笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

「なんであのとき、ワタシのミスを指摘しなかったの?」とデザイナーに言われたことがあって。

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こんばんちは、スーパー太っちょWebディレクターです。
スーパーは太っちょにかかります。

そう、言われたんですよ。
同じ会社の、同じプロジェクトに入っていたデザイナーさんに。*1

そんなのめんどくさいからに決まってんじゃん言う意味があると思えなかったからだけ、なんですけどね。
それ以上でもそれ以下でもない。

っていうか、誰かがミスをしたからといって「あなたのミスですよね」って伝えるようなディレクターは、やめちまえとすら思うけどべつにやめなくていいです。僕が勝手に思ってるだけなので。

まあただ、浅はかだとは思う。
いやまあ・・・人間はミスをするし、一方でそれが世間に出てしまうと事故になりかねんので放置してはいけない。そしてちゃんと責任についてきちんと追求することも大事。

だが、メンバーがミスをしたとして、「ここミスってたよ気をつけてね」ってさらっと伝えてしまうおまいさんは、まず「ディレクションとはなんぞや」と小一時間考えてきたまえ(偉そう)

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。

 

■目次

 



 

あるとき、デザイナーがミスをした。

といっても、世間に出ても大した問題にはならない程度のもの。

Webのページに掲載する情報のごく一部が誤ったままになっていて。まあでも、このまま世間に出てもただの誤字で済むレベルで、お客様(エンドユーザー)からのクレームがきたり、謝罪文を出さなきゃいけなくなるようなものじゃない。と、いう程度のミス。

そして、依頼者からの原稿は正しかったと。つまり、その原稿をもとに1ページ全体をまるっとデザイン〜コーディングまで担当したデザイナーが、原稿からの転記を誤ったということであります。

で、そもそも僕が時間と労力の問題でくまなくチェックまでしなかったことに原因があるので、僕は依頼者に謝罪をしたんだけども。

後日、デザイナーが言うわけですよ。

「前にさ、私がつくったページの情報が間違ってることがあったじゃん。

納品先の部署からそれを指摘された時、"自分のチェック漏れです!"って謝ったまま、私の名前出さなかったじゃん。そのうえミスを出した当人である私にその件を指摘することもなかったよねー。あれって"デザイナーを庇う"っていう toksatoさんのスタンスなの?」

って言ってて。

 

おう、よく聞け。

 

 

ワイはそんな低い次元でディレクションやってねぇだぜ!

 

ミスは誰でもするもので、デザイナーの責任じゃないから・・・?

だから、デザイナーを守る?

ええぃだまらっしゃい。

そんなくらだないことどうでもいいのである(言いすぎ)

 

すべてのコミュニケーションには目的があるべきで、デザイナーにミスを伝えるとして、それはなんのためなのかということを考えるべきで

そもそもデザイナーでなくとも、ミスを指摘するというのは「次に起こさないように自覚してもらう」がおおよその主目的なはずで。

では「次に起こさないために」という目的に立った時に「デザイナー本人に伝える」が適切な手段なのかというと、疑問な訳ですよ。

 

「次に起こさないため」ならまずディレクターである僕がチェックすればいい。それで基本的には防げる。もし次も起こるようなら、そのときに伝えても遅くはない。なぜなら致命的なミスではないから。

無論、ミスをなくす最も効果的な方法は「流出させないこと」ではなく「発生させないこと」なので、デザイナー側が出さないに越したことはない。しかし、その観点からいっても「ディレクターの自分がチェックしたときに、もしもう一度出たらそこで伝えればいい」となるわけで。

つまりたった一回、そして流出したとしても大した問題ではないミスについて、デザイナーに何を求めるのかという話なのですよ。デザイナーに担って欲しいのは"ミスを全くしない精密さ"ではなく、"人の心に何かを訴えかけるようなビジュアルセンス"であって。

そしてそもそも、基本的に人間はミスをするものなわけで、「ミスをするな」とは「人間やめろ」と言ってるのと変わらない。もしくは、ミスをそのままにするな=チェックをもっと重点的にやれ、ということになる。デザイナーに対してそれほど時間の無駄遣いなこともない

何回任せてもケアレスミスが異常に多い?じゃあそのときに言えばいいのですよ。たった一回やらかした今じゃない。

 

ミスの指摘も目的が必要でして。

誰かがミスをしたとして。

「あなたが間違ったから、間違ってたよと伝えます」

なんて、おバカさんのすることなのですよ。

腹を立てて感情的になり、キツい言い方をするなんてもってのほか。

だってそれを聞いた相手に、何を求めるんですか?という話で。

相手がムカついたり、凹んだりするだけで終わるなら何の意味もない。ただその人がその日、悲しい気持ちになって終わるだけ。

いや、いいんですよ必要なら。悲しい気持ちになって、ちゃんと心に刻んでもらわないと困るなら、強い口調で伝えればいい。

逆に言えば、その悲しい気持ちにさせるコミュニケーションは何のためですか?

