笑顔を創りたいWeb屋の日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。

Webディレクターってなんもできないよね。

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Webディレクション Advent Calendar 2015 - Adventar」の12/23日の記事でございます。

 

んでお題の「ディレクション」について、ディレクションとは~みたいなことはほかの人が書いてるのでそれはもうそれでいいし、どっちかっていうとそれはググったらいいんじゃないでしょうかと思っているので、それはもういいや書かないでおくぜっていうことに決めました。こういうのを冗長な文章といいます(謎)

そしてこのエントリタイトルは釣りなんですけどそんなに釣りじゃなくて、どっちだよと思うのでしょうけど、そのまえにオマエダレダって言われている気がするのでそっちから触れて行きましょうかそうしましょうか。

ワテクシ ナニモノカト モウシマスト

そのへんのどこにでも転がってる無名Webディレクターなんですけども。もうちょっとちゃんと説明しましょうかそうしましょうか。

新卒で割と大きめ(従業員数千人ぐらい)の印刷会社でDTPオペレーターを3年ぐらいやったあと(その間に1.5年宮崎県に長期出張もしてた)、そこからはずっとWeb系のお仕事してます。はや10年以上たっていることに驚きを隠せませんが隠していきたいと思います。

ただ、ずっと一つの会社にいたわけではなく、ナントカ二十一とかデコボコ印刷とかナントカロープとか、そのほか専門学校の先生とか弱小無名システムベンチャーとか編プロとかもういろんなところにおりました。ええ、まじでさすらってます。でもいまは落ち着いてインテリジェントネット株式会社にて受託制作のWebディレクターをやっております。なんかようわからんけど役職もついてます。

 

 そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいディレクターのおじかんです。

 

 



 

Webディレクターってなんもできないよね ワロス

いやあのーなんもできないわけじゃないですよ。なんもできなかったらお金もらえねーし。やだかなしい。そんなの死んじゃう。じゃあやめればいいんだけど

Webディレクターという職業を、ディレクションというスキルを、軽視するつもりはないです。でも"まごうことなき事実"として、WebディレクターだけではWebサイトはできないんですよね(正確には「Webディレクションだけでは~」)。

はっきり言って、HTMLコーダーがいればWebサイトはつくれます。すっげーダサくて使いづらいかもしれないけど。それが嫌であればデザイナーとHTMLコーダーがいればいい。できる。なんならHTMLコーディングができるデザイナーさんなんてゴマンといるのでその人ひとりいればWebサイトはできる。とりあえずクリックして動いてそれなりに美しいものはできる。

Webディレクターには、これがない。

僕らがどんなにがんばったところで、世には(Webディレクションという職能のみをまっとうしているうちは)Webサイトの影も形も出てこない。

「つくれるのはわかったもういい」

このフレーズを何度も何度も繰り返す人がいました。彼が言わんとしてるのは「つくれるだけじゃダメ」「つくれるなんて誰でもできる」「売れるように考えられないと意味が無い」。これを、一緒にサイトをつくっている仲間の前で連呼する。僕はそれが嫌で嫌でしょうがなかった。つくれることに意味が無いのなら、企画もプロモーションもそれにかかわるアイディアにも同様に意味はない。それだけじゃ何者にもならないのだから。

だから、実は同じように「アイディアに価値はない」なんていう人もいましたがそれも僕は好きじゃないです。どうして「かんがえること」と「つくること」のどちらかにしたがるんだろう?そんなもん「どっちも大事」でいいじゃんねぇ・・・。実際両方ないと良いものはできないのだから。

日本における「アンチ技術志向」

ただ、こと日本においては長らく「技術大国ニッポン」と信じられてきたためか、いや、その弊害なのか「技術だけを高めても売れない」という逆の思考(信仰?)が根強い。もちろん、ユーザーが求めてもいないスペックを搭載することに、そこに投資することに意味が無いのは事実だけれど、それは決して「技術力がいらない」ということじゃない。

そして、Webディレクターという職種についている人の多くは「上流工程」とか「考える側」にいることが多い。僕もそっち側です。でも、だからこそ意識しなければならないと思うのです。基本的には指示する側であり、クライアントに対しても責任者として立つことが多いため勘違いしやすい環境にあるのは否めないけど、勘違いしようがしまいが、まちがいなく僕らはべつに偉くもないし、デザイナーやエンジニアが軽視されていいはずもない。

Webディレクションのアウトプット

デザイナーもマークアップエンジニアもプログラマーも、デザインができたり、マークアップができたり、みんな何かしら出来るのに、ディレクターは一人ではなにもつくれない。

「ほんと、僕はなんもできねーなー」

って良く思います。
じゃあ、僕らWebディレクターの成果物ってなによ?って考えたときに「ああ、自分自身とか、自分から出るコミュニケーションがほとんどだよなー」なんて思います。

Webディレクションについて、人によっては整理とか、雑務全般とかトラブル解決とか言うわけですが、要するに僕らの仕事は周りにいる職人の力をいかに100%に近い形で発揮させるかだと思うんですよ。だって、Webサイトという最終成果物にダイレクトに影響するのは僕らではなく、まわりの職人さんたち能力発揮度合いですから。

そうすると、Webディレクターのアウトプットというのはメール、電話などの日々のコミュニケーションそのものであるし、ミーティングのためのドキュメントであったりするはずなのです(あくまでWebディレクター=ディレクションをする人、という定義です。IAとかはまた別の話)。毎日のようにデザイナー、エンジニア、クライアントに出している日々のコミュニケーションこそが僕らの"アウトプット=成果物"じゃないでしょうか。

