笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

Webディレクターのキャリアアップは"ゲーム感覚"でいこう。

【スポンサーリンク】

こんばんちは、スーパー太っちょWebディレクターです。
スーパーは太っちょにかかります。

f:id:toksato:20200220222517p:plain

僕はほんとよく聞かれるんですよ。

「優秀なWebディレクターになるにはどうしたら良いですか?」

これね、いろいろあるんですけどぶっちゃけ人によって違うんよ。その人に合ったやり方というのがある。だから、その人の個性や特徴をふまえてそれぞれ違う回答をしてるんだけど、

 

ああ、

 

ちょっと待って。

 

 

とりあえず自分のことを「優秀なWebディレクター」だっていう大上段に置いて今言ってるから。

 

 

これはもうほんと致し方なくね?
ほんとはちがうのよ?
僕なんてまだまだだぜ、僕なんておまえ、まずブラウザの前で正座して「いつもありがとうございます。これから、インターネットに接続させていただきます」とお礼を言ってからサイトにアクセスしろと思ってるぐらいで、そういう人なんですよ。嘘だけど。

まあその、ちょっと上からものを言いますごめんなさい。

というわけで、聞かれたときにその都度回答してるわけだけど、共通して言ってることがある。いや、言ってることがあるなと最近気づいた。

なわけで今日はWebディレクターのキャリアの話。

■目次

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。



 

基本はみっつ!真実もいつもひとつ、かどうかは知らない!

だいだいいつも言ってるのは、要約するとこの3つ。

  • 常に謙虚な姿勢を持ち
  • わからないことを恥ずかしがらず
  • さまざまなことを自分ごととして捉える

これがあれば、遅かれ早かれ必ず優秀なWebディレクターになる。まちがいなく。まちがいないことなんて世の中にはほとんど無いのにワテクシ言い切っちゃう。

何で言い切るかというと、Webディレクターという職業がスキルを得ていきやすい職業だから。逆に(逆なのか?)「こんなの、どんな職業だってこの3つがあれば成功するだろ」って言う人もいるでしょう。

僕はそうじゃないと思っている。あくまでWeb業界の職種だけで言うとWebデザイナーはこの3つがあるだけで成功するとは限らない。やっぱり美的センスというものがどうしても必要で、いくら謙虚で、自分ごととしてさまざまなことを捉える当事者意識があっても、できないもんはできない。

「Webディレクターだってセンスとか才能が必要だろ!」という反論もあると思っていて、それを強く否定はしないけど、↑で出した3つがあればたぶんセンスや才能の無さもカバーしていけると、僕は思っています。(超一流になろうと思ったら別だけど)

たとえばコミュニケーション能力についてもたしかに必要で、「相手が何を言おうとしているのか致命的なレベルで理解できない」という人はたしかにやめたほうがいい。ただ、全体的に見ればそういう人はだいぶ稀な人でしょう。そしてクライアントワークがあるからコミュニケーション能力は重要なんだけど、社内の人とだけやり取りするWebディレクターっつうのも結構存在するのですよ、世の中には。

つまり、ディレクターを構成する要素スキル=人種は幅広い。だから、↑の3つがあれば優秀な人になれる、と僕は言い切るんよ。

 

Webディレクターに必要なスキル(が、異常なほど広範囲な件)

だいぶまえにこんな記事がバズってた記憶がある。

nico0927.hatenablog.com

 

その、元となった記事もあったねぇ。

mynavi-creator.jp

要するに、Webディレクターに求められるスキルが幅広すぎると。

↑のマイナビの記事にあるのを並べるとこんな。

01. リーダーシップ
02. マネジメントスキル
03. コミュニケーションスキル
04. スケジュール・予算管理能力
05. 課題抽出スキル
06. アクセス解析の知識・スキル
07. 統計学の知識・分析スキル
08. Webマーケティングの知識・運用スキル
09. 一般的な広告・PRの知識
10. 企画力
11. ドキュメント作成スキル
12. プレゼンテーションスキル
13. インターネットビジネスの知識
14. 情報収集・活用スキル
15. Webデザインの知識・スキル
16. 編集・ライティングスキル
17. フロントエンド言語の知識
18. バックエンド言語の知識
19. デバイスの知識
20. 権利関連の知識
21. 経営関連の知識
22. 英語力・英会話スキル

いやー、多い。多いわコノヤロウ。あほか!

