笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

Webディレクターのやりがい、あるいは「"なぜ"この仕事をしているのか」。

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こんばんちは、スーパー太っちょWebディレクターです。
スーパーは太っちょにかかります。

 

今日の記事は、美声なうえに永遠にひとりで喋れてしまう、明石家さんまスキルを持ったママWebディレクター「モ力あさん (@mocaaaasan) / Twitter」。そのモカあさんのTwitterスペースを聞いた後に書いております。
今日のTwitterスペースは「Webディレクターになりたい人が少ない」という話でした。(正確なタイトル忘れた・・・)

 

たしかに・・・。

 

いやそのまえに、最近の若者さんは「モカ」というと上白石の妹さんを思い浮かべるのでしょうけど、僕ぐらいのふとっちょおじさんになると「モカ」というと"未成年"というTVドラマで、いしだ壱成さんが叫んでいたなぁと思います。もかぁ!もかぁ!って、たしか夜中の公園で叫んでました。どう考えても近所迷惑だなと思いました。でも叫ばせてあげてください。あれは叫ばずにはいられない。もかぁ!でくー!でくにさいばんをー!

ちなみにその「未成年」の"モカ"を演じたのは"桜井幸子さん"という人で、これがもうおキレイでおキレイで。声もおキレイだし歌はうまいし、その上手さで紅白歌合戦にも出たことのある人です。さそり座の女と衣装の豪華さを競ったラスボスですいやちがう、ちがう、それは小林。小林のほう。桜井の方の幸子さんは2009年に引退をされてしまいましたが、女優としてはもうほんとに"ふわふわな優しさ"を表現させたら日本一だったんではないでしょうか。

 

いったいワタクシは何を言っているのか

 

脱線にもほどがある。

だもんで今日は、「Webディレクターになりたい人が少ない」を受けて、「そういえばWebディレクターになったら何が楽しいのかって、ちゃんと書いたことなかったな」という記事です。

 

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。

 

■目次

 



 

 

というわけでね、Webディレクターという仕事の魅力を乱暴に書き殴るのよ(乱暴にする必要はない)

ああ、ちなみに、100人のWebディレクターがいたらその人なりの「やりがい」というものがあって、たぶんそれは少しずつ違うので、あくまで僕(歴17年)の"それ"だと思ってもらえれば。幸いであります。

 

何者でもない自分が何かになれる

僕はね、Webディレクターをやる意義ってこれだよなぁと、いつも思っています。

というのも、「ミルクボーイが「Webディレクター」を説明したら。」でもこう書いたんだけど。

何かを作ってるようで、何も作ってない!しかし不思議と何かを作った気はする!それがWebディレクターやねん。

そう、我々Webディレクターは、実は(その仕事に徹すればするほど)何もつくってない。見た目をつくったのはデザイナーだし、動くようにしたのはエンジニアだし。少なくとも「ものづくり」を極めたいならデザイナーとかエンジニアになるべきだと思うんですよ。

だがまあ、僕はその才能がないんですよね〜。

いや、デザインもコーディングもやってたし、CMSの組み込みまでぜんぶやってたこともありんす。
だから、割と「Webのことなら何でもできる」という人ではあると思う。が、じゃあ美的センスでWebデザイナーさんに勝てるかというと、足元にも及ばない。エンジニアリングもそう。たいしたもんはつくれない。ぼくは、なんでもできるようで、何にもできない人なんですよ

Webやものづくりに限らず、どの世界においてもこれほど悲しいことはない。だって、なにやったって誰にも勝てないんだもん。絶対に1番になれない。世界一どころか日本一も遠い夢で、数人の職人さんが集まった小さな会社(チーム)ですら、だーれにも勝てない。なんにもできない。いろいろできるんだけど、そこにはそれぞれのエキスパートがいて、僕なんかの手を借りる必要はない。

 

 

おい、書いてて悲しくなってきたぞう

 

 