という話で。

 

前述の僕の話がまさにそうだったんけど、納品先の部署から来た指摘メールをデザイナーも読んでいる可能性が高い。そういうときに、再度ディレクターからも「ミスしてたよ」と伝えるのは、ミスを二度指摘することになる

そこまで重大なミスならそれもありかもしれない。でも今回はそうじゃない。

メールを見てない可能性もあるけど、そのときは「次にもう一回出たらその時伝えればいい」という先ほどのマイルールが発動するだけ。むしろ二度言ってわざわざメンタルを下げる方がマイナスが大きいし、それは起きたミスに対してサイズが大きすぎる。

 

「デザイナーが自分のミスに気づけないじゃん」

と言うかもしれない。
それこそ、気づく必要があるんですか?それはなぜですか?と問うべきで。まずディレクターたる自分自身に。

デザイナーが自分のミスに気づいたとして、それでどうなる?どうなって欲しい?どっちにしろもう一度起きたとして、自分のところで潰せるのだから依頼者に迷惑をかけることはない。であれば、他に何のために、デザイナー自身にそれを気づかせるの?

デザイナーの成長のため?

では、「ミスは誰にでも起きるもの」という前提があるなかで、そのミスに気づくぐらいでデザイナーの成長になるのですか?成長になるなら伝えれば良い。しかし、たかだか1つのケアレミスを伝えたぐらいでもう成長につながらないほどにキャリアを重ねているデザイナーなら、伝える意味がない。

 

簡単な話なんですよ。

そのミスを本人に伝えるとして。

 

それはなぜ、伝えるのか

それはなぜ、その場で伝えるのか

それはなぜ、そのトーンで伝えるのか

その先に何があり、何のためにそのミスを伝えるという選択をするのですか?

 

という話で。

 

つまるところ、考えてますか?という話で。

デザイナーを庇うとか、その逆に「間違ってることは間違ってるので伝える」とか、そんなクソくだらない次元の低い話ではないのですよ。

これは、Webディレクターとして自分の仕事をちゃんと突き詰めて考えてますか?という話で。

庇うとか守るとかそんな話ではなく。
ディレクターとして、デザイナーに最大限能力を発揮してもらうために、それは適切なコミュニケーションなのかい?という話。

だって、それがWebディレクターの仕事じゃないですか。

僕ら、自分で手を動かすわけじゃないですからね。デザイナーやエンジニアなど職人さんたちにその能力を発揮してもらい、良いものをつくるのが仕事で。
であれば、デザイナーに対するすべてのコミュニケーションはその方向に向かっているべきで、「筋として正しくあるべき」とか「ミスしたんだから相手も受け入れるべき」とかいうテメェのポリシーなんざどうでも良いんですよ。(ま、そのためにはポリシーを持ってないといけない、という話でもあるけどw)

 

うん、でね。
まあここまで読んでくれた人ならもう薄々わかってるんじゃないかと思うけど、これWebディレクターかどうかなんて関係ないんですやね。

誰かに仕事を依頼する、すべての人が本来はこうあるべきだと思っていて。

ミスをされて腹が立つのはわかるけど、であればだからこそ「そのミスの指摘は、意味があるのですか?」と問うべきで。

 

あのひとミスした!

ちゃんとやってくれてないじゃん!

「あの、あなたミスしてるんですけど!」

「事前に言ったことが反映されてないじゃないですか!」

なんて感情的になって相手を責めるような人はね、

「他人に依頼をする」という"ご自身の"仕事が何なのかわかってないんですよ。

 

いやぁ、そういうひと怖いねぇ

 

ほらほら、僕はそんなことしないんで

 

優秀なデザイナーさんやエンジニアさんは、みんな僕を中心に助けてくださいねおねがいします(切実)

 

 

 

P.S.ま、思考停止せず、突き詰めて考えましょうねって話ですね

 

*1:ちなみに現職ではなくもっと前の会社の話です