Webディレクターの財産

前にも書いたことがあるんですけども、ディレクターになったばかりの頃に上司に言われたことがあります。僕がずっと宝物にしている言葉です。

「ピンチになったとき、おまえの一言でどれだけの人が助けてくれるか。それがディレクターの財産だ」

この話はこの一言で終わったわけではなくて、後ろにこんな解説がつきます。

「どんなに緻密にプロジェクトをまわしても、いつか必ず想定外、ピンチな場面は訪れる。なぜなら人間がやってることだから。こちらに全く非がなくてもクライアント側の組織変更だとか、要因はいくらでもある。そんなとき、すまん!たのむ!の一言で『しょうがねーなー、今日は徹夜だ!』と助けてくれるエンジニアやデザイナーが何人いるか。そういうことだ。だから、おまえらはピンチのときだけ頑張ればいいんじゃない。むしろピンチじゃないときに、平常時にいかに丁寧にディレクションができるかが大事なんだ。その日頃のやりとりが"こいつが言うんじゃ助けざるを得ないわな"という信頼になる

 

おそらく、Webデザイナーにおける価値というのは(多少は人間性、仕事のしやすさが含まれたとしても)9割は「良いデザインができるか」でしょう。そりゃそうだ。仕事のほとんどはアウトプットで評価される。

ならば、Webディレクターの評価は日々のコミュニケーション、段取り、物事をスムーズに進めるためのドキュメント(これも広い意味で言えばコミュニケーションだけど)になるはず。

「最高速度」は最優先事項ではない

つくれることは当たり前じゃない、と書いてきましたが、当たり前かどうか以前にそもそもそこにレベル(クオリティ)が存在します。もしかすると「ただブラウザに表示されればいい」というだけなら、Web業界にいる「一応HTML知ってる人」なら当たり前にできるのかもしれません。でも、「規格に準拠してかける人」「大型サイトにおいて運用のこともしっかり考えてHTML/CSSを適切に設計ができる人」となると、実はこれはそうそう簡単には見つかりません。技術があることはぜんぜん当たり前じゃない

でも、だからといってすべての人が最高である必要もないし、すべての案件にそれが求められるわけでもない。さらに、仮にメンバーの誰かのクオリティがあまり高くなくてWebサイトのクオリティが下がるとしても、それはそのメンバーが悪いんじゃない。そのメンバーをアサインした人が悪い。だって、怠慢でもないのなら、もともとその人の持ってるスキルなんて今日明日で変わるわけではないのだから、気に入らないのなら初めからアサインしなければいい話で。

漫画「ONE PIECE」のビビがこんなことを言ってましたよね。

「一刻も早くナミさんの病気を治して そしてアラバスタへ!!!それがこの船の"最高速度"でしょう?!!」

一刻も早くアラバスタへ行きたいのなら、さっさとナミを降ろせばいいんですよ。
でも、麦わらの一味はそれをしない。アラバスタへ本当に最速でつくことが最重要事項ではないから。そこには、ナミが大切な仲間であり、ナミの(人柄などすべてを含めた)能力に対する尊敬と強い意志があるから、そうなるんだろうと思います。

Webディレクターはなんもできないダカラー(謎)

多くのWebディレクターはプロジェクトメンバー(外部含む)をアサインする立場だったり、そうじゃなくても指示をする側、陣頭指揮を取る立場にあると思います。もちろんそのとき、すべてのポジションに最高戦力が集まることが望ましいです。そりゃ楽だ。もはや何もしなくても良いサイトができてしまうかもしれない(笑)

でも、現実はそうじゃないし、だいたい最高戦力には相応のお金がかかる。それを求められていないプロジェクトなんていくらでもあって、ある意味では能力が著しく高いエンジニアはそのプロジェクトにおいては「最高戦力」ではないのかもしれません。

ナミだってゾロだって、そもそもルフィだって最初から最強じゃない。最強(最高)じゃないのはその人が悪いんじゃなくて、もしそれが原因で成果が出せないならそれはアサインの間違いだし、そもそも全員が最高でもとからなんもせんでも勝手に100%の能力を発揮してくれるなら僕らはいらない

きっと(とくに受託は)いろんなプロジェクトにアサインされることになると思うのですよ。ってことは、いろんなメンバーと組むことになり、僕らはそんなメンバーの能力をとにかく高く発揮できるように動かねばならないし、どんな人であろうがそのメンバーが、職人さんがいないと僕らだけではWebサイトはまったくできない。

だから、能力の高い低いは関係ないと思うんです。つくれない僕らは、いつだってつくれる人を、職人さんたちを「すごいな」「ありがたいな」とリスペクトして仕事に臨まねばならないと思うのです。もちろん最高技術を持っている人はそれはそれで尊敬するけど、駆け出しのエンジニアだって仲間としてじゅうぶん尊敬に値する人だと僕は思っています。ルフィがナミにそう思っているように。

そうやって初めて、やっとこなんとか、「日々のコミュニケーションに丁寧に」なれると思うんです。

だから僕は、どんなメンバーと組んでも、その人を、そのスキルを、尊敬することからはじめるディレクターでありたいなと、ずっと思ってます。

 

「みんながいるから、仲間がいるから、僕はWebサイトを世に生み出せているんだ」と思って仕事してます。 

 

だから僕が困ったら手を動かしてくれる才能豊かな皆様、ぜひぼくを助けてくださいw

 

P.S.

そんなディレクターがいるインテリジェントネットは絶賛採用募集中でございますので、一緒に働きたいなと思う変態で奇特な素敵な人はぜひご応募くださいませ。