笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

価値観が狭いんだよバカヤロウが。

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※注:このエントリは下記のエントリのつづきです。
https://toksato.hatenablog.com/entry/donarunoyameyo/

 

はい取り乱しました。

わたくし取り乱さないだけがとりえなんですが、取り乱してしまいましたすみません。ちなみにボディの方は良い感じに取り乱しているデブでございますの。

いやー、ごめんなさい。我慢できなかった。

どんな惨状よこれ・・・。

もしかしたらご本人も見てくれてるかもしれないのでヒトコトいわせてください。

 

ゆきほりさん、がんばって!

謝罪のツイートにさらに批判リプしてる人。バーカバーカ!(子供か)

 

 

 

フタコトでした。すみません。

 

あのね、言いたいことはひとつだけ。

前の記事で問うたけど、いま一度聞きたい。

 

なんで寝坊しちゃダメなんだっけ?

 

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。

 



 

一回、常識捨てましょ?

遅刻はね、良くないよ。しかもそれが寝坊って。良くないね。ほんと良くない。でも、社会人は寝坊で遅刻なんかしないのが当たり前って、それは違うでしょ

いや、世間の大多数がそれでまわってるのは事実。僕も遅刻ダメな会社にいます。前の会社はWeb業界だったのでゆるかったけど、いまは事業会社なんで、遅刻なんてもうマジでアホかと。おまえはアホかと。生きているのかと。呼吸をしているのかと。そう言われるわけです(大袈裟)。

でも、Web業界がちょっとその辺ゆるかったり、フレックスとか(ほんとの)裁量労働制とか、そうじゃない世界があるのもまた事実。つまり、加藤浩次なんよ。

 

「当たり前じゃねぇからな。当たり前じゃねぇからなこの状況!」©加藤浩次

 

海外の宅配は遅れるってよく聞くよね

らしいですね。僕は海外に住んだことないから知らないけど、そうらしい。

そこへ来ると、我がニッポンの宅配業者はほんと優秀ですね。素晴らしい。そして再配達とかさせてごめんなさい。独身オッサンなので受け取れる人がいないんよ。ほんとごめん。Amazonプライム会員だけど翌日配送とかいいっすって言って土日配送するように心がけてるから許して欲しい。まじ許して(切実)。

でね、ツイートのなかに「ネットで注文したものがちゃんと予定通りに届かないとどう思いますか?」という、暗に「そうしたらおまえだって怒るだろ」というのがあった。

まあ、これは「上司と部下」じゃなくて「企業と顧客」で関係性が違うので、そりゃまあ怒ることもあると思う(上司は間違いなく顧客ではない)。ただ、それでも「当たり前」じゃないんよ。それはわが国の宅配業者が優れているだけ。

では、諸外国の宅配業者は悪ですか?

そんなことはないんよね。っていうか「うるせえな知ったことか」という話で。ちょいちょい予定より遅れて、でもみんなそんなもんだと思ってて、それで国がまわってて幸せならそれでいい。

当たり前じゃない、当たり前じゃないんよ。べつに遅れる宅配業者がいてもそれでやっていけるならいいんよ。

 

怒鳴った上司がおかしいと言いたいわけじゃないんよ(いやまあおかしいけどw)

上司さんにとっては、寝坊遅刻も、現場写真撮り忘れも、とてもとてもとても重要なことだったのかもしれない(だったら新卒新人に依頼するなよと思うけど)。だから、それはしょうがない。というか、事情が分からない以上そこは言及のしようがない。

でもね、外野がご本人に対して「それはお前の業務レベルが著しく低いから悪いんだ」は絶対に違う。それは「社会人は寝坊で遅刻しないのが当たり前だ」ということから来ていて。

 

何度も言う。
当たり前じゃない。

 

朝ダラダラ来て良い会社だってあるし、ダメだけど「まあまあ、また今度気をつけようね?」で終わらせる会社だっていくらでもある。

誤解しないで欲しいのは「そういう会社があるんだから彼(ご本人)は悪くない」と言いたいわけじゃないんよ。基本的には会社のルールや指示を守れない本人に責任はある。けれども「社会人は寝坊で遅刻しないのが当たり前だ」「だからお前だけが悪い」は違うんよ、と言いたい

 

ルールには濃淡がある

コメントにこんなものがあったんだわいさ。

「簡単なことです。労働は契約ですから、これをやったらこの金額を払いますという契約。遅刻したり指示を忘れても良いのなら、会社は給料払うの忘れても責められないと言うことになりますね。それでも良いのですか。」

