笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

会議のアジェンダひとつで受注率って変わるかもよ。

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連投じゃないけど連投に近い更新ですみんなさんありがとう(なにが)。

前の記事(宣伝会議の「インバウンドマーケティング」が僕の知ってるやつとだいぶ違う件について。 - 笑顔を創りたいWeb屋の日常)がまあまあシェアされたのでそのお礼を言ってみました。小さなSmartNews砲も放たれていたようです。

さて、今日は「元受託制作会社のWebディレクター・現事業会社のWeb担当」として「とっても簡単なたったひと手間かけるだけでクライアントからの受注率が劇的には変わらないけどでもまあまあ変わるかもよ」というそんなテクニックのお話。

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「おいまじかようそだろ」「おうウソだぜ」的なこと言われてそうな猫

 

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいでぃれくたーのお時間です。

 



 

いったい何をしに来るのかよくわからない営業さん

事業会社のなかのひとになって本当によくわかったんですが、とにかく打ち合わせが多い。なんだこれっていうぐらい多いです。まあ、僕がWebのエキスパートとして入っていて、同じチームにそれができる人がいない関係でいろんな会議に呼ばれるという側面もあるんですけど、それにしても多い。

これはまあ当たり前っちゃ当たり前のことで、ようするに事業会社側の人は提案や手を動かして何かを創ることが仕事ではなく、判断をするのが主な仕事なので、そうすると相談や承認が増え、そのタスクを実行するためには会議が最適なわけですね。

これを読んでいる受託の人は、(とくに優秀な人であればあるほど)「クライアントはこの仕事(Webプロジェクト)だけをやっているわけではない」というのはわかっていると思います。わかっていると思いますが、その3倍くらいその意識を強めていただいても問題ないぐらいには、会議やら「他のプロジェクト」が多いです。

事業会社で働く以上、一つのWebプロジェクトに没頭できる方が稀で、もはや「これWeb制作のスキルとか全然関係ないなw」っていうプロジェクトも僕のところではたくさん動いています。

そういうときに非常にめんどくさいのが「ぜひ一度、対面でのお話を!」「ご挨拶を兼ねてお打ち合わせを!」とかいう営業さんとかプロデューサーさんですね。

人によってはこちらが「ご来社いただかなくてもだいじょうぶですよ、とくに今すぐ何か困ってるわけではないので、メールでOKです」と言っても「いえいえ、せっかくですので、きちんと対面でお話しさせていただきます!」とかいう、いったいそれは何のせっかくなのかと聞き返したくなるような返信をして来社されるような人もいます。

こうなると「えーと、この人は何をしに来社するんだろう・・・」となったまま当日を迎えるわけですが、本当に謎でしょうがないし、そのうちの何割かはもともとあった(大して時間も要さない)小さな本題をそっちのけでガチガチの営業トークだったりします。

これを読んでる人の多くはWebディレクターとかデザイナーさんとか、(システム含め)エンジニアさんだと思うのですが、きっとそういう方は「意味のない会議なんて無駄だろワロスw」って思ってる方が大半でしょうね。

でも、これがけっこう多いんですよ。
こういう営業をしてくる会社。事業会社側に来て本当に思います(まあ、まがりなりにも上場企業だからってのもあるでしょうけど)。

 

結局、発注するかどうかのほとんどは「不安にならないかどうか」

そういう営業トークを展開されると「こっちも暇じゃねぇんだけどな・・・」と心の中でつぶやきながら「ほうほう、なるほどー、そういうサービスがあるんですね」とか言ってます。

ここで重要なのは、大半の担当者はよほどのことが無い限り「いや、そんな話を求めてたわけじゃないんですけど」「こっちも暇じゃないんで」なんて言わないってことです。

嫌われるのなんか得策じゃないし、まあ、そもそも人間と人間ですから。相手だって必至だってのはわかってるし、モノを売る、お金をもらうことの大変さは事業会社の人だってわかっているので、そうそう邪険にはしないわけです。しないけどべつにものすごく響いたわけでもないので、帰られたあと「あの営業さん、割と響いたなーとか思ってるんだろうなー」とか思ってます。なんだろうね、この悲しいギャップ。

こんなことを繰り返していると「このあとの会議はいったい何の話をするんだろうか」と思いながら当日までの日々を過ごすことになります。これは結構なマイナスポイントなんですよね

発注側というのは、常に不安なんです。

自社のお金を使って発注するわけだから、失敗するわけにはいかない。でも、うまくいく保証はどこにもないし、よほどこれまでの付き合いがある相手でなければそこをスパッと信用はできない。

成果を出してくれるところに発注したいわけですが、でも、いくら成果を出してくれてもものすごく横柄な対応だったり、こちらがあれもこれもとリマインドをしたり材料を用意したりしないといけないようなパートナーさんだったりすると、結局トータルのコストで見たらそんなに安くも無くて、「成果は出してくれるけど、もう少し費用高くてもいいからちゃんとやってくれるところないかな・・・」と他を探し出します。

逆に、成果に対して強いコミットが無くても「こっちがビジネスとしてちゃんと考えておけば、あとはスムーズにやってくれる」というなら、実はそれの方が発注しやすかったりします。

要するに、なにをバリューに戦うかでしかないんですが、そのすべては(すごく乱暴に言ってしまえば)発注者が不安にならないでいられる相手かどうか、なんですよね。

 

