笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

【質問への回答】パフォーマンスが上がらない人、はたまた発達障害など仕事が難しい人へのマネジメント。

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こんばんちは、スーパー太っちょWebディレクターです。
スーパーは太っちょにかかります。

さて、今日は先日書いたこの記事↓に対してご質問をいただいたので、そちらへの回答エントリです。

※この元記事を読まなくてもわかるよう、本記事は独立したものとして書いてあります

toksato.hatenablog.com

 

いただいたご質問はこちら↓

おなまえ(匿名OK): k

 

ご質問内容:

「マネジメントでやったことリスト」を興味深く拝読させていただきました。 様々難しいと思うのですが、パフォーマンスがうまく上がらない方、仕事内容と本人適性がマッチしていない方などにうまく働いてもらう方法について知見があれば記事化いただきたいです。

 

非正規の方と働く機会が多いのですが、前述のような方や、軽度知的障害~境界知能の方、発達障害の方、仕事への姿勢が不真面目な方などがわかりやすく多いです。 1on1を重ねても踏み込めない部分であったり、本人に改善する気がなかったりして四苦八苦しています。

※他にも質問来てますがそれはまた別の記事にします。

 

ご質問ありがとうございます!(とってもうれしい・・・)

しかし、ふむむ。なかなか難しいお悩みですね・・・。

 

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。

 

■目次

 

 



 

 

実は、捉え方はシンプルだと思います。

「非正規の方と働く機会が多いのですが、前述のような方や、軽度知的障害~境界知能の方、発達障害の方、仕事への姿勢が不真面目な方などがわかりやすく多いです」

とのことで、いやぁこれはとても大変なチームで働かれているなぁと思いました。

思いましたが、ただ、少なくとも僕のこういう問題への捉え方は、おそらくかなり(人に言わせれば)シンプルだと思います

というより、悩んでるときってどうしても複雑に考えがちで、その結果として問題の優先順位をつけられなくなったりするんですよね。あれをしなきゃいけないけど、でもこういうことがあって、だけどそれをやるとこっちの問題もあるし、ああもうどうしていいかわかんない・・・と。

でも、目の前の状況は複雑でも、問題の一つ一つは実はシンプルなものだと、僕は常に思っています。(解決が簡単、という意味ではないです)

まず、僕が思う一番重要なことだけを先に書いておきたいと思います。

 

僕は、その人を、その人だとしか捉えないです。

 

それ以上でもそれ以下でも、それ以外でも無い。

ただ、その人は、その人だ、と。

 

 

境界知能、発達障害、すべて”関係ない”と捉えています。

まあ、「関係ない」は言い過ぎなんですけどね。

でも、僕はマネジメントも、教育も、基本はすべてこれだと思っています。

  1. チームの目的や目標がこうで
  2. その人はどんな人で
  3. じゃあどうするか

考えることはたったこれだけだと思っています。
それ以外は無駄だと本気で思っているぐらいには、これしか考えていません。

たとえばその人が注意の欠如が激しく、多動で集中力の維持が難しく、順序立てた行動が苦手だったとします。たしかに、そういう人は「いわゆる一般的な仕事」は難しいのかもしれません。

でも、だったらその人に向いてる仕事を渡せば良いだけですよね。たとえば、営業さんとかは(人によっては)向いていると思います。多動ならば、多動な仕事をさせればいい、という(笑)いや、冗談ではなくて、それが向いてるならそれをやってもらえばいいですよね。

 

そして、これは本来、発達障害かどうかは関係ないはずなんですよ。

だって「チームの目標や向かうべき方向」があり、「では、その人に何をしてもらうか」なのだから。チームメンバーの誰にだって考えなきゃいけないことで、発達障害の方じゃなくても誰にだって個性があり、長所短所がありますよね。そして、その人に向いてること、できることを任せてチームに貢献してもらう。これも同じですよね。「発達障害」というのは、その人のその個性に名前がついてるだけだと思っています

