笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

えらいひとの話はなぜつまらないのか。

【スポンサーリンク】

こんばんちは、スーパー太っちょWebディレクターです。
スーパーは太っちょにかかります。

シン・エヴァンゲリオンはそれなりに楽しみにしていたけど、どっちにしろもうずっと待ってるし、生きてるうちに観れればいいか。どうせミサトさんが歳下になってもうだいぶ経つし。

と、そんな風に世の中の出来事と向き合うことが、意外と人生を楽しむスキルなのではないかと、そう感じる今日この頃。いかがお過ごすぃ?ミィル姉さんよーう(圧倒的に古い)

なんてね、たとえばこんな風にね。

「先輩、エヴァ延期しちゃいましたね?!あんなに楽しみしてたのにどうすんすか?!」

「ああー?まあ、もう生きてるうちに観れたらいいやっていう感じになってきたわ(ほじほじ)」

オッサンも自分の好きなものを押し付けず、これぐらい肩の力抜いて話ができれば嫌われないのではなかろうか。

しかし、できなくて嫌われる。

それはなぜなのだろう?

と、考えていたのでありまぁす(謎)

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。

■目次

 



 

えらいひとは"与える"ことばかり考える

あのね、ワテクシ自身もマネジメント経験があるからわかるんだけど、どうもマネージャーやえらい人というのは、部下に"与えること"ばかり考えるのですよ。

以前、こんなブログを書いたんだけど

toksato.hatenablog.com

とかく、えらい人というのは「いかに自分が持ってる知識やスキルをこの若造に伝えるか」ということばかり考える。

まあ、だたこれはしょうがない部分もある。だって、実際そのえらい人が持っている知識やスキルがあれば、その若造はうまく振る舞えるはずなのだから。仮にあなたがカカロットやピッコロさんなら、孫悟飯に「俺の戦い方を伝授しよう」と思うでしょ?だから、自然なことなのである。

が、そもそも相手はロボットでもなければ、孫悟飯ほど常にモチベーションが高いわけでもない(もちろん「自分がなんとかしなきゃ地球が滅亡する」という立場でもない)。

本来、「人を育てる」というのは「教える(≒与える)」だけではなく、本人の置かれた状況や思考に合わせて、適切な振る舞いをするべきなんですよ。当たり前なんだけどね。幼稚園児にいきなり「では、ニンジンをいちょう切りにしましょう」と言っちゃダメだし、ある程度包丁を使える20代のお姉さんに「ではぁ〜、まずはぁ、このプラスティックの包丁を持ってみるところからはじめましょう〜」とかアホかっちゅう話で。

さらに仕事の場合には、相手が何を幸せとして仕事と向き合うのか、ひいては人生と向き合うのかということもちゃんと見て、話をしないといけないんよ。まず仕事との向き合い方から一緒に話さないと。それにはまず「聞く姿勢」がないとダメなんよ

にもかかわらず、えらい人は"与える"ことばかり考える

そう、これが理由の一つ。

でも、おかしいでしょ。

これだけなら「話がつまらない理由」にはならない。与えることばかりでも、そのえらい人の話が面白ければいいんだから

ではなぜ、えらい人の話はつまらないのか。

もうひとつ理由があるんよ。

 

えらいひとは"えらい"から勘違いしていることがある

えらい人というのは、大概が有能なのです。

まあ、現場でスタープレイヤーだったから昇進したんだろうし。

で、えらい人は有能なので、部下たちよりたくさん知識やスキルがあるのです。

あたりまえですね。

で、えらい人は、自分が部下たちより知識があることを、自覚しているのです。まあ、それで昇進してるんだから。

うん、あたりまえですね。

で、えらい人は、部下など「普通の人」とは「違うものを持っている人」だ、と思っているのです。まあ、実際部下とは違うものを持ってるし。

うん、あたりまえですね。

で、えらい人は「そんなすごい俺の話は面白い」と思ってるいるのです。

うん、あたりまえですね。

 

