クリエイター魂にも繋がる話ですが、転職してやっぱりそういうことって大事だよなぁと改めて思います。
前職でお世話になった就職指導の先生からメールをいただきまして(正確には『お返事をいただいた』ですが)、僕がいなくなったことをとても嘆いてくれて、Web科に僕のような人が必要だと、凄く力強い口調でおっしゃってくれて、恐縮な気持ちとありがたい気持ちでいっぱいになりました。
あちらは教育業界でこちらはIT。なかなか直接的なお仕事はできないかもしれないけど、こういうことは大事にしていきたいなぁと思います。
今の会社だって、未熟ながらも僕に期待をしてくれて一緒に仕事をさせて貰えているし、トライアルとしていまやっているお仕事は以前から付き合いのある方からご依頼です。
今は僕個人の信頼で仕事をいただいてますが、今後は会社の名前を信頼していただく仕事も増えてくる。むしろそうならなければいけない。それでもいいと思うんです。自分が仕事をする会社を信じてお仕事をくれる、一緒にお仕事をさせていただけることに感謝をしたい。
たまに、同業者や似たような形態で仕事をしている人の中に物凄く横柄な人がいる。「あいつらは何をしたらいいかわからなくて、こちらが調査や分析をしてやってるんだ」という人。大学の先生とか、いたなぁ・・・。そういう人は調査や分析が目的になってしまって大概周りを振り回してもなんとも思わない。
クライアントにむやみに遜ったり、ヘコヘコする必要はないと思います。パートナーにならないといけないのだから。でも、それ以前の問題だと思います。相手を敬い、相手が信頼してくれることを大切に扱えなければ、良いものづくりなんてできないと僕は思います。
僕らが相手にしているものは人間であり、HTMLでもFlashでもない。そして、僕らに直接お金を払うのはクライアントの方々。創る物を使うのはユーザーだけど、だからそれが=「ユーザの方だけ向いていればいい」ということにはならないと思う。
創るものは常にユーザに向いていなければいけない。
仕事は常にクライアントに向いていなければいけない。
だと思っています。
成果は出さなきゃいけない。しかし、それだって手法の一つでしかない。極端な話をすれば、仕事の進め方次第では(その時は)成果が出なくてもクライアントは満足してくれて、またお仕事をくれるかもしれません。
クリエイターがユーザにHTMLやFlashという「箱」を与えているのではなく、その箱を使ってどんな「生活」を与えるのかを考える必要があるのと同じように、クライアントに与えるべきものは成果物や成果ではなく、それらを軸とした「安心できるプロジェクトマネジメント」なんだと思います。
故に
「今の状態が把握できない」
「次に何が出て来るのかわからない」
「最後までの道筋が鮮明じゃない」
というのはクリエイターの怠慢だと思います。そして、それはクリエイター側の「相手はバカなんだからこっちがいいモノ創ってやればいい」というスタンスから生まれるところが大いにあると思っています。
成果物のユーザは消費者(エンドユーザ)。
クリエイターのユーザはクライアント。
目の前にいる人の不安を取り除き安心させられない人に、直接会うことのできない人を満足させるものを創るなんて到底無理だと思います。
そのためには「一緒にお仕事をさせていただける相手に感謝する」という姿勢を忘れないことが大事なんじゃないでしょうか。どんなに素晴らしい技術やWeb戦略、ユーザ調査や評価のスキルを持ってたって、根底にその姿勢がなければ無駄だと思うんです。誰もハッピーにできないから。
実は、こう書きながら自分に対して言っています。
意識していてもつい、日々の辛さや大変さの中でそういうことを忘れてしまいがちですから。
事あるごとに、立ち返りたいですね。