少下がっても良いざんすよ(・∀・)上司たちよ、好きにしたまえ」

 

というスタンスで権利を主張し行使することが、部下さんたちへのメッセージになると思っています。

 

だから、中間管理職こそ率先して仕事放り投げて帰るべきなんです。*4

 

というわけで、ワテクシは1/9(水)はさっさと帰るんじゃ!当たり前じゃあああ!仕事なんかやってられるかボケェェェェ!
※ヒント:トルクメニスタン

 

追記

当たり前ですけど、これらはすべて「自身の仕事をちゃんとやっている」という前提ですからねw ちゃんとやってない人はただ単に部下から嫌われて上司からの評価がダダ下がりするだけなので、ちゃんとやりましょう・・・

*1:某アパレルECに行ったあの方とか・・・

*2:誤解の内容に書いておくと前職はそういうことに対して露骨に嫌な顔をする会社ではないです

*3:有効求人倍率が実際に中途転職市場を反映しているか、というのはあるけど今は無視

*4:放り投げては大袈裟ですけどねw