笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

だから、僕はアシスタントディレクターが女性でも荷物を持たせる。

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僕はもちろん?いまもWebディレクターとしてお仕事しているわけですが、立場的にはプロジェクト全体の仕切り、責任者だとか、いわゆる「プロジェクトマネージャー」的な動きが多く、会社内でも役職がついているいわゆる「えらいひと」の部類にはいる人です。

ってーことは、必然的に「部下」とか「アシスタント」みたいな人が会社組織としても案件としてもつくわけで、今日はそういう人への対応のお話です。

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいディレクターのおじかんです。

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で、タイトルの話なんですけど、僕は結構というかかなり積極的にアシスタントや部下に雑用っぽいことをさせます(「雑用」っていう表現がちょっと好きじゃないんですけど、わかりにくいのでこのまま使います・・・)。資料のプリントアウトはもちろん、たとえば外出する時は電車の時間、ルートまで調べてもらいます。相手が女性でも、けっこう大量な資料でも持たせたりしてます。まあ、あまりに重くて女性には無理って言うのはもちろん僕も手分けしますが。

なんてことを書くと部下をこき使ってふんぞり返っている人みたいですが、僕は理不尽上司というものが世の中で最も嫌いなのでして、そのへんはまあ

toksato.hatenablog.com

などを読んでいただければ信じてもらえるかなと。うん(謎)

で、じゃあなんで雑用とかそういうことをアシスタントとか部下にやらせるかというと、それには二つの理由があります。

 

「気が利く人」になるための通りみち

「一流のアシスタントディレクターになれないやつは一流のディレクターにもなれない」って三流の僕がよく言ってるんですが(謎)、Web制作ディレクションとしても、ディレクターが担うことが多いサイト設計、UI設計においても「気が利く」というのは非常に重要な能力だと僕は思っています。

「目の前のクライアントに気が利く対応ができないやつが、画面の向こうにいる見えないユーザーのために気が利いたサイトなんかつくれるわけがない」

ってよく上司や先輩から言われてたんですが、タバコを吸おうとしている人にサッと灰皿を出すことと、関連するページへのリンクを画面のナイスな位置(謎)に置くのは、根本の精神としてはそう変わらないと思うんですよ。

上司やメインディレクターが動くとき、何が必要か、次に何をするのか、先回りしてできることが無いか、と考えることはそのトレーニングになると思ってます。だから、アシスタント時代にメインディレクターや先輩、上司の動きを良く観察して、先手を打って動けるかどうか、さらにいえば上司や先輩はそういう観点できちんと教えてあげられるかが大事だと思ってます。先手を打つってディレクションでもとても大事なことですからね。

 

やるべきひとに、やるべき仕事を渡す

どっちかっていうと理由としてはこっちの方が強いです。アシスタントディレクターが女性だったとして、だからって資料を持ち運ぶのを(男性の)自分がやってしまうっていうのは、優しいように見えて実はその人の仕事を奪ってるんですよね。以前の職場にいた上司がこんなことを言ってました。

「俺がクライアントに対してプレゼンをして、クライアントの合意をとって、会議を終わらせてくるんだよなぁ?じゃあお前は何をしにいくんだ。会議ではほとんど発言できないのに、お前は何をしにいくんだ」

「お前の仕事は、俺を無事クライアントのところまで連れて行くことだろう。俺が不自由なく、不安なく、クライアントのところに行けるように対応するのがお前の仕事じゃないのか」

言い方はあれですけど(汗)、でもその通りだよなと思いました。クライアントとの打ち合わせとなれば、プロジェクト責任者の僕がたくさん喋って、プロとしての意見を述べて、会議を進めて行くのですが、じゃあそのときアシスタントディレクターは何のために行くのかって話なわけです。

 

「ただなんとなくついていく」

こんな状態をそのまま放置してはいけないと思うんですよね。それが当たり前になるのはまったくもってよろしくない。プロジェクトに、成果を出すことに、自分は何で貢献するのかということはどんな立場の人間だって考えてないといけないし、その貢献ポイントを上司やメインディレクターが奪ってはいけないと思います。

これは、逆にいえば自分にプレッシャーをかけることにもなるんですよね。資料を出力したり、クライアント先までのルート、時間まで調べてもらうということは、つまりもう言い訳ができないわけです。これで会議を失敗しようもんなら、それはすべて自分の責任になる。

そういう意味では「えらいひと」は雑用をしちゃいかんのです。よく、偉くなると部下をこきつかって、雑用をやらなくていい楽していい特権を得たと勘違いしているおバカな人がいますが、楽をしていいわけじゃない。「えらいひと」は「ふつうのひと」より単価が高いので、雑用とか細々とした作業とか「ふつうのひと」でもできることをしてはならんのです。「ふつうのひと」ができることはしなくていいというのは、「ふつうのひと」にはできない、もっと稼げる、もっと組織やプロジェクトに貢献する仕事をしろということなので、むしろ大変な話なのですよね。

これは、入ってきた新人にも伝えるべき話だと思います。上司だからってふんぞり返って、丁寧にもてなされて当たり前だと思っているバカな上司もいれば、偉い人だからもてなすべきと短絡的に思っている部下もいるし、「上司だからって雑用やらなくていいとかけしからん」と思っている新人もいます。

「違うんだよ、雑用やってもいいけどそしたらうちの会社もっと儲からなくなって、結果として君の給料も下がるかもしれない話なんだよ。それでもいいのかい?」って、ちゃんと上司から教えないといけないと僕は思っています。

だから、僕はアシスタントディレクターが女性だろうが男性だろうが、荷物は持ってもらうようにしています。

 

自分の仕事に集中するために。