いやまあ、言っても良いんですけど(謎)
割と遠い以前から「タイトルでぶっ放して1行目で即回収する」というスタイルを好んでおります。特に意味はないです。
さて、自身が受託Web制作会社のディレクターだったときも、発注側にまわったいまもこういう(タイトルの)フレーズはよく聞きます。
部下とか後輩にもたーくさんそういう人がいたんだけど「あー、わかってないなー、僕が教えたこととかすげー伝わってないなー」という風に思っておりました。
そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。
メインビジュアルとはなんなのか
人によっては「キービジュアル」と表現しますね。っていうかぶっちゃけ僕は「キービジュアル派閥」です。なんでかはわからないし、べつにメインビジュアルでもいいと思うし、なんとなくメインビジュアルの方が市民権を得ているぽかったのでメインビジュアルとしてみました。
さて、メインビジュアルって何のためにあるんですかね?
ブランディング?イメージ戦略?キャンペーン用?
まあ何でもいいと思います(なんだそれ)。
個人的には「たかだか一枚の写真ぐらいでブランディングなんかできるわけねぇだろ」って思ってますが、まあそれは人それぞれということで。
メインビジュアルで何を伝えたいの?なんでそこにそれなの?それを置くとどうなるの?って話なんですが、そもそもそこにすぐに議論が行くのがおかしい。
「まず、1stビュー内の最も目立つところに、こういうメッセージのメインビジュアルを置きます」
うん、ごめん、見ればわかる。
置いてある要素を上から説明するWebディレクター(とかデザイナー)
いやーほんとにね、そういう人めっちゃ多いんですよ。
「では、次のID○○の△△のページの画面設計についてご説明します」
「まず、最初にこの要素を置きまして、こういう画像でこれを伝えまして~」
「次にこれを持ってきます」
「そして中腹あたりでこれを言うことで、背中を押します」
「そして最後にこの要素を置いてお問い合わせを促します」
こういう説明をするディレクターってとても多いし、(まあまあ)理論的なのでまだ良い方なんですが、相手にしてみれば
おまえはいったい何を言ってるんだ
となるんですよ。
サイトオーナーが知りたいのは「ページのシナリオ」ではなく「そのページがどうやって貢献してくれるのか」
これがわかってない人が多い。
「どうやって貢献~」が「ページのシナリオ」だろ
とかね、言ってしまうわけです。
まあ、日本語的に言うとそれは間違いではない。
だが、サイトオーナーはおまいさんがつくった物語を楽しみたいわけではない。まず知りたいのは「結末」で、つまり「どうやってコンバージョンまでのルートに貢献してくれるのか」でありそれは「機能」を知りたいわけですよ。だって、その機能があるからこそ必要なページになるわけで。何にも貢献しないならそもそもいらないんだから。
そして、そのページが(いわゆる)LPではないのなら、複数のページからなる「Webサイト」なわけで、サイト内に前後のページがあるわけですよ。ということはその回遊という名の"文脈"のなかで
- 「どんな人が」
- 「前のページで何を体験し」
- 「次のページで何を体験するから」
- 「このページではこういう体験をしてもらわないといけない」
という説明が必要になるはず。ページの細かい要素なんぞはその次にやっと興味が出てくる話で、先に(物語的にいえば)結末を伝えなきゃいけない。ビジネスなんだから。
「おじいさんは山へ芝刈りに」とかの前に「はい、これはですね、桃太郎という桃から生まれた子が、悪い鬼を退治するお話です」と言わなきゃいけない。そして「このお話がなぜ必要かというと、御社のこういう話が~」と言えないといけない。ビジネスだから。
WebディレクターやIAが言いたいことなんてどうでもいい
本来、あるべき画面設計(ページ)の説明はこうあるべきだと思うわけですわいね。
「このページは、検索エンジンで○○のキーワードから"ほにゃららで困っているときにやるべきこと"というページに来たあと、具体的に御社の商品を調べに来るページです」
「ですから、入口は商品名ではありません」
「"○○な組織におけるベストな△△の××ツール"という、相手が自覚している問題に寄り添い、だんだん詳細になっていく必要があります」
「そのなかで"なるほど、我々が導入すべきはこれまで検討していた高価■■なツールではなく、☆☆ツールだったんだな"と思ってもらう必要があります」
「そのためには、いきなりツールの特徴を言ってはいけないんです。それはページの中腹以降なんです」
で、そこからやっと「それを実現するためには、まずページの入口である1stビューでこれをはっきりとわかりやすく伝えるために、メインビジュアルにこれを置きます」になる。
WebディレクターやIAという職種の人はどうしても自分が考えて設計した部分を言いたがる。いや、僕が上記したことも「設計した部分」なんだけど、こと「特定のページの設計」になると、便宜上は要素を配置していったことになるので。「配置した説明」をしたがる。
けれどもその時点で大間違いで、サイトオーナーはあなたの設計でがんばったことや注意したことを聞きたいわけじゃない。自身にとって、自分のサイトにとってどれだけ有益な設計になってるのかを聞きたい。
これは画面設計に限った話じゃないけど、報告や説明というのは「相手が聞きたいことを聞きたい順番で説明すること」だと思ってます。ディレクターががんばったところなんかどうでもいい。それこそがユーザー本位であり、ユーザー中心設計的な説明なんですよね。本来は。
ユーザーに対して最適な設計を提案するのが仕事なのに、目の前にいる「設計という仕事のユーザー」である「サイトオーナー(クライアント)」にそれができないっていうのは、根本的なところでわかってないんじゃないのかなと思います。
画面設計に限らず、上司に対する報告でも意識すべきだと思うんですよね。
まあ、だからぼくも意識しなきゃいけない。
がんばります。
2017/12/19 追記
ツイートがちょうど補足的な内容になったので、貼り付けておきます。
昨日書いたこの記事の話は、要は「大枠から話せ」とか「結論から話せ」と言うのと変わらないんだけど、それらも手段に過ぎず、IAとかUI設計とか言ってる人が「相手の求めることを考えずに説明する」という点に違和感を感じるんですやね。 https://t.co/3RmNeVMrND
— toksato (@toksato) 2017年12月19日
ワイヤーフレームを上から説明しちゃう人って、もう自分でいっぱいいっぱいになってるんだよね。まるで台本を読み上げるかのように。だから相手の顔も全然見ていない。設計する人がそれじゃダメだよね。一番大事な相手の顔色を見てないんだから。 https://t.co/8Uky6sJMKR
— toksato (@toksato) 2017年12月19日