 

んあことあるか。

つまんねーっつうの。

「みんなと一つも二つも違うレベルの俺が、みんなにない知識を話してあげているのだから、面白いに決まってる」わけですよ。

だから、なぜかえらい人の話は「アドバイスしてやってる感」が溢れ出てるんよ。

「とってもすごい俺が、普通の人たちには気づけない、すごい話をしている」から。

これはね、壮大な勘違いがあるのです。

 

"えらい"と"面白い"がまったく無関係であることがわかってない。

そう、まっっっっったく関係がない。

職場での上司部下なんてのは、組織における役割の違いでしかなくて、そいつが面白いかどうかなんてこととはまったく関係がない。

話が面白いかなんてのは、まっことそのまま「中身が面白いか」であり、そもそも「話を聞きたいと思うかどうか」というのは、中身以前の話。話の中身なんて聞いてみないとわからないんだから、「話を聞きたい」というのは事前期待なわけで。つまりそれは「この人の話は面白そうだ」という興味の話であり、興味を持つ対象であるかどうか、が分かれ目。

だーかーら、結局は「信頼」なのですよ。

「この人の話はいつも面白い」とか「この人の話は(聞いたことないけど)きっと面白いだろう」とか。

前者の方は鶏卵問題であり、とにかく中身が面白い話を先にしなきゃいけない。それはまあ、チャンスがまわってきたときにがんばって面白い話をしたらいい

えらい人が勘違いしてるのは後者の方。えらい人は自分が後者の方だと思っている。でもね、そんなわけないっしょ。

「この人の話は(聞いたことないけど)きっと面白いだろう」っていうのは、つまりそれだけ事前期待が高いわけです。話したこともないのにそんなことを思うというのは、どういう人か?その人自身に興味があるときですよ

たとえば、まったく見ず知らずの人でも「1000人のモデルを指導してきたアドバイザーのダイエット方法」だったら多くの女性が振り向くでしょうね。

そうじゃなくても、たとえば"偉さ"が極限までいくと"面白さ"に転換することもある。

「一瞬だけ総理大臣になった人の私生活失敗談」とか。
そこまでいかなくても、「ユニクロ柳井社長の好きなファストフードとその思い出」とか。柳井社長にそこまで興味ないけど、え、あそこまでいってる人のそれってどうなんだろう?とかちょっと興味出てくるかも。普通の人が話したら1ミリも興味ない話も「とんでもなくえらい人」だと興味の対象になる(動画で30分見ようとは思わないけど・・・)。

ほら、ね。

たかだか職場の課長とか部長とか、あんたらにそんな興味あるわけねぇだろバカタレが、っていうね。

それがわかっとらんのですよ。

なので「えらい人は有能だから」と書いたけど、実は嘘です

えらくなって役職が与えられると、自分が能力的に部下より(遥かに)高いと思い込んじゃう。だから、有能だろうが無能だろうが、だいたいえらい人の話はつまらない

 

根本的な問題は何か?

ここまで書いてきたことのおさらい。

  • えらい人は"聞く"姿勢がなく"与える"ことばかり考える
  • えらい人は「えらい自分の話は、すごい自分の話だから面白い」と思い込んでいる

はい、この2点。

でも、根本的な問題はこれではないのです。

この2点から、決定的に欠けているものが生まれてしまうのです。

それが問題の根本。

 

あのね、話の設計をしないのよ。

起承転結を考えてない。

いや、普通の話は「起承転結」で話してもつまらん。起承転結だとわかりやすいけどね。でもわかりやすいことと、面白いことはべつで。池上彰さんのように「わかりやすさ」が「面白さ」になることはあるけど、それも「超絶的にわかりやすい」まで突き詰めてやっとなわけで。

 

もっと世間に浸透してる言い方をすると、

人志松本のすべらない話」になってない。

・・・んよね。

たとえば、僕が実際にされた上司(正確には「先輩」)の武勇伝を書いちゃいましょう、そうしましょう。

僕は新卒のころ「DTPオペレータ」ちゅう仕事をしていたんよ。知らんない人のためにざっくり説明すると「パソコン上で本をつくるお仕事」とでも思ってもらえれば。

 

