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笑顔を創りたいWeb屋の日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。

リアリティと便利とエクスペリエンス。

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便利になるというのは良い事です。

インターネットというのは、21世紀において、便利になる=進化というものの象徴になるんじゃないかと思います。それぐらい、劇的に世の中を変えてしまった。

しかし、最近よく思うことがあります。

R25 所ジョージさんのロングインタビュー

http://r25.jp/magazine/long_interview/1022008010401_01.html

「電子レンジだとムラなく焼き上がって“これがエコです”みたいなおいしい焼き芋ができる。でもやっぱり、葉っぱを集めてぼんぼん焚き火にして…熱はどんどん外に行っちゃうんだけど、小さな余熱で焼いちゃう、その方が面白いよ。芋を取るときに“あちぃ”って言ったり、まだ半分固くて残念だとか、薄着で来たから寒いとか、ハナが垂れちゃうとか…全部ひっくるめてウマイ焼き芋じゃん。効率よく熱を芋に向けて浴びせるのはエコでも何でもないし、うまくもないと思うわけ」

「今は電話やネットで宅配便が届くけど、それに完全に頼るとありがたみが失せちゃう。そこは1回会社に届けさせるの。面倒くさいけど、それを持って帰ることが“役に立つアピール”だから。便利で間違いがなければいいか、というとそうじゃないんです。自分がやるから、そこにはいろんな物語が生まれる。帰りの電車でケーキが崩れることもある。それもドラマじゃん。“満員電車で崩れちゃったんだけど…”って渡すと、そこで家族が満員電車を感じてくれるわけだよ。そうした人生のあり方を、宅配便屋さんにまかせちゃうのは、もったいないでしょう(笑)」

これ以外にも、最近寝台列車がいくつか廃線になりましたが「寝台列車で各駅を通るほうが、遠出した感じがして良かった」っていう声を、TVでいくつも見ました。

うーん、と考えさせられる話です。

世の中はどんどん便利になって、どんどん手間が減っていくけれども「それが全てでは無いんだ」という時代に入ってきているということですよね。ある意味で、成熟段階に入ってきたということですが。

どんなプロダクトやサービスにせよ、人は仮想のものには必ず「リアリティ」を求めます。

そのリアリティを追求していくと、結局、手間が増える。

当たり前ですよねぇ。「リアル」というのは手間がかかるものですから。

Suicaは素晴らしいと思います。

でも、行き先を決めて、駅員さんに切符を切ってもらって、切符を握り締めて目的地へ向かうという経験を奪うことにもなる。電車での移動というのは、リアリティを追求すればそこに行き着く部分もあるわけですから。たとえば「切符の下隅にある4桁で10になるように四則計算を編み出す」というゲームも、いずれマイノリティになるかもしれません。Suicaはそういうものも奪ってしまう。

インターネットは前述のとおり「便利」の象徴的存在で、ある意味で「リアルの重み」というのを奪っている最大の存在でもあると思います。まあ、それが節約できたからこそ、インターネットの素晴らしさなのですが。「リアル=物理の足かせ」を限りなく0に近づけることができるツールですから。がしかし、そうすることで失うものもある。特に若年層に多い傾向ですが、ネットのコミュニケーションに慣れすぎて、リアルのコミュニケーションの重要性、方向性を知らない。ネットがどんなに発達しようと、すくなくとも現時点では、リアルのコミュニケーションに比べれば陳腐なものですよ。言葉の音色も、表情も、スキンシップも受け取れない。それをリアルと同等だと思ってしまう。だからネットは炎上するし、mixi依存症なんてPCやデジタルに人が引っ張られる主従逆転な現象が起きるんですよね。

「便利」と「リアリティ」。

分野によっては、相反するところがあると思います。

都内で忙しく動き回っている営業マンには、Suicaは必須ツールになるでしょう。

ゆっくりと旅先を回りたいご老人には、現実味のかけるツールになるかもしれません。

「相手は何を求めているのか」

これこそが、最も大事な、そして唯一の指針になるんだと思います。

ただ、それがより一層、把握が難しい時代に突入しているのかなと思います。

ペルソナがそれを解決するツールになると信じて疑わない今日この頃ですが、

まず大事なことは、「便利になる」ということが全てにおいて良いことではないということを、クリエイターや、サービス提供者は認識すべきかもしれません。

うーん。難しいですね・・・。