ただ、だからこそ、この仕事があってありがたいと思うわけです。

数人の職人さんが集まった小さな会社(チーム)ですら、だーれにも勝てない

と書いたけど、これがヒントになると思っていて

デザイナーだろうがエンジニアだろうが、基本的にひとりでできることは限られていて。おのずと(どんなに小さくとも)チームになった方が良いものができる。しかし、チームになるということは、意思の疎通や情報のやり取りが必要になるということで、そこにまた一つの"難しさ"が加わることになる。

かといって、デザイナーさんやエンジニアさんがそれらが上手なわけでもなければ、そもそも職人さんというのはあるところ"感情の生き物"で、もともとが得意ではない人が多い。

あらゆる職人さんが手を組めばものすごいことができるのに、手を組むのはやっぱり簡単じゃない。

そういうときに、自分の出番だなと思うわけです。

ひとりひとりでもすごいけど、僕がプロジェクトをなんとかして、そのプロジェクトに"彼ら彼女ら"の居場所をつくり、なんなら一人でやるよりイキイキさせることができれば。ぼく自身は何もつくっていないのに、ものすごいものがつくれるんですよね
しかも、各職人さんの活躍できる場までつくれて。ユーザーだけじゃなく、プロジェクトに関わるずべての人の笑顔を創ることができる。僕なんて、何にも創れないくせにw。

それが僕にとっての「Webディレクター」という仕事のやりがいですね。(そして、このブログタイトルの由来でもあります)

 

 

全人類と”信頼の交換”ができる

全人類はぜったいに言い過ぎなんよw

ただ、それに近しいぐらいのことが「ディレクター」にはできると思っている。

前述の通り、プロジェクトにおける各職人さんたちとやり取りができるのがWebディレクターで。というか、「プロジェクトをなんとかすることで多くの人の笑顔を創りたい」だけなら、べつに営業さんでも、デザイナーやエンジニアでも良いわけですよ。僕にその才能はないけど、無いなりにがんばればできないこともないわけで。

Webディレクターは、すべての職人との距離が近いんですやね。

たとえば、デザイナーとコーダーはそれほど遠く無いかもしれない。しかし、そこからもっと深くいってバックエンド、さらにその向こう、インフラエンジニアとなると、Webデザイナーは縁遠い職種だと思う。たぶん直接話すことは稀で。Webディレクターは、そんなインフラエンジニアとも直接話をするポジションで

 

Webディレクターは、プロジェクトにおけるほぼ全てのポジションと直接、対話ができる。

 

僕は、Webディレクターという職業は「サッカーにおけるボランチ」とよく言っているのだけども。

サッカーをあまり知らない人にはわかりにくい話だと思うけど、「ボランチ」というのはポルトガル語で"舵取り"、"ハンドル"を意味する。つまり司令塔なんだけど、それは「おしゃれなプレーで中心となる」ってことではなくて

チームのことを誰よりも考え、戦況を見渡し、たとえばチームが攻勢に出ていても(逆襲された時のことを考え)守備の人数を確認したりする。いま、自分もイケイケで攻撃に加わっていいのか、踏みとどまるべきなのか。

たとえば、サイドDF(=本来は守備要員)がサイドを駆け上がって攻撃に出た時に、そのポジションを埋めたり、たとえばそのときに「そのまま上がれ!(うしろはオレが埋めておくから!)」と一言かけることで、サイドDFが自信を持って攻撃に参加できたりする。そしてそのサイドDFが上がったことが得点につながったりする。サッカーなのにボールと関係ない、たった一言で仕事ができたりする。

それはたとえば、デザイナーへのたった一言の声かけで、できあがるものが違ったりするのと同じで

「ここ、赤にしてほしいって言われたから、よろしく」

と言うか

「ここ、赤にしてほしいって言われたけど、それ以外もあると思う。ほんとは驚かせたい。だから、デザイナーの○○さんに期待してるんだ」

と言うか。

 

これは、ピンチのときも同じで。

 