■さて、まず起きた事象の話をしましょう

まず、具体的にどんな問題が起きたのかを説明させてちょ。

DTPの仕事をしていると海外向け数百ページの本を、日本のPCで操作することがあるわけです。

日本語のPCだってアルファベットは扱えるわけで、本来は問題がない。

ところがどっこい、これが問題大アリなのです。*1

どういう原因なのかはわからないけど、海外と日本(のPC)では微妙に文字詰めが変わるのか、データをPCで開くと「文字詰めが変わる」→「行数が勝手に増える」→「ページが勝手に増える」ということが起きて、全96ページが全97ページになったりする

何十万部と刷る本が、全96ページで印刷の予定を組んでるのに勝手に97ページに変わっちゃうんですよ*2おいおいそれは困ると。しかも、勝手に増えるからデータを開いただけではすぐ気づかなかったりする。

 

■これについて先輩が僕らに語った話

こんな風にお話されたんよ。

お前らはまだ良いよなぁ。日本語データだけだもん。お前らは知らないだろうけど、海外言語データは勝手に文字詰めが変わって、ページが勝手に増えるんだわ。怖いだろう〜、なぁ?お前らなんてまだ良い方よ、大変だろうけどな?

 

でも、データ開いたら勝手にページが増えてるとか、ほんとどうしようもないから。上司さんにも相談したけど「まあしょうがねぇわなー」とかしか言わねぇし

 

いまのお前らにはわかんねぇだろうけど、まあいずれわかる時が来るからよ。そんとき、ああ、昔は日本語データだけでよかったなーって思うわけよ。な?だからがんばれやな」

ってね、居酒屋で話してた。

「へー」

「そうなんすね!」

「やっぱ大変すねー!」

「先輩はすごいっすね!」

とか言ってるんだけど、ごめんよ、みんなそのあと言ってたから。

「クッソつまんねぇ話しかしねぇよな、あの人。っていうか自慢ばっか」って。

 

■ワイが後輩にした話

同じ元ネタ(起きた時期は違うけど)の話を、僕も後輩にしたことがある。

そのとき、ワテクシはこう話したでございますのよ。

「いやー、DTPやってて辛かったっつったらあれね、あの伝説の部長Kさんが、アドバイスを放り投げたときがあんのよ。ええ?ちょ、上司でしょ?なんで放り投げる?って当時びびったわ。
あのねー、みんなまだ経験ないと思うけど、データを開くじゃん。DTPのデータをね、PCでさ。

 

ダブルクリックしてね。開く。ね。はい、開きました。はい、何が起きたと思う?そう、ページが勝手に増えました!全96ページが、なんの前触れも97ページになります!
はい、そのあとワイ、管理のひとに怒られました!なんで96ページものが97ページに増えとるんじゃ!何したんじゃボケ!と。ワイも言いました。知らんがな!と。そしたらさらに怒られました(泣)。

 

でさ、同期のメンバーほぼ全員が一度は同じ経験してたから。これはなんとかせにゃあかんと。で、ほら、"伝説のオペレーター"と言われる部長のKさんいるじゃん。あの人、現場叩き上げでマジで"2つのPCいっぺんに使って作業した"っていう伝説すらある人だから。だからKさんに相談してみようと。同期3人で、相談にいったわけ。

 

レジェンドのKさん、ふむふむ、なるほどなっつって。やっぱりデキる人はちゃんと話を聞いてくれるわけよ。よし、これはもう勝ったと。部長のこの人が、これだけしっかり話聞いてくれたなら、これは勝つる!と。そしたら

 

"なるほどな。それは、運だ!"

 

って。
え?どゆこと?運?運ってどういうこと?って。

"えっ・・・ん?・・・え、運・・・?"