これ全部できる奴なんているわけないでしょ。いやほんと、いないから。求められようがなんだろうが、この22個すべて身につけるのが物理的に不可能なのは誰の目にも明らかでしょう?

いや、ただね、矛盾するようだけど僕はたぶんこれの9割はできる。ごめんできる。おそらくどの会社に行ってもそう言えるぐらいにはできると思う。そりゃまあ、Webディレクターになってもう15年ぐらい経ちますから。

ただこれも、程度によるんですよ。
案件レベルによるといってもいい。それぞれの項目をレベル1ぐらいに設定したらできる人たくさんいるだろうし、レベル50ぐらいにしたら本当に限られた人しか居ないだろうし、ALLレベル99はたぶん存在しない。

こんなの、いきなり全部できるわけもなければ、ぜんぶ極めるなんて絶対無理でしょう?だとしたら、全部極めたディレクターを求める会社やクライアントがおバカさんであり、全部高得点を取れるディレクターを安い単価で使おうとするならそれが間違いですやね。理屈から考えればそうでしょ?

ということは、つまりいきなり全部できる必要もなければ、全部極めることを目指す必要も無いんよ。

 

むしろ、Webディレクターを目指す人はこれを喜ぶべき

これだけ項目が列挙されるのは、実際にWebディレクターとして働いたときにそれぞれが求められるシーンがあるってこと。ただ、すべてを同時に求められることは無いはず。あったとしたらそれは「スーパーWebディレクターゴッド」みたいなレベルなので、めっちゃ年収良くなる。そりゃそうでしょ、だって数人分の活躍なのだから。

ひとりですべてこなすのはもはや超人レベルなんだけど、逆に言えば、これだけ伸ばすスキル項目がすでに明文化されてるってことなんですよ

たとえばWebデザイナーのスキル項目ってなんでしょう?
まずデザイン力が必須なわけだけど、そこから広げたとしてセンス、テクニックぐらいだろうか。それに加えてビジネス知識や、依頼者とやり取りするコミュニケーション能力と、後工程とスムーズにできるようなフロントエンドなどの技術的知識ぐらいですかね。少なくともWebディレクターほど多岐ではないはず。

それは、やはりデザイナーはセンスだったり「つくったもの」に評価がかなり偏っているがために、明文化ができないから。幅広い知識はあるに越したことは無いけど、直接デザインに貢献はしないんよ。「リーダーシップ」ってデザイン力と関係ないでしょ?

誤解の無いように付け加えておくと、デザイナーさんがディレクションができたり、HTML/CSSまでできるとかなりもらえる仕事が増える。でもそれは「フロントエンドエンジニア」という別の職種を身につけた結果として増えているだけで、デザイナーとして強くなってるわけじゃない。ドラクエでいうと転職して新たなスキルを身につけただけで、元の職種の能力があがったわけじゃない。

一方で、↑にならべた22の項目は間違いなく「Webディレクター」として求められる(=活かせる)項目になっていて、別の職種の話じゃない。Webディレクターになんでこんなことが起こるかというと、その役割がプロジェクトのさまざまなところに顔を出してコントロールをする役割だからなんよ。

サッカーで言うと「ボランチ」に近い。(日本代表でいうと遠藤保仁、長谷部、柴崎など)
古くは「守備的MF」とも言われてたんだけど、チームの中心から少し後ろにいて、いうなれば「重心」にいるポジション。守備はもちろんするし、攻撃もするし、パスワークの起点にもなれば得点だって求められる。後ろにいるセンターバック、サイドバック、隣にいるサイドハーフ、前にいるトップ下(攻撃的MF)、最前線のFWとも絡む。だから守備から攻撃まですべて、ボール奪取能力もパスセンスもキープ力も得点力も運動量もすべて求められる。でも、これをぜんぶ世界レベル99でできる選手なんてこの世のどこにもいない

どこにもいないんだけど、そのかわりすべての項目に対してそもそもレベル99を求められていない。たとえば対人守備力だって、(あるに越したことは無いけど)それはそれで「DF」という専門職(ポジション)が居る。シュートやドリブル、ラストパスだってそれぞれ専門職が居る。