サッカーだと、カウンター(逆襲)を受けて、たとえば自陣で2対3の状況をつくられてしまうことがある。相手がひとり多く、自軍のゴールも近い。はっきりいって、絶望的な状況。そういうとき、サッカーのボランチは全速力で走る。戻る。間に合わないことも多々あるのだけど、走る。それは、味方が待っているから

ひとり少ない状況で守っているDF達も、このままではどうしようもないのはわかってる。だけど、こう思う。

「少しでも時間を稼げば、ボランチのあいつが全速力で戻ってくるはずだ!」

と。だから、無駄かもしれない身体を張れる。

これは逆のパターンもあって。ボランチの選手がピンチのときに自陣に残ってた時。前述と同じ数的有意な状況をつくられていて、攻撃に出ていた選手たちからすれば、もう間に合わない。でも、それでも自軍に向けて走り出す。それは、ボランチの選手がそこに残っているから。

「このままじゃ間に合わないけど、きっとあいつが、身体を張って俺たちが戻る時間を稼いでくれる!」

もしかしたらそのダッシュは無駄に終わるかもしれない。けれども、可能性ある限り、あいつがいるから、しんどいけど全力で走って戻る。

実は、僕がサッカーで一番好きなシーンはファンタジスタなところでもなく、豪快なゴールでもなく、こういうシーンです(笑)

 

Webディレクターは、(サッカーでいうと)チームの真ん中にいるボランチと同じく、すべての職人たちと、この信頼の交換ができるんですよ。

 

あのWebディレクターなら、きっとクライアントと戦ってきてくれる。

あのWebディレクターなら、きっとデザイナーの想いをしっかりと表現してくれる

あいつなら、きっとエンジニアのことを守ってくれる。

 

きっとあいつならこうしてくれる、きっとこういうときあいつならこうする。その交換がたくさんできる。そしてなんなら、それがWebディレクターという人種の財産にすらなる。

この交換が一番たくさんできるのって、ディレクターっていう仕事なんよね。

そしてプロジェクトに関わる人って、職人さんだけじゃなくて。クライアントや上司などの発注者もいるし、アシスタントのパートやアルバイトさんだっている。だから「全人類と”信頼の交換”ができる」って書きました(笑)

 

 

属人性が高いゆえの・・・?

ここまで読んでくれた方ならわかると思うけど、これ、結局のところものすごく属人性が高い仕事なのですよ*1

極端な話、そのWebディレクターがなにもできなくても、「究極的にいいひと」だったらうまくまわってしまう可能性すらある。周りの職人が助けるから。プロジェクトとしてもディレクションとしても良くないことですけどね。

でもとにかく、どれだけディレクションスキルを積み上げようが、最終的には「人」にたどり着いてしまうんですよね。それは、圧倒的な技術力も含め。(たとえば天才的なサッカー選手が、人を惹きつけてしまうように)

それはたとえば、こういうことが起きるわけです。

「toksatoさんがディレクションをやる案件で、デザイナーをやりたいです」

本当に言われたことがある・・・というかぶっちゃけると何度もあるw

 

ね。

びっくり。

だってね、ぼく、ほら、何もできないのよ?

まともにやらせたらデザインもエンジニアリングも、なーーーんも中途半端なのよ?

その僕が、「toksatoさんの案件がいい」とか言われるわけです。

 

はーーーーーーー

ありがたやーーーーーー

あなたには明太子をあげたい。美味しいから。

ぼくは神奈川出身で明太子とかまったく関係ないけど。

ちなみに納豆と明太子を混ぜると、美味しいです。

 

いや、デザイナーやエンジニアって、こう言われるの難しいんですよ。なぜなら、ある程度まではスキルとして確立されていて、(大変失礼なことを言えば)その人じゃなくても良いデザイン物が山のようにあるから。
LPデザインだって、大概は「そのデザイナー(のセンス)じゃなきゃダメ!」なんてことはないですね。

Webディレクターという仕事は、(他に比べれば)割と、そう言われやすい職業なんですよ。

ねぇ、言われたくない?