って、そりゃそうなる。

 

"おう、運だ。ページが増えたり、増えなかったりする。それはデータによる。だから、運だ。しいて言えば日頃の行いをなんとかがんばれ。たぶん関係ないけど"

 

って。


え・・・・?
ちょ・・・レジェンド、それで終わり・・・? 
アラフォーの、課長飛び越して部長が、新卒メンバーに言うことじゃなくない?って当時思った。

 

でも、だからさ、そんなレジェンドすらわからんことが起こるっつうことなんだよね。だからもうさ、仕事なんて何が起きるかわからんし、全力尽くしたらあとはもう起きたとき考えればいいやって、そう思うんだよね」

うん。
これ、実は本当にあった話。
そう、だからワテクシ、新卒の頃にマジでレジェンドに「それは運だ!がんばれ」て言われました

なんだそれ。ちゃんとアドバイスせぇよw
(つまんなかったらゴメン!これからも精進する!)

 

「エピソードが増えてるじゃん(それは反則だろ)」

 っていうひと、いると思う。

だが、僕はそのエピソードがない限り話そうとは思わないんよ。

なぜなら、それがないならつまんないから。強いフックもしくはオチとなるエピソードがない限り、話そうと思わないので。

  • その話の面白いところはどこか
  • その面白さを伝えるためには、どのタイミングでそれを出すべきか
  • その前に入れる伏線は何にすべきか
  • 話の入りはどういう内容から始めるべきか

えらい人は、こういうことを考えてないのです。

自分の話は、そんなこと考えなくても面白いと思ってるから。

そんなわけないのに。

自分が与えることばかり考え、相手の状態や思考も見ずに、自分の話をまったく設計せずにする話なんて、多少えらいぐらいで面白いはずがない

なんでそれに気づかないんでしょうね。

 

ということは、実はね・・・

いまから身も蓋もないこと言いますのよ。

自分が与えることばかり考え、相手の状態や思考も見ずに、自分の話をまったく設計せずにする話

 って、書いたけど、このうち

  • 相手の状態や思考も見ずに
  • 自分の話をまったく設計せずにする話

って、実はえらいかどうか関係ないんですよ。えらい人はこれに加えて「自分が与えることばかり考え」てるだけで。

つまり、えらかろうがそうじゃなかろうが関係なくて、僕らの話はだいたいそのまま話すとつまんないんですよ。だってちゃんと設計してないから。

相手のことを見て、相手がわかる言葉を選び、相手が興味を持つ入り口から、相手にわからないように伏線を入れて、相手が笑う(もしくは興味深いと思う)オチを設置する、なんてめんどくさくてやってられんでしょう?

でも、それやらないとだいたいつまらんのです。よっっっぽどあなたに興味がない限りは(逆に言えば、自分への興味の強さ=距離感によって面白さは変わる、とも)。

そういう人が、そのまま考えもせずえらくなると、「与えることばかり考える」「俺の話は部下にはとても面白いはず」という美しすぎる誤解の結果、「つまらん話をするえらい人」になるんですやね。

だから、皆さんも気をつけましょう。

 

 

 

え?なに?

そんなおまえこそつまんねぇ話をブログで長々と書いてるじゃねえかって?

やめて!

現実をつきつける人きらい!

このブログやめちゃうよ!?いいの?

それこそ勝手にしろっつう話ですな(´・∀・` )ナー

僕もがんばりますw

 

おまけ

僕は「コミュ力の高い人見知り」を自称してるんだけど、それはこの性格が原因でしょう・・・。

常に「相手や周りが面白い(興味深い)話しかしたくない」と思っているので、人と会うハードルが高いのです。さらにそれが大人数になると共通項が一気に減り「(全員の)公約数を探す」という無理難題になり、話をするのが嫌になり、行きたくなくなるんでございますね。

たぶん共感する人めっちゃたくさんだと思うw

*1:今はもう起きず、当時だけかもしれない

*2:印刷業界の人は面付け8ページの基本があるのでなおよくわかるはず