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笑顔を創りたいWeb屋の日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。

介護施設・老人ホームのサイトのユーザは高齢者じゃない。

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前にも書いたかもしれませんが、弊社(何処)は医療や福祉システム開発に強いです。

ですから、薬局さんとか病院、福祉介護施設のクライアントが多数います。(あとネットショップも)

そのクライアントにWebサイトの制作を依頼されることが多いのですが、必ず出てくる話。

「制作会社の話で、高齢者に見やすいようにつくった」

「高齢者の方が入居するので、高齢者向けにと前の制作会社が~」

介護施設・老人ホームのユーザは高齢者じゃないですよ

これを見ている一般の方は「???」と思うかもしれません。それが普通です。

でも、クリエイター、プロデューサー、ディレクターはそれではダメと思います。

介護施設・老人ホームのユーザは高齢者じゃありません。

いや、これは実は間違いで、介護施設・老人ホームのメインサービスのユーザは高齢者です。

ただ、これ、Webサイトの話をしてますから。

介護施設・老人ホームのWebサイトのユーザは高齢者ではないんですよ。

介護施設・老人ホームやケアハウス、グループホームの施設を探すのは、たぶん本人ではないことが多いのではないでしょうか。そもそも、相当な高額納税者だった人でなければ費用が払えない。大概、兄弟や息子娘が払うものでは?そして、自分の意志だけでなく、彼ら費用を払う人も往々にして介護施設やケアハウス、老人ホームの施設を探すのでは?だいたい、契約する相手は息子娘なのでは??

いや、割合が少なくとも、入居者ご本人が探すこともあるかもしれません。(ただ、稀だとは思います。ひとりで生活ができるなら探さないんだから。さがすということは「自分ひとりでは生きていけない」「息子娘の世話にはなれない」というこの両者の感覚を持ち得ている人です。そうそういないでしょう。)

でもね、仮にその人、ネットなんか見るのかい?

PCでインターネットが見れるような人は介護なんか必要ないのでは・・・。

60歳以上で尚且つ一人暮らしに支障がある人ですよ?そんな人がPCを起動してインターネットに接続して、YahooやGoogleで検索してWebサイトを見る?携帯からネットにつないでメニューから探してWebサイトを見る?

本当に、高齢者にアプローチをしたいならどう考えても、まずはパンフレットの方が先ではないかと思います。手にとって見れる方がいいんですよ。そうでしょ?よく身障者や高齢者向けの対応を「アクセシビリティ」といいますが、それは限定されすぎている話で、本来は「アクセスできること」が大事なわけだから「Webサイトがある時点である程度のアクセシビリティは確保されている」が正しいと思います。しかしそれはネットを使える前提。ネットやPCなんか生活に入り込んでない高齢者の方にはパンフレットよりもネットの方がアクセシビリティが悪いんですよ。そんなもんWebサイトの文字をどんなに大きく、どんなに目に優しい配色にしたって無駄でしょう。だって、そこに「アクセス」できないんだもん。まず、相手が受け取れる手段を用意することが「アクセシビリティ」なのですよ。

僕の祖母は80歳。祖父は85歳。ネットなんて全く使ってないですよ。

皆さんの祖父、祖母だってそうじゃないですかね?

そういう、PCなんか怖くて触れないようなおじいちゃんおばあちゃんに向かって、彼らを一番にもてなさなければいけないようなサービスの人が「ネットに載ってるんで見てください」って、すっっっっっっごい失礼だと思いません?僕の横で祖母がそんなこと言われたら、僕は祖母を遮ってでもその人におもいっきり文句いいますよ。否定しますよ。あなたナメてるんですか?って。皆さん、もし、どこかのサービスを祖父母に紹介しようと思ったらパンフレットやチラシを持って行きません?Webサイトしかなかったら、プリントアウトして見せません?それは、相手がそういう方が受け取り易いからですよ。

そう、だから、Webサイトを出力した時のために高齢者向けにということもわからないでもない。

でもね、それは間違い。そんなことするぐらいなら、パンフレットのPDFを置いておく方がよっぽどいいと思う。PCのWebサイトはPCの画面で見るように設計されてるんですよ。パンフレットに「スクロール」なんてないですから。Webサイトに「見開き」「めくる」なんてないですから。パンフレットはめくれるんです。右から左にすぐに目を移せるんです。触れるんです。だからWebサイトは、介護施設・老人ホームを探している息子さんや娘さんのために創るのがまず先なんですよ。もし、それでもWebサイトでアプローチしたいと言うなら、まずiPadの配布から始めるしかない。高齢者が使い易いようなツールで、それに見合ったサイト設計をするしかない。そんなことしてたらすぐに倒産ですけどね。

「この介護施設・老人ホームので働く人たちをどうやって助けよう」

「介護施設・老人ホームを探している人に、どうやって知ってもらおう」

「高齢者の方々に、どうやってサービスを届けよう」

「そのためには何が出来るだろう」

ということを、クリエイターが一切考えてないんです。

だから、そういう視点が出てこないんです。

Webサイトを創ることが目的になってる。

だから「高齢者に向けてアクセシビリティに配慮し・・・」なんてステレオタイプな発言をする。

ものづくりにおいて、一番いちばん大事な、志がない。

それがないクリエイターにいいものなんかつくれないと思う。

「誰のためのデザイン」なの?