こんばんちは、スーパー太っちょWebディレクターです。
スーパーは太っちょにかかります。
ワテクシ、デザイナーにはだいぶ好かれてきた人生ですのよ、おほほほほほ。
まあ、嫌われてることに気づいてないだけかもしれないけど。
でも、少なくとも目に見えて「toksatoさんディレクションの案件ならやりたい」と何度も言われてきたのよ。おほほほほほ。
その優秀さでだいぶバズったりしているデザイナーさんからこう言われたこともある。
「toksatoさんのディレクションて、良いですよね。なんていうか仲間を感じるっていうか。単純な受注者と発注者ではなく、一緒に良いものを作り上げる仲間として接してくれてるって感じるんですよ」
ねー
うれしいわよねー
アタイもうこれで死んでも悔いはないかもしれないー
生きるけどー
今日はそんなワテクシから、デザイナーに嫌われてしまう人の話をするよ。ほら、そこの「なんかデザイナーに依頼するといつもツンケンされてる気がするなー」っていうひと、正座して読みなさい。
そして「えっ、もしかしてワイも・・・だいじょうぶかな・・・?」って心配になった人は体育座りして読むと良い。体育座りしてるとすこしずつくらーい気持ちになるので、良いタイミングでグデってください。頼みますよ。
そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。
■目次
- 曖昧な指示、繰り返す修正、意味のない複数パターン要求
- そもそもリスペクトしてたら曖昧になる
- 原点がね、ズレてるんですよ
- 僕らはビジネスの関係だからこそ、その関係性をきちんと捉えるべき
- いやまあ、むずかしいよね
- 最後に:デザイナーさんへ
曖昧な指示、繰り返す修正、意味のない複数パターン要求
こういうのは嫌われる。
こういうことをおまいさんは軽々しく言うから嫌われる。
と、思ってるんだろ?
違うよ!!!
そういうことじゃないんよ。
本当に言いたいのは、そうね。
思いやりや配慮がない、というのもあるかもしれない。
ぶっきらぼうで雑な指示を出して、お礼もちゃんと言わない。
こういうのも嫌われる。
だから配慮したり思いやりを持って接するべき。
そう、根本は相手に対する配慮やリスペクトがないから嫌われるんだよ。
なーんてな!
違うよ!!!
そもそもリスペクトしてたら曖昧になる
そうなんよ。そもそもここに矛盾がある。
本当にリスペクトしているデザイナーに事細かな指示を出すというのは、それこそ恐れ多いし、デザイナーのセンスを消してしまう恐れすらある。
逆に、デザイナー側だって全幅の信頼を置いてもらって「こういうことがやりたいんだが、あとはあなたのセンスに任せたい」と言われて、実際にあげたデザインに対して「おおお!すばらしい!やはりあなたに任せて正解だった!」って言われたらうれしいはずで。
もちろん、思いやりも配慮もリスペクトも大事なんだけど、それを持ってるからデザイナーに嫌われないかと言うと、そんなことはない。思いやりも配慮も、それがトンチンカンだとただウザいだけだから。そして、デザイナーに嫌われるひとほど、「自分はこんなにちゃんと配慮を持って発注してるのに」と思ってたりする。でも、根本がズレてるから、自分の行いがむしろ相手を逆なでするような対応になってることに気づかない。
だいたいね、「良いデザインですね」って言われてもね、
「おまえごときにわかるならアタイ、デザイナーやってないわ」
って思っちゃうわけですよ。
本来、発注者は「本当に良いデザイン」なんかわからんでいいのです。わからんからプロに頼むのだから。発注者は「自分が求めていることが達成されるか」っていう、ただその観点だけあればいいんよ。
原点がね、ズレてるんですよ
そう、原点がズレている。
というか、そもそも意識してない。
何の「原点」か。
善悪の原点。
分岐点、と言い換えてもいいかもしれない。