そういう意味では「男性」「女性」だって身体的特徴に名前がついてるだけだし、「Z世代」だって世代に名前がついてるだけです。そして逆に「男性だからこう」「女性だからこう」ということもない。力の強い女性だっているし、とにかくガムシャラにやりたいZ世代だっていますよね。

 

だから、

どこまでいっても「その人がどんな人なのか」だけでしかないと思うんですよ

それ以外はなにも考えなくて良い、ぐらいには。

 

Z世代だろうが、アラフィフだろうが、そんなものはどうでもよくて(参考程度にはなりますけどね)、その人がどういう人で、今何ができて、未来は何ができそうなのか。ただそれを考えるだけですよね。

 

 

とはいえ理想論を言うつもりはなくて。

って、ものすごく綺麗事を言ったと思いますわ(笑)

実際、この社会において境界知能の方や、発達障害の方がフィットして仕事をするというのは、とても大変だと思います。

さっき出した例だって「営業職」がそもそもチームの中に存在しないのかもしれないし(ちなみに僕のチームには存在しないです)。

それはしょうがのないことで。

 

その人がどうしたら、どんな仕事を、どんな渡し方をすればチームや会社に貢献できるか、本人も楽しめるか。それを一生懸命考えるしかないんですが、しかし、できないことはできないんですよね
できないことをできると思い込むことは、とても愚かで、マネージャーが一番やってはいけないことだと思っています。それによって破綻するのは現場であり、被害を受けるのはメンバーだから。

 

たとえば、現サッカー日本代表監督の森保さんは、なんとW杯本大会でスペインとドイツという、超列強国を倒してしまいました。すごいですね。名将なのでしょう(アジアカップ負けちゃったけど・・・)。

では森保監督は、幼稚園児の11人で、レアル・マドリードに勝てるでしょうか?

勝てるわけがないですね(笑)

 

できないことはできないのであって、境界知能や発達障害の方が多いチームで「自ら察して主体的に動く必要がある仕事」はこなせないんですよね。無理だと思います。それはその方々が悪いんじゃなくて、チームにその目的を課している方がまちがってるんですよね

つまり、社長なのか、部長なのかわかりませんが、もしその人たちがチームにそういう目的を課しているのなら、アプローチすべきは現場のメンバーではなく社長や部長だと思います。まちがってるから。

「おい、アンタらまちがってるぞ。ここにいるメンバーはそういうのには向いてないぞ。向いてないのにやれってのは、おかしいぞ。目的を変えろよな」

と。

それは、この記事でも書いたことですね。

toksato.hatenablog.com

 

社長「今度のフリーザ戦、この新人も入れるから教育シクヨロ」

って言ってる人と同じで。

「死ぬだろバカタレ」と社長に言わなきゃいけないですね。

それを、(まだ)戦闘力5の現場メンバーに向かって「なんでできないんだ!」「何を怯えてるんだ!」っていうのはおかしい。相手は戦闘力53万なんだから。怯える以前にさっさと逃げた方がいい。

 

 

「仕事だからやって当たり前」じゃないのですよね。

現場メンバーもそう思いがちですが、マネージャーもそう思いがちで。

できないもんはできないし、(その仕事が)できないメンバーを集めておいて、なんとかしろというのは、その責任は本来はさらに上司、最終的には経営者が取るべきだと思います。

たとえば僕は、産休に入ったメンバーがいたらそのぶんだけ仕事を減らしてます。依頼があっても断ってますね。それで怒られても「知らんがな」という顔をしています。
だって、産休育休というのは、会社の制度なんですよ。つまり会社が提供してる権利なんですよ。その権利を行使したら、人が減りました。じゃあ、仕事も減らしますね。だって会社の責任でその制度を設けて、人が減ったのだから。

 

それを「人が減っても仕事は減らすな」と会社が言うのはおかしいですよね?