おっしゃるとおり。

そう、所詮は契約。でも、だからこそそこには濃淡がある。

「さすがにそれだけはやったらあかんやろ」

「一応ダメなこととして定義しておくけど、まあうっかりやっちゃうこともあるよね」

と。

たとえば、自社の重要機密を競合他社に漏らしたり、顧客情報をネット上で公開するなんてのはもってのほかでしょうね。損害賠償を受けてもしょうがない。それと、寝坊して遅刻するのは一緒ですか?という話

他方で、遅刻やミス、漏れが絶対に許されない職種もありますね。たとえばお医者さんや看護師さんとか。そういう職場ではミスを強く叱責されても仕方ないのかもしれない。しかし、そこはそこでハインリッヒの法則ヨロシク、人間はミスをするものという前提で業務が組まれていたりもする。

このように、ミスを許容する組織もあれば、絶対に流出(≠発生)させてはならないという職場もある。

 

わし、何度も言うんよ。

寝坊しないことも、タスクを頻繁に漏らさないことも当たり前じゃないんよ。

 

価値観は移りゆくものなんよ

みんなが認識している通り、いまは「社会人は寝坊で遅刻なんてもってのほか」「怒鳴られて当然」「それは自分で何とかするもの」という価値観で世界がまわってる。それは認める。

でもね、そんな価値観、いつだってすぐに揺らぐんよ。

結婚の申し込みに行くときに、スーツで行くべきか否か。
おそらく、ひと昔前は「そりゃスーツが当然だろう」だったでしょう。がしかし、今は必ずしもそうじゃないでしょう。

 

 

 

しまった。

 

 

 

ぼく、これ経験が無いからわからない

 

 

ひどい。やめて。アラフォーデブで結婚してないとかそういう既成概念でワタシを捉えないで。おかあさんごめんなさい。

 

まあまあ、賛否あるでしょうが、まあスーツね、そういうものよ。

 

さて、では職場にはスーツでいくべきですか?

 

ひと昔前、日本中がそうでしたね。
でもいま、そうじゃないよね。

いま「仕事はスーツに決まってんだろ!」って言ったら、”老害”っていわれるよね

寝坊やタスク漏れだって、いつそうなるかわからない。

え?遅刻は他人に迷惑をかけている時点で種類が違うって?

あのね、スーツだって同じだから。

オフィス内の全員がピシっとスーツを着ている職場には、相応の雰囲気ができる。それは一つのブランドになる。それを誰か一人が乱すことは、間違いなく迷惑になってる

「迷惑」なんてものは所詮「人の感情」なので、外部環境でいくらでも変わるんよ。絶対的なものではない。

そんな中で大事なのは「なんのためにそれを遵守するのか」なんよ。

「はっはー、おまい今日も遅刻してしまったなぁ?夜はしこたま飲んだのかい?酒はほどほどにな!ん?なんだって?FF7のPS4リメイクをプレーしていたのか。それは仕方がないなぁ。OK。明日からは気を付けようぜ、友よ。じゃあ今日も張り切ってタスクをこなしていこう!」

っていう、妙に海外じみた世界がやってくるかもしれない。でも、それで業務が回ってるならそれでいいんよ。なんて幸せな世界だろう・・・。

そんなとき、古き良き日本人のみんなが「おい!寝坊して遅刻なんてありえないだろ!バカか!仕事はちゃんと定刻通りに出社するのが当たり前だろ!」とかいったら、間違いなく言われる。

 

( ´,_ゝ`)プッ 老害

 

そう言われないためにはどうするか。スーツ着用がそうであるように「現在の仕事においてそれがなぜ必要なのか」を語ることなんよ

それは逆に言えばね、「当たり前だろ!」なんてのは存在しないし、ゆえに通用もしないってことなんよ。それを頭ごなしに、自分達の時代の文化を強要して「当たり前だろ!」っていうと、みんなが大嫌いな老害ができあがります。いま、その第一歩を踏みだしてる人がたくさんいるんよ。

 

自分が悪いんだから上司がどうとか言うべきでない?

