笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

経営者目線を持たない人ばかりの組織はやがて腐る。

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この記事の続きです。

toksato.hatenablog.com

 

経営者目線ってなにか、ってのを中心に前の記事では書いてみたけど、すごい根本的なところで、僕はその意識が無い人ばかりの組織には身を置きたくないと思ってるんですよね。

 

もう少しはっきり言うと、当事者意識の低い組織には身を置きたくない。

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。

 



 

マシーンになるな

ダイヤモンド・オンラインの記事にこうありました。

例えば、野球で監督が「ここはバントだ」と指示をします。監督は、バントによってチームが勝利に近づくことに責任を持ち、選手はバントを成功させることに責任を持ち、必死で成功させようとします。選手が監督の立場に立って、「なぜ、ここでバントなのか」を吟味するようになり、本人が納得するまでバントしない、監督が毎回説得するようなチームで勝てるはずがありません

そしてその前段にはこうありました。

こんな声が聞こえてきそうです。しかし、大丈夫です。メンバーは、リーダーの「決めごと」をどのように実行できるかを必死で考えるようになります。そして、実行する上で何か問題が発生すれば、リーダーに起きている事実を即座に報告できるようになるのです

 

2つをまとめると、つまり「バントの指示を出されたやつは何も考えずにバントだけしてればいい」ということになると思うんだけど、違うのかしら。

 

そんなクソッタレな組織、やってられるか(笑)

 

はてな界隈の人をはじめとして、あの記事を賞賛してる人はなぜここに違和感を感じないのか不思議なんだけど「俺の言うことは絶対だ。余計なことは考えずにお前は歯車に徹してればいいんだよ」なんて、ブラック企業そのままだと思うんですけどねぇ。

 

歯車に徹することが悪だと言いたいわけではないです。
また、仕事の大前提は「まずは歯車として機能すること」だと思います。しかし、それだけやっていてはなかなか成長しないし、報酬アップが見込めないのも事実ではないでしょうか。そりゃ、やる仕事が変わらないんだから。だからこそ、人はリスクを取ってチャレンジし、できることや権限を増やしていかないと成長しない。

 

それに、僕はバントの名手だった川相昌弘さん(元巨人)が「試合全体のことを考えずに自分はバントの成功だけを考えればいい」なんて思考であそこまで上り詰めたとは思えないんですよね。

 

全員が全員そうである必要はないけど(そもそも仕事との付き合い方が人それぞれなんだから)、組織全体のことを考え、自分の仕事をする人が多い組織の方が強いと思ってます。
ただただ綺麗なコードを書くことしか考えてない人より、プロジェクトやクライアントのビジネスなど全体を理解し、意識してコーディングする人の方が、組織やプロジェクトに貢献しやすいのは火を見るより明らかではないかと。

 

部下は上司の仕事を評価すべき

前述の引用記事にはこんなことも書いてあって。

必ずリーダーの「決めごと」を評価するようになります。責任を取れる立場にないのに、です。

 本来、メンバーは自らの実行責任を果たすことに必死で頭を使わないといけないのに、リーダーの指示を評価、吟味することに頭を使うようになります。

~中略~

メンバーを納得させることに多くの時間を割くようになり、やがて、機能停止を引き起こすことになります

 

評価をさせるとそっちに目が行って自分のタスクを実行しなくなる、とあるけど、それはまず「リーダー目線を持て」の意味を履き違えてるから起きているわけで。もともとリーダー権限など与えていないのだから勝手に決めるなというただそれだけの話であって、上司に対する評価はすればいいと思うんですよね。っていうか、するなと言ったって評価するのが人間というものだし。

そして、そうじゃないと上司やリーダーの決断が絶対になり、そのリーダーが悪しき思想を持っていたとしても組織の自浄作用が働きません。そんなことしたら組織は腐っていく一方だし、こうやって権限と権力をはき違えたリーダーやマネージャーがのさばる会社組織が出来上がていく。

「評価すること」と「自身のタスクを放棄する」のはまったく別の話で、仕事なんだから引き受けたタスクはちゃんとやるべきですよね。ただ、上司の指示や決断が間違っていることだってあるし、納得して仕事をしないと良い成果も出てづらいし。「とにかくお前はきれいなコードを書いていればいいんだ」なんて組織、力としては弱いチームだと思います。

