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なんかこう、ディレクションって段取りなわけで、全てのお仕事に大事なことよねと思うわけです。
が、その割にはできてない人がいっぱいいて、フリーランスの方とかほんとどうなってんのそれって思うことが多いです。いや、制作会社の人にもいますけどねw で、僕は僕のディレクション能力がどれくらい優れていてどれくらい劣っているのか自分でもよくわかってないのですが、少なくとも僕よりディレクションに疎くて、できればもっとハッピーになる人がいるのは間違いないと最近は思ってきているところです。
・・・ので、いつもよくわからねーことをグダグダ書いてますが、たまにはもう少し現実のお仕事に即した、テーマを絞った実践的なことでも書いてみようかなと思って。書いてみます。うふふ(謎)
【たまには写真を入れてみるテスト】
んで、現状把握って大事ですよね。
ディレクションを職能として少しでも持っている人(つまりディレクターじゃなくてもディレクションしている人)なら誰でもそれはわかっていると思います。
「現状把握って大事よね」
ってのはもうね、誰でも言える。誰でも言ってる。
でも、実はそれがちゃんとわかってないことも多い。
現状把握っていうとどうも、なにをいくつできたかとか、あと何が残っているかとかそういう話に終止することが多いんですが、それじゃ現状把握とは言えないんですよね。うーん、いうなれば「今あるものを把握してるだけ」ですかねぇ。
現状把握というのは、つまり「現在の状況を把握すること」なわけです。
で「現在の状況」ってのは何でできているかというと、過去と未来の間でできているわけですよね。だから、現状把握と言っている時点で過去と未来の話が同居してなきゃ理論的にすでにおかしいんですよね。
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「果物を集めています。いま、りんごが5個とみかんが3個あります」
っていうのを現状把握と呼んでしまう人がいたりするんですけど、これは現状把握とは言えないと思うんですよね。これは前述した「今あるものを把握してるだけ」だと思います。なぜなら、過去と未来の話がないから。物凄く端的に言ってしまうと「で?だからなに?」って返答が出てしまうから。
・全部で何をいくつ集めるの?
・いつまでに集めるの?
・どういう順番で集めるの?
・そんでそもそも”いま”っていつ?流れで言うとどのへん?
こういうことを網羅してこそ現状把握だと思うんですよね。
・最終的にりんごとみかんとバナナとぶどうを集めます。
・それぞれ7個、3個、6房、4個集めます。
・10日間で集めます。
・初日はウンタラ山に行きます。そこであれこれを何個何個集めます。
・三日目には~
・四日目には~
っていうことがまず前提にあって、
・いま5日目です。
・「果物を集めています。いま、りんごが5個とみかんが3個あります」
・明日はカンタラ山に行きます。そこでどれそれを何個何個集めます。
に意味があるわけですよね。
これ、お仕事の段取りにおいても凄く重要なんですけど、こうやって過去・現在・未来をきちんと文脈で語れる人ってなかなかいなかったりするんですよね。不思議と。
「いま右下の細かいところを修正しています」
「明日には修正完了して出せます」
とか、そういうことを平気でいう人が多いですよね。
いやいやいや、それだけ聞いてもわからないよ。
僕はWeb屋だからWebの話なら理解できるけど、クライアントはそもそも素人なんだからもっとわからない。そういう人に、「今修正してます」「いまこの部分のHTMLをなおしています」「来週にはコンテンツをブラッシュアップします」とか言っても伝わらないです。というか、それそのものは伝わっても、一番大事な「現在の状況」を共有できません。そらそうだ。現在の状況は伝えてないんだからw
だから、Web制作にせよイラスト制作にせよ書籍出版にせよシステム開発にせよ、ワークフローを、完成までの流れをきちんと細かく伝えるべきだと思います。それをまずしないと、現状把握もへったくれもないです。だって、「いまどこにいるの?」っていうのを伝えるんだから、その前提として「こういう道のりをどれくらいの時間で行きます」が無いと意味が無いでしょう。目的も目標も無いのに「いま渋谷にいます」とか言われてるのと同じですから。
タスク分解にもつながってくるわけですが
大雑把な道のりを示したロードマップがあり、
細かくしてそれをフォーマット化したワークフローがあり
それを現実の日時とタスクに落としたスケジュールがあるわけじゃないですか。
現在、過去、未来がの話があるから現状把握といえるんですよね。
いまあるものを伝えるだけじゃい現状把握とはいえない。
そのためには、ディレクションをする人は以下のことに気をつけるべきと思います。
1.まず全体の流れを細かくきちんと説明して共有する
2.「状態」を細かく把握する仕組みをつくる
3.いつでもそれが確認できるようにする
1.まず全体の流れを細かくきちんと説明して共有するっていうのはそのままですよね。一番はじめにきちんとワークフローを相手が納得するまで説明しないと、途中経過を報告する意味が無いです。だって全体の道のりがわかってないんだから。
2.「状態」を細かく把握する仕組みをつくるってのは、つまりリストをつくったり、表をつくったりするということです。全体を俯瞰して、今がどうなっているのかを把握するためには、プロジェクトのどこの数字やデータを見れば良いのかはこちらが提示することだと思います。原稿の入稿管理一つとっても、「あとあれが足りません」とかいうのは凄く不親切だし、現状把握をお客さんと一緒にできているとは言いがたい。自分の論理で管理しているだけですね。原稿管理シートでもつくって、穴埋め方式にすればクライアントだって一発でいまどこの原稿が足りなくて、どこの原稿が足りているのかわかるはずです。
3.いつでもそれが確認できるようにするってのが、実は重要だよなぁと思います。
いくらリストやシートをつくったところで、それがディレクターの手元にしか無いんじゃ意味ないんですよね。現状把握をしているのは結局ディレクターとか制作者だけってことになるから。現状把握ってのはディレクターはもちろん、全員がするから意味があるわけですよ。不安にならないし、相手が何をすべきなのか理解してくれるし。だから、相手がいつでもその情報にアクセス出来るのがベストだと思いますね。例えば、オンラインのデータストレージサービスを使うとか(Googledocsとかスカイドライブとか)は一つの手ではあります。セキュリティ上問題があることもあるので、使えないときはありますけど。
案件の予算がそれなりにあるときは、僕はWebサイトで管理しちゃいますね。簡単なサイトつくって、リンク先にそれぞれ原稿やスケジュールのデータがあって、それをクライアントと共有したり。これなら、そのページをブクマしておけばいつでも最新の状況が把握できますよね。
ディレクションで手戻りを起こさない一番大事なことは、現状を全員で共有することだと思います。
現状を共有しないから、いつ、何を決めるべきなのかを相手がわからなくて、決定が覆るわけで。
・・・ってなところでした。
またそのうちほかのネタでも書きまーす。