たとえば「曖昧な指示」。
一見するとこれはすごく問題に見えるけど、曖昧な指示は悪いことじゃないんよ。曖昧な指示の結果、曖昧な共通認識から、ふわっとしたデザインが出てくる。すると、発注者としては「コレジャナイ」と思うものが出てくる可能性が高い。
ここでデザイナーを否定せず、次の案を出す費用とスケジュールを渡せば何の問題もない。
「ふーむなるほど、これも悪くないが、どうもしっくりこないんだ。次はこういう方向で出してみてもらえるか?そしてすまない。はじめに言っておくべきだったんだが、これはまだ世の中にないものをデザインしてもらっているつもりなんだ。うまく言語化できない。だから何度かこうやってイメージの出し入れをさせてほしい。もちろんそのぶんの費用は出す。もし進め方でもっと良い方法があれば、それも検討するので教えてくれないか?」
こういう人で、潤沢にお金があるならもうずっとデザインしていても良いかもしれない(そんなことはない)。
修正(変更)回数はもっとわかりやすい。
細かい修正が多いとか、いっぺんに言わずに何度も修正させるとか、たしかにひどい。しかしそれに見合う費用を払ってるなら問題ないんよ。バナー1つの修正が30回発生しても、それで100万円くれるならやるデザイナーたくさんいると思うんよ。1点3,000円しか払わず、それで修正5回する発注者と比べたら、そりゃ100万円のほうがいい。
要は、修正が多いとか少ないとかいう一義的な話ではなく、「自分の発注はその修正回数に耐えられるほどのものなのか」をちゃんと考えているか、ということなんよ。
これは、どう間違えても「配慮」とか「思いやり」な話じゃない。
それ以前の問題で、発注者たる自分はどこまで求めて良いのか、どこから先は別の発注にすべきなのか。
この発注においてどこまでが善で、どこからが悪なのか。
これは「会社に教育など存在しない。 - 笑顔を創りたいWeb屋の日常」で書いた「適切なハードル設定」にも通ずるところがあるんだけども。
世の中には「褒めて伸ばす」とか「叱ることで伸びる」とか言いたがる人がたくさんいるんだけど、僕にはそれはとても短絡的な思考にしかみえなくて。
大事なことは褒めるか叱るかという一義的なことではなくて。
ちゃんとできたなら褒めるべきだし、著しくできなかったら叱るべきだし。
前回デザインを流用調整しているだけなのに「良いデザインありがとうございます!」とか言われてもデザイナーは萎えるだけで。これといってデザインしてないから。
お礼を言うのは良いんだけど、それは、なんの、どの部分がありがたいと思ったのかをちゃんと考えて伝えないといけない。対応スピードなのか、やりとりの丁寧さなのか、要望通りにミスなく対応してくれたことなのか。そのためには、どこまでやってもらうのが想定通りで、どこを超えるとありがたいのかを、発注者たる自分が噛み砕いて理解してないと、言えない。
そう、だから「何を持って善とし、何を持って悪とするか」は、自分の中で基準を持ってないといけないし、それはその発注ごとに変わる。発注ごとに自分という者がどんな人に何を依頼しているのかを考えないといけない。
たいしてデザインのこともわからないくせに、異常なほど短納期で依頼して「え?なんでこれがそんなにかかるんですか?」とか言って嫌われるのは、そもそもちゃんとそういうことを考えてないから嫌われる。
そして、何度も言うがこれは配慮とか思いやりの問題じゃない。思いやりに思いやりを重ねて、毎日「がんばってください!」と言われても困るし、極端に長い納期を設定されても困る(さらに言えばそれは発注者として怠慢だし)。
僕らはビジネスの関係だからこそ、その関係性をきちんと捉えるべき
要するにデザイナーから嫌われる人は、発注者たる自分とデザイナーとの関係性をきちんと把握できてないんよ。だから、おかしな発注をして、おかしなレビューをして嫌われる。