 

いや、「産休で一人や二人減ってもいいように、常に余剰人員を確保しながらチームを組め。人件費もそれぐらいかかって良い」というならいいんですよ。そうですか、それはとてもホワイトな会社ですね、じゃあそうしますね、と。

しかし、余剰人員は持つな、でも人が減っても仕事は減らすな、でも産休制度は維持するって、言ってることおかしいですよね。

これって経営者(≒会社)は「私たちは、産休制度もきちんと持っています」っていいカッコしながら、その皺寄せは現場の従業員に持たせてるんですよね。そんなアホな話あるかいな、と思いますw
(経営者も大変だとは思いますけどね。だが、べつにこっちから経営してくれと頼んだわけでもないのでねぇ)

発達障害の方々だって一緒だと思うんですよね。社長は「弊社はそういう障害者を雇って社会貢献をしています」とか言いながら、現場にそれを押し付けてたら、ただのええかっこしいで。きちんと、経営者や上層部に責任を取らせるべきだと思います。

 

 

だからといってすぐに諦めず、問題の本質を考える。

正直なところ、境界知能や発達障害の方たちに、この社会の中でとても高いパフォーマンスを求めるのは厳しいと思っています。僕もそういう方が部下だったことはあります。簡単には諦めないし、逆にそういう方々の中には、とある一つの分野だけは飛び抜けて高い能力を持っていたりしますし(実はデザイナーにも多いんですよね)。

だから、簡単には諦めないし、それこそ血眼になって「このひとが活躍して貢献できる仕事はないかな」と探します。また、そのためにその人をよく観察し、対話をして、どんな人なのかを、僕は知ろうとします。

そもそも、一口に「発達障害」といっても個々人でかなりばらつきがあり、症状もぜんぜん違うんですよね。軽度だったり重度だったり、同じ程度でも症状が違う。だからとにかく、その人と向き合うことだと思っています。いつかは諦めざるを得ないけど、でも、できる限り諦めない。それはもう、そのマネージャーの闘志やプライドだと思いっています。

 

そして、以下の方々のお話もありました。

  • パフォーマンスがうまく上がらない方
  • 仕事内容と本人適性がマッチしていない方
  • 仕事への姿勢が不真面目な方

これらの方は、さらに諦めてはいけない方々だと思います。

「パフォーマンスがうまく上がらない方」とありますが、その人はなぜ上がらないのでしょうか?。仕事への姿勢が不真面目な人は、どうして不真面目になってしまうのか。きっと原因があるはずですよね。

 

以前に受けた(自社のやってる)管理者研修で、こんなお題がありました。

「ベテランで経験もある先輩部下が、管理職になろうとしない。なってほしいのに。さて、どうアプローチする?」

5〜6人のチームディスカッションだったんですけど、みんなこんなことを言ってました。

「先輩、頼りにしてるんすよ!って頼ってみる」

「まず、小さなチームからはじめてみませんか?と掛け合ってみる」

「ここから給料あげるには、やっぱり管理職じゃないと難しいんですよね、と伝える」

僕は、全部まちがいだと思いました。

 

問題には、原因があります。

人が動かないのにも、理由があります。

それらを取り除かない限り、その人は動かないですよね。

 

もしかしたら、その先輩は以前に管理職をやっていて、そのときの経験がしんどすぎたのかもしれない。

もしかしたら、その先輩は責任を持つのに臆病なのかもしれない。

もしかしたら、その先輩は「若手に譲るべきだ」と思ってるのかもしれない。

 

すべて、解決策が違いますよね。

たとえば「若手に譲るべきだ」と思っているのなら、こうアプローチするのがいいと思います。

「先輩、ほんと頭が下がります。たしかに若手を伸ばさなきゃいけないんです。でも、まだ早いんです。その若手を伸ばすために、まだ先輩の力が必要なんですよ!あいつらを大人にするために、しばらくの間でいいので、先輩がまとめてやってください!」

「何より、僕がしんどいんす・・・助けてください!」

若手想いの先輩は、きっと立ち上がってくれるんじゃないでしょうか。でも「責任を持つのに臆病な先輩」にこんなこと言ったら逆効果ですよね。

 

