笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

”プロモーションを考える=売り方を考える”ではないと思う。

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いや、まあ売り方っちゃあ売り方なんですけどw

 

ぼくはWebディレクターと言っても基本的に制作の畑の人なので、ものつくってナンボというか、現場管理とか進行管理とかそういう人なのでありまして、決してマーケッターでもないしコンサルタントでもないし、プロモーションを考える人っていうわけでもないし(考えない、ということではないですが)。プロモーションというものをそれほど高尚に語れるものは持ってないんですけども。ただ、物作って売るとか知ってもらうっていうことにプロモーションはつきものなわけでして、そこから思うことはあったりします、はい。

 

今までの職場すべてに言えることですが、

「さあ、これどうやって売ったら良いと思う?考えて」

みたいなお題をもらったり打ち合わせに参加したりするんですが、

この時点で片足くらい失敗の道に足をつっこんでない?って思います。

 

僕は、持論として「商品力を超えるプロモーションをしてはならない」と思ってるんですけども、それはなんでそう思うかというと、商品力を超えている時点でお客さんを騙しているんじゃないの?って思うからですね。「優れた営業マンは石ころでも売ってしまう」っていうフレーズがありますが(これって誰が言い出したんでしょうかね)、まあ、そんなもん売るなよって思いますw

もちろん、その石ころに価値があれば何も問題はないのですけど、どう考えてもその辺に転がっている石に、誰もがお金を払うような価値はないと思います。仮に生活に使えたとしても、需要と供給のバランスで考えたって余ってるわけで。



「どうやったら売れるだろう?」の解は、物凄く簡単に言ってしまえば

「それを求めている人がそれに出会えれば売れます」だと思うんですよね。

まあ、当たり前なんですけども。

 

その商品やサービスをいらない人に訴えても売れないし、仮に売れたとしても「いらない物」なんだから、そのあとに不満が出て「騙された!」と思われたら元も子もない。ゆえに、「商品力を超えるプロモーションをしてはならない」ということになるんですけども、じゃあその商品力ってなんだよっていう話で。

 

時折、いままで普通にありふれていた商品が、何かのきっかけで爆発的に売れることがありますが、あれはつまりその商品のもつ力が別のことに生かされたから売れるっていうケースが多いんだと思うんですよね。ダイエット(に効果的な)食品とか典型的ですけど。だから、所変われば品変わるではないですが、受け取る人、使い方によって商品力というものも変わってくるわけで(厳密には商品力は変わってなくて、それを扱う人達がそれに気づいてないだけなんですけど)、「誰に対して力を発揮する商品なのか」っていうことになるわけですよね。

 

 ・いらないものは売れない

 ・誰かの役に立つから売れる

 →ではどうやって売っていく?

 

ということを考えるならば、「さあ、これどうやって売ったら良いと思う?考えて」と言ってる時点で矛盾していて、そもそもまず商品設計、サービス設計の時点で「誰のどんな問題を解決するのか」っていうことがなきゃ、プロモーションもへったくれもないわけですよ。と、思うわけですよ。

 

これはデザインとかクリエイティブ(謎)にも言えることですけど、発注をする時点で「売れるようにデザインして」とか「売れる方法考えて」みたいなことを言ってる時点で、そうそう簡単には売れないし(おそらくその時点でその商品やサービスがちゃんと設計されてないから)、それをそのまま鵜呑みにして商品のことをちゃんと考えもしないで「売れるデザインします!」とか言っちゃうクリエイターもいたりで、おいおい・・・って思ったりするわけです。

 

もう、言い切っちゃいますけど、「売れないものは売れない」っすよね(笑)

 

どこにでもありふれていて、もっと安い商品があれば、まあ、売れないですよね。

何の個性もない100円のライターがバカ売れすることはまずない(場所によるかも、ですが)。

 

良い商品、良いサービスなら売れるだろうし、良い商品やサービスじゃないなら売れないだろうし。

いや、だから、はなっから諦めろというわけでもなければ、良い商品ならプロモーションなんかなくても売れると言いたいわけではなくて、商品やサービスそのものの価値を無視してプランニングなんかできるはずもないと思うってことです。「商品はできた。これをどうにかして売ろう」っていうんじゃその時点でもう売れないだろうなーと思います。

 

ゆえに、僕は「プロモーションを考える」っていうのは「売り方を考える」ではなく

「プロモーションを考える」=「届け方を考える」だと思うんですよね。

 

その商品に魅力があるとして、それは誰の、どんなことに役立つのか。

生活のどんなところに潤いを与えるのか。

その魅力を求めている人に、求めている魅力を、その人がいる場所へ届ける方法を考えるのがプロモーションではないのかと。

 

ですから、プロモーションを1から考えるってことはなくて、商品設計の時点である程度は固まってるんじゃないかなと思うんですよね。どういう商品で、どういう人に使ってもらうのかってのを設計しているわけですから。逆に言えば、それが無いなら基本的には売れないんだろうと思います。

 

仕掛けや仕組みはもちろん考えるべきで、それを否定するわけではないのですが、その全ては「相手を欺くこと」ではなく「相手にちゃんと届くこと」のために使うべきだと思うんです。そう考えれば、Webじゃなくて駅でティッシュでも配ったほうがいいかもしれないし、TVCMじゃスケールが合わないかもしれないし、学校やサークルなど別の組織と組んで何かをやった方がいいのかもしれないし、はたまたレシートの裏がメディアになるかもしれませんし。その商品の魅力を届けたい相手、受け取ることでHAPPYになる相手によって方法はいくらでも変わるし、それがなきゃプロモーションを考えることなんてできないとも思います。

 

まああの、「全てはお客様のために」って本当に考えてりゃ自然とそうなるはずなんですけど、

どうもプロモーションというと「いかに売ってやるか」みたいな発想が多い気がして、なんだかなーと思った次第です。

 

かといって、僕も具体的なプロモーション手法の話になるとまだまだやなーと思うんですけどね。

優秀なマーケッターとか企画屋さんの話を聞くと「ぬおー(汗)」って思います。

 

日々勉強でございます(謎)