アジェンダぐらい事前に送るといいよ

僕はいまの会社に来てから(こちらから要求しない限り)事前に会議のアジェンダをもらったことは一度もありません。もちろんその中には「わざわざ言わんでもお互いが何を話すのかわかっている会議」も多いです。でも、「なんとなくは分かっているけど完全にははっきりしていない」というのも含めれば、結構な割合になります。

送ればいいのに。

前述のとおり、大概の担当者は会議ざんまいで忙しいです。その中に「無駄な会議」とか放り込まれると目も当てられません。

これは「実際にその会議が無駄かどうか」ということは関係ないです。何を話し合い、何を決めるためにパートナー企業は来社するのか、会議をするのか、がわからないまま会議までの日を過ごすというのが良くないと思うんです。

Web制作会社の人とか、そりゃ自分の主業務がそのプロジェクトなんだから「先週はこの話題だったから次はこの話だよな」ってわかっているだろうし、相手もわかっているだろうと無意識に思っている節があるのですが、それは大間違いです

これも前述のとおり事業会社の担当者というのはそのプロジェクトだけやってるわけではありません。となると(お恥ずかしながら・・・)一つ一つのプロジェクトに対して細かい進捗まで覚えてられないんです

そのとき、たったA4で1枚のミーティングアジェンダが事前に送られているだけでだいぶ違います。内容なんてそんな詳細なんものじゃなくていいんですよ。

  • 会議名(プロジェクト+会議のお題)
  • 日時と場所
  • 参加予定者
  • 当日の議題(3~5個程度) 

たったこの程度でも、あるだけで印象が全然違います。

「えーと何の話をするんだっけ」にたいしていつでも読み返せるものがあるだけで印象は全く違うし、「こういうことを決める会議なのね」とわかるだけで、時間を無駄にするかもしれない、相手のよくわからない営業トークに付き合わなくていいという安心が生まれます。

 

なぜ事前にアジェンダを送らないのかもよくわかる。だがそんなのくだらないんだぜ

まあ忙しいんだってのはもちろんあるとは思いますが、にしても、はっきりいって5分もかからんでできるんですよ。5分以上かかって悩んでしまうのなら、それはそもそも会議設計をちゃんとできていない証拠なので、そっちの心配をしたほうが良いです。

僕も受託側だったからよくわかるけど、送ったアジェンダと当日違う話が必要になったらどうしよう入れた議題が間に合わなくて出来なかったらどうしようとか、思うんですよね。

けっ、しゃらくせえ(ひどい)

そんなこと気にしなくて大丈夫です。

間に合うかどうか怪しい議題なら、そう書いておけばいいんですよ。「このページの画面設計については現在対応中でして、当日までに完成版はお持ちできないかもしれません」って。

担当者はそんな細かいこと気にしてません。当日「ちょっとこのページはまだ途中のものですが~」って言ってくれれば「そうですか、わかりました」で終わる話です(どうせ、最終的な納期が守られりゃいいんだから)。

多少の変更があったとしてでも事前に大枠がわかるほうがずっと大事なんです。何度も言うけど、それでだいぶ安心できるから。担当者本人が自覚してなくても、事前にアジェンダやどんな会議をするのかがわかるだけで、実は「ほうほう」と安心したりするもんです。(普段からそんなんだから麻痺してるだけなんですよ、たぶん)

 

会議打診の時点で会議の大枠を、前日までにアジェンダを

とはいえ、会議打診の時点ですぐにアジェンダを~というのは現実的ではないですね。でも、それでもできることはあります。

会議がある以上かならず打診~日程調整というのは走っているはずです。日程が確定したときにでも「当日は○○のために××のようなことをお話しさせていただきたいと思います。ここまでに△△を決められればスケジュール上は問題ありません」と数行をメールに添えるだけでもいいと思います。

良いと思うというか、ほとんどの人がやってないんですよw

だから、これはチャンスだと思います。

たったそれだけで差別化できるんだから。

しかも、割と効果はあると思います。上記のとおりの環境にいるのがクライアント担当者なので。

 

・・・っていうと、「事業会社側に移ったからって勝手なこと言いやがって」って言われてしまうかもしれないけど、だいじょうぶ。

 

ぼく、やってましたから。

 

toksato.hatenablog.com

ここで書いてたりします。じつは。

【2】 前日までにアジェンダを送る

ヒアリングシートと同じ意味もあるんですけどね。

上記の通り、相手は僕らWeb屋の素性など全く知りません。(むしろちょっとウサン臭い)

だから、「打ち合わせ」と言われても「いったい何を話してくれるのだろうか・・・」と思っています。一部はヒアリングシートが解決してくれるものですが、当日の具体的な打合せ内容などはわかりません。当日何を話して、何を決めるためにWeb制作会社の奴はウチまでくるんだ?ということをきちんと教えてあげないと、とりあえず出会う前までは間違いなく「よくわかんない業界のパソコンに強い奴が御用聞きに来る」としか思ってくれません。それを少しでも緩和しないと、後がきついです。

 実際にやってました。

で、事業会社側に来て担当者となって「ああ、あれって間違ってなかったんだ」と思ったから今こうやって書いてます。

 

ちなみに、これはプロジェクトの定例ミーティングとかでも同じですね。アジェンダを送る以前に、その前の会議の終わりで「本日はここまで進みました。次回はこの続き手これとこれの話をして、ここまで進められればと思います」って言うと良いと思います。

 

流れとかコンテキストって大事ですよね。

 

いや、すべては、相手の立場に立ってアウトプットをする、ってだけなんですが。