笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

達成するつもりが無いならそれは目標とは言わない。

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目標ってそもそもなんなのかって話なんですけどね。

僕が以前いた組織で、自分の課の目標や達成率を報告するわけです。

 

僕はなんて書いたかな。

前年の蓄積が全くない状態だったので目標もへったくれもない状態だったんですけど、結果としての数字が確か達成率70%ぐらいだったので、いいとこ10%アップだろうと思って確か「80%」と書いた気がします。

 

他の課を見渡したら、なんと「100%」って書いてあるんですよ。

しかも、前年が40%ぐらいなのに。

僕は意味がわからなくて、会議で質問したんですね。



「なんでこれ皆100%なんですか?前年が40%なのにどう考えても無理では?」

 

返答はこうでした。

 

「いや、ここはそういう組織だから。100%を目指すのがあたりまえだから、ここは100%でいいんだよ」

 

会議では僕は一番下っ端でその道ウン十年の大ベテランの方までいたのですが、皆さんこれは同意で、僕が未熟だからわからなかったということになりました。そうそう、そうなんだよね、そこは把握しようね、みたいな。

 

それ、意味あるんですか?って僕は思います。

 

目標でしょ?

達成できない数字出して何の意味があるの?

結果として達成できなかったというのは仕方ないとしても、初めから絶対に無理な数字ってそれ目標になってないでしょう。

 

要するに、諸先輩方が仰っているのはつまり警察で言うと「未検挙率0の街づくり!」とかそういうことなんですよね。それは、目標じゃないですよ。理想ですよ。だって、無理だもん。人間が生活していてそれを人間が追うわけだから、100%なんて無理に決まってる。目指すなということではないですよ。目指すべきなんだけど、それは目標じゃないでしょう。少なくとも前年が40%なのに、翌年100%にするなんて無謀にも程がある。無謀というより無策ですけども。

 

「目指すべきは100%なんだから100%って書いておくべき」

というのは、裏をかえせば

「達成するつもりがない」

って言ってるのと同じだと思います。

それは目標とは言わない。

 

100%を目指すにしても、現状が40%ならそれを何年で100%に近づけていくのかというのが設計でありプランニングのはずで、それ無しに翌年100%にするっていうのはおかしな話です。要するに設計してないんですよね。もし仮にそれが計画・設計のもとに出された数値だというのなら、ボトルネックとなっている最大の問題が完全に明確化されていて、確実にそれしか問題がないという時しかないと思います。でも、そんな分かりきった問題ならそれはさっさと解決しているか、極大すぎて解決できないか、問題を細分化(「売れないことが問題」とか言っちゃうレベル)していないかのどれかです。

 

たった一つの記載ですが、その裏にはいくつもの問題が見えると思います。前年度40%だった部署が翌年度に達成率100%なんて達成する気もなければ、きちんと計画して達成率をあげようという分析・設計が無い何よりの証拠です。だから目標にそんな数字をかける。「それを目指すべき」ほとんど宗教みたいなものです。その理想や信念を目標と勘違いして、問題の分析もせずに細かい問題を「あれが問題だろう」「こんなやり方駄目だろう」というほど無駄な会議も無いと思います。

 

理想は理想。夢は夢。

目標とは違う。

目標は、理想や夢に向かうための、「現実」という道に置く「目印」でなければ意味が無いと思います。

 

あ、ちなみに、僕は運とマグレが重なって翌年100%達成しました。

ま、僕の力なんて微々たるもので部下?が頑張ってくれたからですけどね。