自分とそのデザイナーはどういう距離感にあって、どこまで、どういうことまで求めて良いのか。どこから先は発注内容から超えるのか。そういうことをちゃんと考えようとせず、あるときは金を出す側として偉そうに振る舞い、あるときは「だってプロでしょ?」と自身を弱者側においてコミュニケーションを取れば、そんなの嫌われるに決まってる。
デザイナーは魔法使いでもなければ奴隷でもないんだけど、そのどちらがどうということではなく、そもそも、いま自分が何を発注しているのかをきちんと考えないから嫌われるんよ。
だから、デザインのことを詳しくわかる必要はないんよ。わからないならわからないでいい。それを正直に言えば良い。ありえないほどの短納期だって「ごめんなさい、こういう発注の相場がわからなくて、納期を○日としてるんですけど、どうでしょうか・・・?」と言えば怒るデザイナーはそう多くないはず。
これは、会社間だけじゃなくて、同じ会社内でも起きてるんだけどね。とくに事業会社に多い。
事業会社において、デザイナーがつくったものが結果的に使われず無駄に終わるってことはよくある。これはある程度仕方がない。世の中はどんどん変わっていくし、事業会社の場合はつくることが目的じゃないから。
しかし、ある時点からは10個のウチ1個がもう不要だとわかっていたのに、その連絡が漏れてつくらせてしまう。これはダメなんよね。だって、着手する前から不要だってわかってたんだから。
もちろん、依頼する側があまりに忙しかったのかもしれない。10個の1個が不要になったという連絡ができないほどに忙しいことはあるし、ぶっちゃけ10個ぜんぶが不要なわけではないので損失も少ない。
だが、それは依頼者の論理(そしてこれは「クライアントとデザイナー」でも同じ)。
もっと言おう。
そんなことどうでもいいんだよ。
もちろん、めちゃくちゃ忙しいおまいさんはかわいそうかもしれない。たったひとつ、その連絡が漏れてしまったぐらいしょうがないんだろうし、それを責められるのはつらいかもしれない。だが、それは上司や会社に向けて言うことであって、デザイナーに言うことじゃない。
これこそ、「依頼者たる自分とデザイナーとの関係性を考える」ということなんよ。つらいかもしれないけど、デザイナーはまぎれもない被害者であって、そしてそれを防げるのは(直接的には)自分しかいなかったわけで。そして本来、無駄なものは依頼すべきではなくて。同じ社内だとしても、デザイナーのリソースは会社の重要な資源なのだから。
ここで
「そんなこと言ったって、これだけ忙しかったら漏れることもあるじゃん」
と吐くか
「ごめん!ちょっとバタバタしまくってて連絡ができなかった!すまん!」
と言えるか。
大事なのは「絶対に連絡を漏らさない」ことじゃないんよ。
デザイナーと自分の関係性を理解し、自分の仕事(やるべき範囲)を理解し、結果としてお互いの善悪の原点を意識した上でコミュニケーションが取れるか?ということが問われている。
それがちゃんと意識できていれば、ちゃんと謝れる。そして相手がまっとうな大人なら、謝ったら許してくれる。それが同じ会社の同僚ならなおのこと。だっておまいさんが忙しいことはデザイナーにも見えているわけだから。
いやまあ、むずかしいよね
そう、むずかしい。
そもそも相手のことも理解しないといけなかったりするし。
っていうかはっきり言うけど
おまいさんがおバカさんだから嫌われるんだよ、としか言ってないんだけど
それでも、考えなきゃいけない。
考えないからデザイナーさんに嫌われるんだから。
まあこれ、最後まで読んでもらった人はわかると思うけど、相手がデザイナーじゃなくても同じなんだけどね。
最後に:デザイナーさんへ
つまりこれは、相手の期待値のコントロールでもあるわけです。
受ける側だって、ちゃんと勉強しなきゃダメだと思いますよ。
だって、相手は素人なんだから。