だから、問題解決の基本は「原因を特定すること」であり「解決策を練ること」だと思います。

つまり「どうして、その人は仕事への姿勢が不真面目なんだろう?何があったんだろう?」と、真摯に向き合うことが、解決策の第一歩だと思います。

 

「1on1を重ねても踏み込めない部分がある」とありましたが、それも同じだと思います。もちろん、簡単には踏み込めません。でも、その人の深層心理、本質を知らないと解決できないなら、「では、どうしたら踏み込めるだろう?」「どうしたら、その人のことがわかるだろう?」と、原因と解決策を練るだけかな、と思うんですよね。

 

無論、それでも無理なこともあります。

もはや、育った環境がそうだった、とか。

でも、諦めるのは「原因を特定してから」だと思うんですよね。

 

 

会社であり、仕事だということを忘れない。

と、こういうことを繰り返し言ってると、どんどんドツボにはまって、いつの間にかカウンセラーのように付き合い続けてしまう人がいるんですよね(笑)

そうして、経営層に「あいつは現場を甘やかすだけで、それに時間を使い倒している」と信頼を失ったりする。もっとひどいと「あいつは部下に好かれようと、媚を売っている」とまで思われたりしますね。

それは、目的を見失ってるから、そうなるんですよね。

僕らマネージャーは、会社の仕事として、チームをまとめてるんですよね。

つまり、経営への貢献のためであり、それを忘れちゃダメで。

 

心苦しいけれども、営利組織なのであるから、その貢献度に応じて真摯に、公平に、評価をすべきで。発達障害であろうが、事情があって不真面目になっている人であろうが、貢献度が低い人は厳しい評価をしなきゃいけないと思います。そうじゃないと、がんばっている人がバカを見ることになって、いずれ転職してしまう。そうなればチームは崩壊し、最終的に会社が倒産しますね。

 

自分で言いながら、(とくに障害を持っている方に)厳しい話をしていると思います。だけど、会社としてはしょうがない。彼らがうまく楽しく仕事にフィットできないのは、現代社会全体の問題であって、一つの会社が引き受けるべきではないし、犠牲になるべきでもない。

そう、だから、これはある面では社会問題であって、それを勝手に一人で引き受けるのもダメなんですよね。それも営利組織の会社員として引き受けちゃ、ダメで。

いくら障害だからといって、他者を傷つけるような言動は許すべきではないし、きちんと注意をすべきだし。それでも止まらないなら、隔離して仕事をしてもらうしかないし、最終的には雇用を止めるしかないかもしれません。それは本当に苦しいことで、喜ばしいことではないです。でも、マネージャーの目的は、一人で社会問題を抱えることではなく、チームで成果を出して会社の経営に貢献することなんですよね。

しょうがないものはしょうがない。

簡単に諦めてはいけないけど、いつまでも諦めないのもダメで。

 

当たり前のことを、当たり前に

結局、行き着くところはこれだと思っています。

ルールを犯す者は注意し罰するべきだし、貢献度が低い人には相応の評価をすべきだし。

同時に、そういうメンバーができる限り改善し、活躍できるようにマネージャーは考えるべきだし。

 

だから、やっぱりこれでしかないんですよね。

  1. チームの目的や目標がこうで
  2. その人はどんな人で
  3. じゃあどうするか

僕はやっぱり考えることはシンプルだと思っていて。
そしてその人が発達障害か、男性か女性か、Z世代かアラフィフか、すべて関係ないと思っています。たとえばZ世代の傾向はあるかもしれないけど、やっぱりそんなことはどうでもよくて。

 

その人が、どんな人なのか。

ただそれだけじゃないかな?と思います。

 

さーて、長くなりましたw

kさん、こんな回答になりましたけどいかがでしょか?

何かのお役に立てるといいな〜。

 

また気軽にご質問ください!

(他の方もぜひ)

 

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