「そのやり方だとこういう結末になる危険もあると思うんですが、良いのですか?」と聞いて、上司が「それでもやれ」というならやればいいんですよね。その結果に対する責任は上司にあるのだから。そしてその結果に対する(低い)評価は思いっきりしてやればいい。だって、それができるからその権限を貰っていて、それなりの給与ももらっているのだから。できなければマイナス評価になるのは当然のこと。

 

究極的には上司の仕事を奪うことこそが、昇進への近道

と、僕は思うんですよね。

昇進したければ、そのポジションにいる人と同じことができればいいというすごく単純な話であるし、他方では直属の上司の手を空けられればその上司の人件費が浮いて、前述のとおりその上司はさらに成果が出る方へ注力できるわけです。

だから、その上司、そのリーダーの仕事を自分が奪うつもりでやればいいし、そのためにはそのリーダーの立場に立って物事を考えられないとそうはなれない。

そうするとそのリーダーが暇になったりして、つまり下から突き上げられるわけだけど、それで良いと思うんですよね。自分と同じことをできるやつがでてきたら、自分のポジションを脅かされるのが正常な状態であって、そしてそれがあるからこそリーダーはさらなるスキルを得るために頑張るわけじゃないですか。

だから、これが無い方がむしろ組織は腐っていくと思っていて。
メンバーは自分のタスクのことしか考えないし、上司の評価はそのまた上の上司しかしない、そんな組織は遅かれ早かれ潰れていきますよねぇ。また、そうやって「自分のタスクの精度しか追わない、プレイヤーとしてしかすぐれていない人をリーダーに抜擢」なんてことをするから、まともにマネジメントできる人が育たないし、マネジメントの才能がある人がそのポストにもつくことも難しい組織になる。

これは「雑務」の話にも言えて、

toksato.hatenablog.com

にも書いたんだけど、上司やリーダーだからって部下を奴隷のように使っていいわけじゃないし、雑務の軽んじて良いわけでもない。上司やリーダーが部下に雑務を任せるのは、「部下でもできることはやらずに、自分しかできないことに集中するため」であって、これは実は自分の首を絞めているんですよね(笑)。誰でもできることをやってお金がもらえるならそっちの方が楽だもの。

組織において大事なのは、それを理解しろということではなく、ちゃんとリーダーが新人や若手に説明して教えることだと思うんですよね。「雑務をしている方が実は楽なんだ」と。評価の話も同じで、タスクを全うすることと相手を評価することはイコールではない、と言う会社組織のことをちゃんと教えることが大事だし、現場メンバーはそれを受けてちゃんと考えて仕事をして、どうやってステップアップしていくかを考えなきゃいけない。

そのための「リーダーの目線を持て」なんですよね。

 

そもそも仕事の基本は「相手の立場に立って」では?

長々書いてきたけど、これもっと根本的なことなんですけよね(笑)大概の人の仕事というのは何がしかのアウトプットがあり、一番身近な「自分の仕事のユーザー」は上司なんですよね。上司に貢献することは(組織が腐ってない限りは)経営に貢献することなんだから。

「自分の仕事を受け取る相手の立場に立って」というのを、ターゲットユーザーをリーダーや経営者にしただけの話、なんですよね。

これはリーダーの立場でも同じで、経営者目線に立てば自分の仕事の質を問うようになるはずだし、そして部下に自分と同じことを任せられそうな人がいるなら、自分のポジションは脅かされるのがごく自然なことであり、だから自分もリーダーとしてより良い仕事ができるよう、さらなる上のポジションへ行けるようにがんばるわけですよね。

 

つまり、これは「当事者意識」とそう変わらない言葉だとも思います。

当事者意識を持つからこそ、自分を客観視する必要も出てくるし、その手段として「一つ上の目線で物事を見る」というスタンスも出てくる。

 

だから、経営者目線を持たない人ばかりの組織は、たぶん「当事者意識」の無い人ばかりの組織です。

 

そんな組織に身を置いて、自分も当事者意識が無い人になってしまったら、たぶん成長は止まる。

 

そんなの、僕は嫌なんですよね。

 

みんながみんなそうなるべきとも、思わないんですけども。