いや、読んでますよ(笑)
まだ最後までは読んでませんが。
ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術 (2009/06/29) 棚橋 弘季 商品詳細を見る |
ご存知?棚橋さんの本。
合宿に参加してくれた棚橋さんでございます。
読んでいて思ったことは「おお、ものすごくいつも仰ってる事だ・・・」という感じでした。そりゃ当たり前なんですが(笑)。頭の中にあるものをともかく吐き出すとか、自分がわからないことこそ手を出すべきとか「そうなんですよね~」と、「噛み砕くとそういうことになるのか」ということの連続ですね。
で、これっていうのは、思い描いていることを脳の外に出したり、それをどこかにさらしてみたり、さらして得られた結果をまた脳みそに突っ込んで変化させてみたり「脳みその有効活用法」なんですよね。脳というのは当然限られた能力しかないんですが、しかし「限られた能力しかない」=「その能力値が高い人だけが成功する」ということではなくて、ぜんぜん使ってない部分があり、それをちゃんと使ってないんですよね。思い描くだけでとまってしまって、その中の処理に没頭し結果として良い物が出てこない。頭の中で整理しているように見えて、それは「整理したつもりになってる」だけで、実は整理できてなかったりする。料理をしたことの無い人が、だいたいの工程を観て、頭で描いて「整理できている」という気になっちゃう。でも、実際に手を動かしてみると、実はぜんぜんできなかったりしちゃうw
それでまた難しいのが、頭の中で整理したことというのはあまりできてないことも去ることながら「きちんと形にしていない」ので「いずれすぐにバラけちゃう」んですよね。オブラートでグルーピングして整理しているような感じでしょうか(笑)。透明だし、あやふやだし、時間がたつと溶けちゃう。だったら、中途半端でもガチっと縛って出しちゃえばいい。出したものを元手にまた考えれば、思考は一気に進む。そうそう、だから脳の外に出さないとか、それを晒さない、体を使って思考をしないということは、物凄く難しいことを頭の中の「演算処理能力だけ」で整理しているようなもんなんですよね。そりゃ、次々にアウトプットする人にはかなわない。だから「脳みその有効活用法だなー」と思ったんです。
でも、僕がこの本を読んで一番感じたのは
「経営層や管理職の人がこれを一番意識してくれれば楽なのに・・・」
です。
いや、結局それはひいては日本人全員ということになってしまうのかもしれませんが。
だって、情報デザイン(と読んでよいのかわかりませんが)は金がかかる。
調査にせよ評価にせよ、何をするにしても時間と人の手間がかかる以上、金がかかる。
日本人、高いし(笑)。実際、この本にかかれているようなことを実践したら、絶対に良い結果がまっているはずです。そういう意味で、必ずコストパフォーマンスはあがると思います。しかし、目先の「費用」という意味では、そりゃもう「やらない方が金がかからない」わけですから、安いに決まってる。決済者、経営者がそっちに走ってしまう。金が無きゃ、仕事にならないわけで、これではできない。でも、長期的に観れば、こういうことを無視してつくりあげた「誰のために創ったのかわからない代物」を世に生み出している時点で、もうコストパフォーマンス激悪なんですよね。しかし、それに気づいている方々はやっぱり少ない。
当たり前ですが、誰かのために何かを創る、生み出そうとすれば手間がかかるのは当たり前。
その工程の重要性を、みんなが、特に決済権限を持っている人が認識していなきゃ、結局良いものはできないと思います。
・誰に向けて、
・何を体験させるために
・どういうことを盛り込んで
・どんな形にして
・どんな見栄えにするのか
というあるべき根底の哲学がないと、目先だけの費用、ビジュアルだけの仕事にだまされて結局良くないものができちゃう。いや、Web屋に限らず、それこそクリエイターが、仕事をする人が、少しずつ進めていかなきゃいけないことなんですけどね。難しいよなぁと思って。前にも書いたけど、ペルソナを使おうと思っているだけでも、ものすご~く進んでいると思いますよ。とりあえず「使う人のことを考えてものを作らないといけない」ということが理解できているんですから。
「自分が満足するものを外注や部下に創らせる」
という経営者、管理者の人が、一番初めに変わらないと、中々変わらないよなーと思います。
それでも、自分も勉強して、少しずつでもそういうことを訴えているんですが。
社内だけでも、少しずつ変わってくれている気がするので、うざくてもいい続ける、アウトプットし続けるってことが大事なんだと身にしみて思いますね。
うーん、大変だ。
こっそり、物凄く目立つところにこの本を置いてみるというのが一番手っ取り早かったりして!(笑)
【追記】
読んですぐ思ったんですが、
「自分の脳を外に出せ」というフレーズ、実はこの本自体が棚橋さんにとって「自分の脳を外に出す」行為なんだよなーと思って、なんだかちょっとおかしくって笑ってしまいました(笑)