「あなたじゃなきゃダメなんだ」

って。
言われたいなら、Webディレクターになりましょうぞ。(もしくはイケメンか絶世の美女になろう)

 

 

汎用性が高い(から、儲かりやすいw)

ディレクションてね、結局こう↓じゃないですか。

  • プロジェクトを立ち上げ
  • それが何のためにあり、誰が責任を持つのかを定め
  • その目的のための手段を整理し
  • 適切な手段を実行し
  • それが滞りなく進むように多くの関係者とやりとりをして
  • プロジェクトをゴールまで進める

これを「Web(制作)」でやるのが「Webディレクター」ですやね。

でも、↑の箇条書きにひとつも「Web」が入ってないことからもわかるとおり、これ、Webかどうか関係ないんよね

はっきりいって世の中のすべての仕事やイベントに関わることだし、絶対に必要なことだし。目的も曖昧なまま、手段の適切さも考えずに行うことが上手くいくはずがないからねぇ・・・。

いま現在の僕もそうだけど「えっと、これ、Webディレクターの仕事じゃなくね・・・?」ってことが仕事として来たりするし、やれますやね。だって、ディレクションてWebかどうか関係ないから

 

でね、ここからが肝なんだけど、

 

えっと、

 

 

ちょっとこれ

 

 

ひそひそ言うね?

 

 

世間のほとんどのひと、これできないんよ

 

 

 

はーこわい

見ないで。

世の中の多くの人、見ないで。

こわいこわい

 

でもできないんよ

 

ああ太字にしてしまった。
英語で言うとボールド。

 

まあ驚くほどにできない。

  • それは何のためにやるのか
  • それをやることによる利益はなにか
  • それは誰と誰と誰を、どんな役割で参画させるべきか
  • それはおいくら万円で、どれくらいの期間でやれるのか
  • それはどんな工程でやるのか
  • その工程によって生まれる成果物は何か
  • それは何を持って「成功」となるのか
  • それをジャッジするのは誰か

こういうことを、「プロジェクト」という大きなスパンから、「明日のミーティング」という小さなスパンで出来るべき。でもできる人は少ない。Webディレクターになって、ちゃんと日々考えて、体験のすべてから学ぶことができれば、できるようになる

そうすると、

とりあえず、

 

あー、

 

おー、

 

すげぇひどいこというけど、

 

 

食いっぱぐれない!

 

いや、ほんとに(笑)

また、ご覧の通り汎用性が高いので、潰しが効く。(転職しやすい)

 

そしてこういうことできる人が少ないので、高給取りにもなりやすい。
エンジニアはいま高騰ぎみだけど、あれはいずれ落ち着くと思います。コードが書けりゃ誰でも重宝されるわけではないので。それは、Webディレクターにおける「指示さえ出せれば重宝されるわけではない」と同じことなんですけどね。

でも、少なくとも直接的にものづくりをする職人(デザイナーやエンジニア)よりは、「あなたじゃないとダメ」と言われやすく、その割には社会の中でポジションも多く(=需要が多い)、だから、儲かりやすいんですよ。職人さんより。

いや、逆を考えた方がわかりやすいかな。デザイナーとして「あなたじゃないとダメ」って、それはそれはもう超絶にハードル高いですよね。ディレクターは、そこまでの圧倒的な何かがなくても、そう言ってもらいやすい、っちゅうことです。

 

 

というわけで、僕がなぜこの仕事をしているのかとか、やりがいについて書いてみました。

これに付随して、僕が宝物にしている言葉があるのだけど、それは長くなったので割愛します(このブログのどこかで前に書いた気がするしw)。

 

みんな、Webディレクターやろうぜい〜。

 

追記:らじおきくといい

忘れてた。

似たような話・・・ではないけど、関連した話は「Webディレクションやってますラジオ」でお話ししたのです。(後編で話したはず・・・)

なので、前編を先に聴いておくと良いと思いますの。

ヘラヘラおじさんが出てくるから、覚悟しておいてほしいの。

toksato.hatenablog.com

*1:僕は、それを否定したいとも思ってるんですけどね