っていうような風向きを感じた。

でもね、それはとても危険な思考なんよ。

まず、ここまで何度も書いてきた通り「寝坊して遅刻した本人が全部悪い」「そんなの当たり前」なんてことは絶対にない。そんなのはケースバイケースで彼(ご本人)が会社のルールと合わなかっただけ。

で、それでもたしかにご本人にも非はありますよ。そりゃ会社のルールや依頼を遂行できてないのだから。けれども、それに対して「自分に責任があるんだから一方的に怒鳴られても不満を抱くべきではない」は絶対に違う

そんなことしたら、ほんの小さな過ちを犯した人でも、一切の不満を持つことを許されなくなるよ。

それって、みんなが嫌っている「上司や先輩は絶対だ」と変わらないよね。日本の悪しき習慣である体育会系部活の先輩後輩体質そのものなんよね

本人が悪かろうが何だろうが、未来の改善に向かわない怒鳴りなんて愚の骨頂で、それが「バカ」であることは紛れもない事実。それはそれで思っていい。

もちろん、ご本人が「自分は悪くないのにこの上司が怒鳴っててバカだ」と言ってたならダメ。でもそうじゃない。「自分が悪いのは間違いないけど、指導する側としてこれはバカなのでは・・・」と言っていて、まったくもって正しい。

 

「価値観を広げる」ということ

ここから、僕の経験の話をさせてほしい。

僕には「価値観を広げる」という経験において、非常に特徴的な人がいたんよ。以前の職場で出会った人。

やたら優秀だけど、とにかく会社に来ない同僚のMくん

もうね、ほんと来ないの。会社に来ない。会社員なのに。会社員という単語の定義をうっかりこっちが見失うほどに来ない。僕はこのブログに書いてある通り「Webディレクター」なんだけど、彼は案件を取ってくる営業さんに近い「プロデューサー」という役割。

これがもう、ほんとちゃんとしてない。会社に来ないなんてことがどうでも良くなるぐらいにちゃんとしてない。

でもね、能力はあったんよ。

僕はそれまでWeb制作の営業っていうと、クライアントに口八丁手八丁でテキトーなこといってまるで単価が合わなかったり、夢みたいなこと言って受注とってきたりするアホばっかり見てきた。そういう営業さんはWebの知識がそもそも薄い。そんなんで売ってくんなよ!といつも思っていた。

でも、このMくんは違うんよ。技術的なこといまいちわかってないくせに、Webマーケティングとか戦略のことを中心に、本質的にはおかしなこと言わない。メッタクソチャラいのに割とまっとうなことを言う。そしてクライアントの懐に入り込み、そのギャップも利用して仕事を取ってくる。

僕は、感動したんよ。
おい、世の中にこんなにちゃんとWebの本質がわかってる営業(プロデューサー)もいたんかと。しかも、僕よりずっと人たらしで。

だが、会社に来ないw

17時出社とかザラにあった。
おまえ、逆によく来たな、と褒めてつかわすと思っちゃうぐらい。

でも、こういうチャランポランな奴で「しょうがないなぁ」と思える部分と「おっ、優秀やん」という両方があるから仕事が取れていると思うと、まあいいのかなと思えた。

で、こいつがまた、僕より4つも年下なのにまったく敬語を使わない!(笑)

別に腹は立たないんだけど「えっ・・・僕の方が年上なんだけどな・・・」と違和感を感じまくり。

でもね、そのうちわかってくる。

ああ、そうか。こうやってタメ口聞いてくるから、僕も遠慮なく言えるんだ、と。

 

「僕は頭が固いからそう簡単に敬語を崩せないけど、こういうやり方もあるんだ」

 

と、ものすごく感心したのを今でも覚えている。僕はやらないけどw

価値観を広げるってね、こういう体験だと思うんよ。

「えっ・・・めっちゃタメ口・・・?」って思いながらも、改めて考えるわけ。「うーん、そういえばなんで敬語じゃないとダメなんだっけ?」と。それを考えていくと、「あー、そうか。世間は敬語前提で動いてるからそっちの方が生きやすいというだけで、敬語によって失ってるものもあるよなぁ。べつにダメじゃないんだな」って思うわけです。

そこから、僕は彼のことを尊敬し、そして許容しだします(笑)
Mくんはちゃらんぽらんなので、真っ当でありながらも文脈と関係ないテキトーなことを言うんですよ。つじつまが合わないこととか。正しいんだけど、いまそれじゃないよね?とか、文脈的にそれいまは違うよね?みたいな。

普通のWebディレクターは困ります。実際そういう愚痴を何度か聞いたことがある。でも、僕はそう思わなくて。僕みたいに理詰めで頭の固い人間は突拍子もないことが言えない。「正しいけど面白くない」ことが頻発する。そういうとき、彼が勝手に「(その会議の場だけでは)正しいんだけど突拍子もないこと」を言ってくれる。すると、僕はそのフォローにいく。結果としてクライアントとのミーティングがより充実したものになる。