つまり、ボランチには「それぞれの専門職ですでに存在する明文化された項目を学んで身につけていけばスーパーな"ボランチ"になれる」という魅力がある。新しくスキルを開発する必要はないし、もうすでに体系化されているスキルがたくさんある。それをいかに自分に必要な分野について学んでいくか、という形になり、それがボランチとしての能力向上にそのまま貢献する。

Webディレクターもこれと同じなんよ。
デザイナーやエンジニアは突き詰めていくと必ず明文化されていない領域に入っていく。明文化されてないと本人がどう学んでよいかわからないだけでなく、それを評価できる人が居ない。圧倒的なデザインセンスを持っていたとして、それを誰が評価できるのか

Webディレクターにはそれが無い。たとえばアクセス解析ひとつとっても「Google Analyticsでこういうことやってました」というだけで伝わるし、それはそれでアクセス解析士という職種があるために学ぶスキルが目の前に存在する。これはとても良いことやんね。

 

だから、ゲーム感覚でいこうよ

決して、22の項目すべてが"最低限"求められているわけじゃないのよ。当たり前だけど。ただ、それはそれだけ道があるということでもあって。

これは、ゲームに言い換えればパラメータが多岐に用意されてるということ。

たとえばデザイナーやエンジニアのスキル項目を細分化したとして、おそらく20~30ではないかと(いや、ならべてみないとわからんけど)。
Webディレクターの場合、すでにマイナビさんが出した22があるけど、これはもはや「カテゴリ」であってこのなかにいくつものスキルが眠ってる。完璧にできるかどうかはともかくとして、すべて細分化したらたぶんひとつのカテゴリそれぞれに50~100ぐらいあるはず(もちろん"極めるとしたら"ね)。ということは「22×100=2200」のパラメータがあるわけですよ。

あのね、デザイナーの(明文化された)スキル項目が仮に30だったとして。これだって人生を懸けてやるに値する、大変な職業なわけですよ。それと比較して2200て、できるわけないだろ(笑)

逆に言えば、それだけ(世の中の人が理解できる)パラメータが用意されているってことなんよ。ゲームのキャラクターでいえば、デザイナーやエンジニアだと20~30のパラメータをいかに伸ばし、それを突き詰めきったらあとは違う職種を学ぶか、他人に評価されない世界に行くか(つまり自分で世界を創る)しかないわけですよ。

それが、Webディレクターにはない。
言うなれば2200という世界のなかで旅をしているようなもので、地球上のすべての地に訪れることはできないでしょう?日本だけだって無理なのに。でも、世界中のそこには確実に国や村が存在して、文化があり、学ぶものがあり。つまり「スキルマップ」という世界中に自分の身になるものが転がってる。もう、どうやっても全パラメータをMAXにすることはできないけど、それだけやりこみ要素があり、トータル数値を上げる幅がある。

これは、考え方によっては素晴らしいことだなぁと思うわけなんよ。終わりの無いゲームほど楽しいものは無い。いや、ただ単に点数をあげるだけならそんなのつまんない。でも、2200という世界のそれぞれにクエストが待っているわけよ。ときに制作会社の巨大システム案件だったり、ときにBtoBマーケティングだったり、ときに事業会社でのプロモーションだったり。最近のゲームで言うとダウンロードコンテンツがたーくさんあるようなものかな。

何度も言うけど、22の項目ぜんぶできる人なんていないし、本当に求められているわけでもない。いや、求められてるんだけど、どうせそれができる人は年収が高くなるはず。いまそうじゃなくても遅かれ早かれ絶対にそうなる。だってそうそういないんだから。できる人が数多居るのにその人が不当な評価を受けている、ということじゃないわけで。

だとしたら、むしろこれだけ広がっているスキル項目があることを喜んだほうが楽しいと思うんよ。自分を一人のゲームキャラクターだとして、めちゃくちゃいっぱいパラメータが用意され居てやりこみ要素が半端ないわけでさ。

やり込んだらいずれパーフェクトなキャラクターができてしまうゲームにくらべれば、いくらでもその先があるというのは、やっぱり僕には楽しい。そして仮にそのパラメータが低くても生きていけるはずだし、さらにパラメータをあげる道筋が数多存在するわけで。いうなれば攻略本がたくさんあるようなもので。

