笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

【これ以外はやっていい】と【これ以外はやるな】と。

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そういえば「エジソンの母」の視聴後雑感を書いてなかったです・・・。

必ず書きます!もういっかい最終回だけ見ようかなw

で、それに繋がる話で、それの前段として書いておきたい話。

タイトルは3ヶ月ぐらい前に、朝まで生TVで元ライブドアの堀江さんやチームラボの猪子さんが出てて、その時に言っていた話です。著作権を脅かすであろう、しかし革新的なサービスツールだったYoutubeは、今や米国経済に貢献するほどに巨大化したビジネスになった。一方、日本で生まれたWinnyは全く逆に逮捕され賠償金まで払わされる結末に至ったという話があり

「日本では新しい技術は潰される」

「アメリカは【これ以外はやっていい】で日本は【これ以外はやるな】という文化」

という話をしていました。

ああ、言われてみればそうだなぁと思ったのですが、後で思い出した話があるのです。

もう10年近く前ですが、僕がまだ専門学校生だった頃。

学園祭があって、そのイベントの一つとして早食い競争がありました。

システムとしては、その場で参加希望者はエントリーをしてもらって、4人ずつのグループに分かれてトーナメント戦、だった気がします。最上階にある大きなフロアで長机一個置いて、その向こうに挑戦者が並部というスタイル。前には見物に来た学生たちがずらーっと座ってます。

大学のように大きな学校ではないので、そもそもの学生数がそんなにいません。その上、観客の前に出て早食いをするスタイルなので、景品が欲しかったとしてもそうそうエントリーする人がいるわけでもなく、たぶん全体でも4~5グループ程度だったと思います。まあ、日本人というものはこういう時あまり目立ちたがらないですからね。なので、全部で3回戦ぐらいしかなかったと思います。

その中に、明らかに違う学校の青年が混じっていました。

あのー、わかるんですよ。狭い学校で2学年~3学年しかないから、見たことなければだいたいわかる。その上、コンピュータの学校ですから、毛色もある程度似通った人が多いんです。でも、その青年は金髪にオシャレなジーンズな格好。ギャル男まではいかないんですけど、なんというか音楽大好き金髪青年というか、首からヘッドホンを下げているような、そういう青年です(どんなだよw)。その青年をでは"音金青年"としましょうか(謎)。

結論からいうとこの音金青年は早食い競争をぶっちぎりで優勝します。

でも、別に全然太ってないですよ。むしろ笑顔が爽やかな痩せ型イケメンでした。

1回戦は、たしかペットボトルの炭酸飲料を早飲みだった気がします。

この時点では、音金青年は目立ちませんでした。一生懸命飲んでなんとか勝った感じ。

まあ、それでも「おおおお!」っていう声はあがってましたけどね。

2回戦。

このイベントの主催者は、たぶん性格が悪いです。

早食いと言うのだから寿司とか丼とか食べるのに苦労するようなものが出てくるのかと思ったら、アッツアツのカップヌードルを出してきましたw。これには場内爆笑。早食いっつうかそれ熱さ我慢じゃんw(まあそれも早食いの一つですが)。カップラーメンはこれもう熱湯いれたての本当にアッツアツです。火傷しますほんとにw つまったり、火傷しないようにコップ一杯の水も用意されてますが(たいがいありますよね)、気休めにしかならないと思いますwww

さて、音金青年はここで頭角を表します。

MCの掛け声でスタートした瞬間、彼は即座にカップヌードルを食べ始めるわけですが、当然熱い。これはもう本当に熱い。他の3人も苦しそうでした。しかし、音金青年は食べ始めてすぐにカップヌードルを机に置きます。当然、まだ食べ終わってません。観客はみんな「?」ですよ。あれ?なんかトラブったかな?と。

次の瞬間、彼はコップの水をカップヌードルに一気にぶちまけました。

もうみんな、え?!ですよ。

なにそれ!マジで!っていうかいいのか?!みたいなザワつきも一瞬でした。

だって、彼は大真面目に周りにこぼしながらものすごい勢いでバシャバシャバシャー!!って食べてるんですよ。もう、それ見たら、「うわー!すげー!いけー!!」となりました。結果、彼はぶっちぎりで一番になり、決勝に進みます。

そして決勝戦。

このイベントの主催者はやっぱり性格が悪いですw

いま、一杯のカップヌードル食べきったばかりの人に、カップヌードルBigと、山盛りかき氷のセットw。これまた会場大爆笑。挑戦者もうなだれてますwww。

さあ、いよいよ超アツアツと、極寒という両極端の食べ物が並びました。

ずんぐりむっくりの男3人の中に痩せでイケメンの音金青年。

この絵だけ見ると、もはやプロのフードファイターにしか見えません。

カップヌードルとかき氷、どちらを先に食べても構いません!」

「しかし、かならず両方とも食べきり、器を逆さまにして置いてください!」

MCの掛け声で一斉にスタート!

山盛りかき氷と、熱すぎるカップヌードル(Big)w

まるで精神と時の部屋みたいですが、この場合やはりラーメンを食べた後にかき氷を食べて冷ますというような、熱の振り子を思いっきり両側に振りながらというのが効果的で、実際そうする挑戦者もいました。また、お決まりのように水をかき氷にぶっかける人もいましたし、二回戦の音金青年の戦いにならって、カップヌードルの方に水を入れる人もいました。

しかし、観衆の興味は、すでに音金青年に集中していました。

二回戦でとんでもない行動に出た彼は、次は何をするのか。

音金青年は、その視線を一身に受けていました。

たぶん、これはスタート前からです。凄いですほんとに。

音金青年は、MCの掛け声と同時に、なんとかき氷を手でワシ掴み

それをカップヌードルにぶち込み、そして、なんとなんと、

カップヌードルにそのまま手をツッコミ始めたのです。

そう。

周りがどうやってこの両極端の食べ物をうまくバランスとりながら食べるか、熱さと冷たさをどうやって克服するかを考えている中、彼はその両者を合わせてしまい、尚且つスピードを優先するために手づかみで食べ始めたのです。一瞬でも頭に浮かんだとしても、これは絶対に不味いですよw。それで避けるという判断もあったと思います。でも、彼は、ある意味まっすぐ一直線に勝利へ向かって手段を選択しました。

音金青年はぶっちぎりで優勝しました。

ともすれば、反則ととられるかもしれません。

でも、間違いなく、MCは「カップヌードルに水を入れてはいけない」とは言ってないんですよ。これだけは絶対間違いない。言ってたら彼はやらないはずだし、観衆もだまってないはずですよね。彼は"禁止"と言われたことはやってないんです。「これ以外ならやっていい」の部分から手段を選択しただけなんです。他の人は、それに気付かなかった。常識という概念にとらわれ、与えられたものに対してある種、まっすぐ受け取ることしかしなかった。

これを、もっと大きな舞台、もっと大きな別の何かでやったら、クレームになるかもしれません。とくにこの国では。でも、新しい発想、人々を魅了するのは、いつでも、僕らの頭の中に無いことから生まれるのではないでしょうか。

音金青年のような発想を、笑顔で受け取れる価値観が、僕らには必要な気がするのです。