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笑顔を創りたいWeb屋の日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。

アパレルだからオシャレなサイト?。

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最近、アパレル関係のECのご相談を受けることが本当に多いのですが、特に靴やカバンではなく、メンズやレディースの衣服を売っているクライアントは決まったパターンがあります。

 「うちはセンス勝負なので、センスが良いオシャレなサイトにしたい」

うーん、という感じです。

買い物しに着ている人が、ボタンのデザインやオープニングFlashを求めているとでも?

というか、Webサイトのセンスを売るんですか?

Webサイト”で”センスを売るんじゃないですか?

センスセンスと言いますが、センスが良いかどうかはユーザであるお客様が決めることです。

お客様に受け入れられるセンスを提供することがアパレル業界の人の役目でしょ?

っていうか、もっと言うと、「それを着ることによるライフスタイル」を提案するのが仕事でしょ?

Webサイトのボタンや背景、オープニングFlashはライフスタイルの提案ではありませんよね?

オシャレなことをアピールしたいからと言って、サイトに訪れたらいきなりオープニングFlashを置くというクライアントがいるのですが、それは押し売りだと思うんですよね。オシャレなことをアピールしたいなら、それは商品でアピールするべきなんです。もとい、商品を購入し、買った人がそれを着ることで自分がオシャレになり、そこで満足できる体験を通して「我がブランドはオシャレなんですよ!」ということを伝えなきゃいけないわけです。

そうしたら、ECでオープニングFlashなんて絶対ありえないわけです。

SKIPさせればいいなんて考えの人もいるんですが、そもそも多くの人が求めていないもんのためにわざわざSKIPさせるという行為を強いる方が罪なはずなんですよね。ECサイトというのはつまり買い物に来ているわけですから、商品を探したり、注文をしようと思ったら「まず店員のダンスを見てください」と言ってるようなもんです。それに対して「いらない人はSKIPボタンを押せばいい」なんて、それ一体誰のためにやってるの~?ということになります。

結局、自分達が伝えたいことを伝えたいように発してるだけなんですよね。

背景やボタン、ロゴのデザインを凝るなというわけじゃないんです。

少なくとも、その辺のアヤシイ健康食品や営業本売っているようなところに比べたら、きちんとしたセンスのあるデザインは必要です。しかし、それはあくまでも「商品の魅力をきちんと見せるため」であって、ロゴや背景が主役なわけじゃない。

同様にFlashだってECにおいて無駄だとは思いません。

商品PRや告知、キャンペーンにおいてFlashはとても有効なツールですし、新しい提案をインタラクティブに、ユーザアクションから気づきのあるフィードバックを返したり、アフォーダンスの実現など、HTMLには無い魅力がたくさんあります。きちんと、ユーザに向けて、ユーザの気づきを促すような提案、それそのものが満足体験に繋がるようなものであれば良いと思います。それを、自分達のカッコよさを伝えるために無理強いするように「ねぇ、かっこいいでしょ!見てよ見てよ!」という風に使うからまずいのであって。

必要以上にサイトのビジュアルセンスにこだわる方というのは、根本的なことに気づいていないんですよね。残念ながら、Webサイトでオンラインショップを見ているユーザは、本当の意味で「来店している」という感覚は無いはずです。来店しているんじゃなくて、「自分のPCからそのお店を覗いている」。だって、場所は結局自宅とか職場とか漫画喫茶とか、はたまた移動中の携帯電話ですから。彼らが見ているのはPCの画面だし、周りにあるのは自宅の環境なのです。「そこに訪れる」という体験はPCの中でブラウザが行っているのであって、ユーザが行っているわけじゃない。

ディズニー・ショップに来ているユーザはたぶん誰も「ワールドモールに来ている」とは思わないでしょう。Webサイトは、結局今のところ画面やディスプレイというものを通してしかモノを伝えられないため、脇役の居場所が少ないんです。脇役というのは、ディズニーランドで言えば建物だったり、施設だったり、ゲートだったり。たとえばダイニングバーだったら、西洋のアンティークだったり、アジアンテイストな家具だったり、和風な食器だったり。そこに訪れ、そこで商品以外の体験がある。でも、Webサイトにそれはまだない。訪れているのはPCのブラウザで、自分はそれを見ているだけだから。

だから、ディズニーランドやオシャレなダイニングバーに行けば、自慢できますし、喜びの報告をする人はいますよね。行くことに意味があるからです。そこに、訪れることに”体験”があるからです。残念ながら、「私あのサイトに訪れたんだよ!」って自慢する人はいないでしょう。自慢するとしたら、それはそのサイトで購入した商品そのものであり、もっと言うとどこで買ったのかはもはやどうでも良く、安くてサービスが良ければいいわけです。そこでWebサイトにバリューが出るとすれば、それは「貴重なものが買えた」とか「安く買えた」とか、結局購買に付随する価値でしかないと思います。

満足体験を与えるということは、相手の求めているものを提供するということです。

その根本的なことがきちんと理解できてないから、押し売りになっちゃうんですよね。

「相手にサービスをするんだ」

という意識が最も必要だと思います。