あまりの幅の広さに悲観的になるのはわかるんだけど、悲観的になっても良いことがあるわけじゃないし。

 

じゃあ具体的にどうしたら良いんだ、という話

ここで、冒頭の3つの要素に戻る。

  • 常に謙虚な姿勢を持ち
  • わからないことを恥ずかしがらず
  • さまざまなことを自分ごととして捉える

これ。

あまりに広いスキル項目の世界のなかで、じゃあどうやって学んでいくか、パラメータをあげていくかという話になる。

セミナーや研修で学ぶこともできるけど、それだけじゃダメなのは「会社に教育など存在しない。 」に書いたとおりで、実践が必要。つまり仕事。いや、セミナーや研修に行くだけマシなんだけど、それとてだいたい自分が興味あるものしか行かない

 

それじゃダメなんだよ!おい!(誰)

 

ディレクターがあれだけ多様なものを求められるということは、それだけ多くの"場面"に出会うわけですやね。そのとき、自分がそれをどう捉えるかなんよ

 

いままで、何度聞いてきたことか。

「技術的なことは私はわからないんで」

「僕、デザインのこととかセンス無いんで」

「マーケティングとか、そういうのは自分とは違うんで」

これが、Webディレクターの成長を止める。

当たり前だけど、すべてのスキルに対してディレクターになったときからすべてできる人なんて居ない。ということは、つまりディレクターになった時点で多くのスキルは初心者になる。にもかかわらず、「これは自分がやることじゃない」と言っていたらそんなの身につくはずもないし、結果として自分のバックボーンとなってる分野以外は何も伸びないディレクターになる。

自分の知らない言葉に出会ったとき、知らない技術に出会ったとき、どう向き合うか。学ぶ機会はいくらでも、というか毎日ある。

たとえば、そういうことを意識してこなかったWebディレクターやIA(UI設計者)が、ページに"ランキングコーナー"を入れてしまうんよ。これを読んでるエンジニアならわかると思うけど「ランキングは技術的にはもちろんできるけど、べつに簡単なわけじゃない」
でも、技術系に弱いディレクターはこれがわからないし、わからないことに対する罪悪感すら持ってない

TOPページにランキングコーナーを置くことなんて、そんなに難しくないですよ。仕様と予算さえ決まってればじゅうぶんできる。が、そこを何も考えないで入れるのは本当にひどい

「ランキング」と一言にいっても、それはどこのなんのデータをベースにランキングするのか。PVなのか、売り上げなのか。さらに、そのデータはどこにあるのか。PVならGoogle Analyticsと連携するのかサーバログを見るのか。そして計測期間はどれくらいにするのか(デイリーなのかウィークリーなのかマンスリーなのか)。さらに1位には王冠やスターのアイコンを置くのか。何位まで表示して、条件に満たないときがあったらどうするのか。

こういうのがわからないのはしょうがない。

しかし、わからないくせに「え、でも、ランキングなんてそのへんにあるECサイトだって入れてるじゃん。何が難しいの?」とか言ってしまう。謙虚じゃないし、自分ごとになってないから。「そういう技術的なことはエンジニアさんの仕事でしょ?」とか言ってしまう。くたばれ

だから「謙虚な姿勢」「わからないことを恥ずかしがらない」「自分ごととして捉える」が大事なんよ。これだけ明文化されたスキル項目が無数にある世界で、あとは自分がどう吸収してどういうディレクターになるか、しかない状況なのに、その目の前のことがわからないんじゃどうしようもないし、逆に言えばそれがあれば絶対に伸びる(でしょ?)。

 

どこを目指せばいいんや、というもっと具体的な話

そう、そしてここに来るんよ。

ここから先は、人それぞれなのでなんとも言えない。

デザインが好きでものづくりがすきで、っていう人はたぶん「リーダーシップ」とか数字関連のことは向かないと思う。だったらやらないほうがいい。そっちで生きていけばいい。

それはつまり、サッカーのボランチでいうなら「抜群に守備が上手いボランチ」になるか「天才的なゲームコントロールができるボランチ」になるか「圧倒的な運動量ですべてに顔を出すボランチ」になるか、という話。