僕は、Webディレクターというのはサッカーでいうところの「ボランチ」とか「パッサー」だと思ってるんだけど、そういう意味ではMくんは脈絡なく相手陣内に飛び出してくれるFWに近い。普通は「おい!そんな、いきなりそんなところに飛び出すなよ!」となるんだけど、僕にはそれがありがたくて。

 

「おっ、そこに飛び出すん!オッケー、ピンポイントパス送るで!」

 

って思ってたり。あっちはあっちで自分の意志で勝手に飛び出しても後ろからちゃんとパスを出す僕がいるので、それを感じてより動きやすくなってたり。おかげで、制作会社においては結構良いコンビだったと思う。

 

そう、だからね、当たり前のことなんてほとんどないんよ。めっちゃ会社に来なかったり、突拍子もないことを言う人もいていい。そういう人が役に立つこともたくさんある。

 

 

戦闘力5の話に戻そう

件のtogetterの彼(ご本人)を叩いている人の言い分って、要約すると結局は

  • 社会人として当たり前のことだろ
  • それができてないお前が悪い

で、正直に言うけど前述のMくんは才能があったので、これには当てはまらないですね。でも、僕が言いたかったのは「当たり前じゃないよ」っていうだけなので、そこは通じるかと。

でね、つまり「お前の能力が低いからダメなんだ」って、みんな言ってるんですよ。おかしくない?挙句の果てには「ADHDだと思うから病院行った方が良いよ」とかいう。

ちがうじゃん!
ADHDかどうかはわかっておいた方がいいので、病院は(本当にその疑いがあるなら)行った方が良い。だけれど、行こうが行くまいがその人がそういう人だということは何にも変わらない

昨日、川崎でカナシイ事件があったけど、そこでもみんな「能力が低い人だって幸せになれる、絶望しない世の中であるべき」って言ってるじゃん。

それなのに「お前の能力が低いからダメなんだ」「小学生並みのことができないあなたに問題があるの」って言っちゃったら、ダメじゃん。むしろそれが問題じゃん!ダメダメ!

能力が低くたっていいんだよ!相応の仕事や、その人が(大)活躍できる仕事を見つけるんよ!

なかなか難しいし、その人が裕福に暮らせるお金を渡せる社会なのか?と問われるとほんとむずかしい。

でも、まず第一歩として「そんな当たり前のことができない奴はダメだ」になっちゃダメなんよ。それは絶対ダメ。いや、もちろんね、「能力に応じて報酬が支払われるべき」が基本なのでそうなると苦しくなっちゃうんだけどね・・・(何なら僕はそれをもっと求めている節すらある)。

でも、世の中にはいろんな人がいていいし、いろんな働き方があっていいんよ。その理想はブレてはいけないと思う。

そして、その観点で行けばtogetterのご本人は決して間違っていないし、「お前が全面的に悪い」と言われる筋合いもない。
(ちなみに、もし僕が上司なら怒鳴ったりはしないけど、同時に許容もしないですよ。「ふぁー困った部下やなぁ」と思いながら「おいーやってもうたなぁ。どうする?」って話します)

 

やっぱり、世界は自由なんよ。

社会はあれやこれや制限があるし、いろんな価値観があるけど、それに付き合うかどうかは自分が選べる。

こいつは自分の価値観と違うし、自分が考える「仕事はこういう能力があるべき」とは違うけど、それでもいいのかもしれない。そもそもなんでダメなんだっけ?と考える。

価値観を広く持つって、そういうことだと思うんよ。

 

 

おまけ:最後に言いたいこと

ここからは「価値観はたくさんあって良くて、みんな自由だよね」っていう前提で、僕の価値観の話をしたい

 

  1. 寝坊や対応漏れをしてしまう新卒新人(しかもそれをTwitterにあげちゃう)
  2. その新人を生産性なく怒鳴りつける上司
  3. 謝罪をした新卒新人に対して寄ってたかって非難やダメ人間呼ばわりする赤の他人

 

 

3が一番ダッセーって思う。

 

絶対に読んで欲しいおまけ

あ、まじで、これ読んでください。

「私なんてダメなんだ」「才能ない」って思う人や、「そんなもん、社会人としてダメだろ」って思う人に読んで欲しいです。

toksato.hatenablog.com

しつこいだろうけど、しつこいと思われてもいい。僕がどう思われようとそんなことはどうでもいいので、「おれなんて真面目であること以外はぜんぶダメじゃん」って思ってる人にこそ読んで欲しいです。