笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

スーパーなディレクターがいればすべてが解決するわけじゃない。

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絶賛無職のtoksatoです。

いや、厳密には無職ではないんですけどね。

でも、いまだ就職活動中なのは間違いありません。

おかげさまで落とされてリしたかと思えば、有名なところにお声がけいただいたり、難航しているといえば難航しているし、順調といえば順調です。もうちょっと(もしかしたらだいぶ)がんばります。

ちなみに、無職になってからこれでもかってほと聞かれたんですけどフリーランスになるつもりはありませぬ。それがなぜか・・・てのはまあ、そのうちまた書きます。書くんだと思いますきっと。明日以降の僕がね!

 

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画像にあまり意味は無いわなー

 



割といろんなところに所属して、今回もいろんな会社の人とお会いしているわけですけど、いろんな話を聞いたり見たりしていると、ちょっとディレクションというものにかかる負担が大きすぎるというか、それ一つで案件がバシッとかたまるみたいな印象を持っている人が多いような気がします。

 

いや、あの、たしかに案件がスムーズに進むも進まないも、ディレクターやプロジェクトマネージャーの手腕次第というのはありますし、残念ながら右から左に流すだけの進行管理(そんなもの進行管理とは言わないけど)のおかげで炎上しているプロジェクトがたくさんあるのも事実だとは思います。

 

ただ、結局Webディレクターだって組織の一員でしかないのであって、どうしようもないことの方が多いんですよね。単純に、デザイナーのMAXを超えるようなクオリティは出せないし、コーディングができない人だけを集めてもサイトはできないし。結局、Webディレクターというのは豊富な知識を求められる割に、その道のプロフェッショナルの人にはかなうわけもないし、かなう必要もないし、そうなると「なんでもできるけどなんにもできない人」になるわけです。ええ、だから何にもできない。ディレクター一人では何もできないし、できたとしたらそれはディレクションという職能を持っている他の職種の人になっているわけで、ディレクターというポジションでアサインされている場合は、周りに職人さんたちがいるわけで。

 

どこまで行っても、ディレクターってのは周りの人ありきの人で、この人ひとりでモノが出来るわけでもないし、すべてが解決するわけでもない。ディレクションの良し悪しで成果物やプロジェクトのクオリティが良くも悪くもなることがあるのは事実だけど、結局実際に手を動かして作る人のMAXは(基本的には)超えられないわけですよ。

 

そうなるともうそれって、「誰をアサインするか」であり「どれくらい(金か時間かを)投資するか」であって、クライアントなり制作会社の経営者なりもっと上の階層の人がまず経営なりプロジェクトデザインなりをしてくれないと、現場に放り投げられたってどうしようもないことは多々あるんですよね。そりゃ、周り全部HTMLかじった高校生で立派なWebサイトをつくれってのは無理な話であって。

 

これは成果物云々の話だけじゃなくて、プロジェクトの進め方、取り組み方そのものにも言えるんですよね。どんなに現場のWebディレクターが崇高な意識を持っていたとしても、その上のマネージャーなり経営者が「いいからお客さんの言うことを聞いておけ」っていう人じゃどうしようもない。Webディレクターとて会社員ですから。それはもう、制作会社としてどういうスタンスを取るかということであり、全員が全員ハンコを押したように同じ対応である必要まではないとしても、会社としてどういう対応をするかというのはある程度統一していないといけないわけで、個別のプロジェクトデザイン以前に、制作会社としてのサービスデザインがちゃんと立ってないとどうしようもない。超優秀なディレクターを投下したからってなんでもかんでもうまくいくわけではないし、うまく行ったとしてもそれはその人だけの手柄ではなく、現場で実際に手を動かした人がいてこその成果ですよね。

 

こんなこと、わかっているところはわかってるんですよね。僕がこんなところにわざわざ書かなくても。でも、その「わかっているところ」にいる人は意外とそういうことを知らないというか、知っているんだろうと思うんですけど、僕の体感では「思っているより”わかってないところ”は多いと思いますよ」って感じです。いや、だからなんだっていう話なんですけどw ”わかっているところ”にいる人はそのありがたみをぜひ感じてお仕事していただくと同時に、そうじゃないところでヒーヒー言っている仲間にはぜひ優しくお願いします(謎)

 

で、本当に言いたいのはこっち。

会社としてのスタンスも曖昧で、プロジェクトの中身もちゃんと見ようとしていない、そもそも管理をしようともしていない制作会社にあって、会社がそういうことをわかってないところ(=丸投げして矛盾を放置するところ)にいるWebディレクターやデザイナーそのものが、実はそれに気づいてないことが多いんじゃないかなと思って。要するに何が言いたいかというと、全部が全部現場のアナタ達が悪いわけじゃないと僕は思いますよっていうことです。だって、どうしようもないんですよ。ちゃんと戦略から設計しようとしたって、それにももちろん金がかかる。調査にも分析にも設計にもドキュメントづくりにも金がかかる。やすい単価で引き受ければ疲弊するのは現場。それって結局、価格とクオリティのバランスを現場の過剰な労働でバランスを取っているだけで、経営としては何もしていないのと同じですし。かといってそれを放棄したら今度は不思議なWebサイトになったり、プロジェクトが炎上したりもします。それで悩んでいる人とか、多いなぁと思ったりするわけです。

 

だから、いますぐ不満を爆発させろってことではないんですよ。まあ、大人ですから、いろいろと事情もありますしw でも、なんというかすべてを自分で背負い込むWebディレクターが多い気がして、いや、そもそも僕もアナタもそんなに万能でも全知全能でもないっすよっていう。できねぇもんはできねぇ!なかなかすべてが筋を通して真っ当にってことは難しいんですけど、できることできないことあるわけで、ちゃんと仕組みとして「誰が、何をすべきなのか」ということを理解しておくのは損じゃないかなと思うんです。具体的に言うと「私がちゃんとできないから・・・」「忙しいのを言い訳にしてちゃんとできないから・・・」って悩みながら生きていくのと、「まあ、こっから先の話は、どうしようもないよね」と思ってやるのとではぜんぜん違うよねってことです。

 

Webディレクターなんて所詮組織の一人でしか無いのだから、できないことのほうが多いわけで、そのへんちゃんと理解して心のバランスとってやらないと潰れちゃうよーと思います。

 

基本的にプレッシャーのきついお仕事なので、気楽にできるところは気楽にやればいいんじゃないのかなと、思っています。