だから、それは自身の個性と向き合ってよく考えればいいんだわいさ。しかし、はっきり言ってしまうとあまりに未来の話しすぎて、将来どの方向性が残っているかなんて僕にもわからない。

ただ、間違いなく言えるのは「これは私の分野じゃない」と切り捨てたままディレクターをやってる人は絶対に成長しないんよ。Webディレクターならばどんな分野だってチャンスで、あとは自分のキャリアに合うかどうかの取捨選択なだけ。

さらにいうと、ゲームみたいに完全に自分のクエストが選べるわけじゃなく、ほとんどは会社から与えられるクエストがある程度は決まってる。すごく甘い勘定で言っても"ランダム"なんよ。だとしたら、そのランダムという"運"のなかでどうやってパラメータをのばしていくか、いま、目の前に来たその(いまの)守備範囲と違うプロジェクトをどう捉えるか。

その意識があれば絶対に伸びる。
とくに変化の激しいインターネット業界において、未来がどうなるかは僕にも誰にもわからない。だけど、すべてを自分ごととしてわからない分野についても謙虚に、そしてわからないことを恥ずかしがらずに「ごめんなさい!そこについては自分素人なんですが、教えてください!」といって学んだ人は、ことWebディレクターについては絶対に伸びるんよ。なぜなら、スキルが明文化されているから。ガムシャラにやってもある程度の体系化されたものがもう存在する。それは絶対に無駄にはならない。だから、伸びる。

逆に言えば、Webディレクターほど「経験を積み重ねればそのままキャリアになる」という職種も珍しいんよ。デザイナーやエンジニアだって経験の積み重ねは大事だけど、明文化されて無い部分が多いから、積み重ねたものがそのままキャリアになるのが難しい。

だからこそ、広すぎるスキル項目を嘆くのではなく、ゲーム感覚でやりこみ要素を楽しんでいこうぜっていう話なんだけどね。

 

最後に

いままで書いてきたのは「Webディレクターが細分化されない」という前提。

幅広すぎるスキル項目に対して、職種が細分化されるというのは理屈としてはそのとおりで、容易に想像がつく。

 

ただ、僕はそれは起きないと思ってるんよ。

 

なぜかというと、そこまで企業にお金がないから。

細分化するということは、それだけそれぞれの人が食っていけるぐらいの仕事が生まれるってことなんだけど、それは難しいと思う。たとえばUX設計とかIAとかあるけど、それ一本で食っていける人ってもうその時点でその領域の神に近いというか、神じゃなかったとしても、ひと一人に満足な給料をあげられるほどその職種だけでいける企業がどれほどあるか。いや、ないですよ

UXデザイナーになりたい!っていう若手多いけど、UXだけで食っていける人なんてほとんどいないし、そこだけにお金を払う企業もほとんどない。結局、事業会社にせよ制作会社にせよ営利企業なわけで、最終的にそれがどう売り上げにつながるかが見えないと払えないし、UXに特化すると金がかかりすぎるので投資回収ができない。ユーザーインタビューにいくらかかると思ってるんだ!という話で。

となると「UXのことをある程度理解しながらモノがつくれる人(=制作や開発を調整できる人)」を求め、その権化がいま「Webディレクター」になっているだけで。つまりは「UXデザインをガチでできる人」なんてのは世の中のほんの一握りなんよ(ちなみに僕はそういう人にはなりたくないと思っています)。そこに金が払えるぐらいのビジネスモデルを持ってないとできないから。

みんな、すべてをレベル99でできるWebディレクターなんて求めてない。いや、できるならぜひ!という企業はたくさんあるけど、それに見合った給料や報酬は出せなくて、そうなると現実的にはすべてをレベル30か、ひとつがレベル50であとはレベル10が10個ぐらいとか、そういうところに落ち着く(それですら貴重だと思うけど)。

だからさ、細分化するほうが最終的にお金がかかることを踏まえれば、たぶんそうはならないと思うんよ。

 

だったらさ、幅広いパラメータのどれを積み上げていくかを楽しんだほうが、Webディレクター人生も楽しいんじゃない?

 

と、現在無職は思います。

 

ばいなら!