笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

学生の経験をデザインする。

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今、インターンシップとしてWEBサイトリニューアルの案件を二つ抱えているのですが、中々進まない。プロジェクトが破綻するほどのものではありませんが。

この3ヶ月で、WEBサイト制作のプロジェクトにおける大事なことを伝えてきました。

ある程度は伝わっているし、彼らも頭では理解しているのですが、それが行動に落ちてこない。

具体的に言うと「ユーザ目線の意識がない」「相手の立場に立って行動ができない」「先を見据えて行動ができない」

何度も叩いて、何度も何度も伝えてきているので、最も重要なことは頭ではわかってくれているのですが、行動に落とすのはやっぱり難しい。それでも、僕が受け持った頃に比べれば格段に思考力はついたと思うのですが(証明するものはまだないけど)、まだまだまだ。メール一つ、報告一つ、資料一つとっても、どうしても「作業」に夢中になってしまい、相手に何を伝えたいのか、という一番大事なことが抜けていたりする。

ある程度プレッシャーもかけているし、お客様の前に出てプレゼンをし、交渉も行わせているので、その手のプレッシャーはあるのですが、決定的に「危機感」が足りないと思います。たぶん、それは僕のやり方の問題。こちらでコントロールをするのは当然なのですが、コントロールし過ぎなのかなと。だから、資料作りやプレゼン、メール、報告、議事録等の有用性、必要性が行動に落ちてこない。

議事録、MTGアジェンダ、ユーザシナリオ、戦略策定書、ディレクトリマップ、クライアントへの報告と催促、まだまだありますが全てプロジェクトを円滑に進めるためにとても重要なもの。そのクオリティが低いのは、つまるところそのものの重要性を理解していないということ。なぜ理解していないのか?。必要性を実感できていないから。

以前、もう何年も前ですが何故か僕は母校の中学に呼ばれて中学2年生とその親御様に「社会に出て感じたこと」を講演したことがあります。恩師がいて、その先生が親御さんたちに「卒業生の話が聞きたい」と求められたから、だそうなのですが。その時に言ったことの一つ。

「お子さんに失敗する権利を与えてください」

「水に塩を大量に入れたら、しょっぱくて飲めません。でも、それをやる前から『良くないからやめなさい』と伝えるだけでは、子供は本当の意味で『塩を大量に入れることの恐ろしさ』を理解できません。お母様は塩が致死量にならない程度にコントロールして、敢えて失敗させてください。フォローをするならば、その後にペットボトル一杯にお水を用意してあげることを考えてください」

「そうしないと、子供はわかりませんから」

僕の今のスタンスにはこれが足りないんだと思います。

僕自身が発した言葉であり、ある程度失敗するように仕向けてはいたのですが、まだまだそれが足りなかったということでしょうか。

というわけで、年末からちょっと放任しました。

やるべきことはあるわけで、ある程度指示は出しましたが、そこでやらなきゃ知らんと。

当然、スケジュールはひっ迫しますね。

でも、そうしないとわからない。

今やっと気づいているようです。

「もっと早く動けばよかった」「あの資料もこの資料ももっとちゃんと作っておけばよかった」

「あの時、ああしておけばよかった!」

僕には、学生にそんな体験をさせるエクスペリエンス・デザインができていなかったようです。

どうしても「プロジェクトをしっかりとまわすこと」に頭がいっちゃうんだよなぁ。

それはWEBディレクタの仕事ですね。