笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

SEO対策の是非 その2。

【スポンサーリンク】

以前に、SEO対策について書いたことがありますね。>>SEO対策の是非

ここでは割と否定的なことを書きましたが、何もSEOが悪いと言っているわけではないです。

サイトをユーザが満足できる形になってもいないのに、「検索エンジン上位表示」が目的になってしまっていて、そんなSEOはどうなんだろうという話であって、SEO自体を否定しているわけではないです。

よくSEOなんて小手先の技術だからダメなものなんだ」というのを耳にすることがあるのですが、これはこれで逆に行きすぎだと思います。SEOというのは単なる方法論なので、それを使って何を実現するのかということの方が先決。そして、SEO対策が必要ならするべきだし、必要ないならお金と時間の無駄なのでしない方がいい。

SEO対策というのはユーザリーチの手法なので、逆に言うと「相手がどこにいるのか」ということの方が重要なのだと思います。たとえば、イベントや催しなら潜在顧客にDMを送ったりしますよね。相手は、以前に購入履歴があったり登録履歴がある人なわけです。そしてその人に、わかりやすいように「お知らせ」をしている。SEOもこれとさほど変わらない。要するに、入り口をどうするかという話なだけです。

たとえば、とあるホテルで中華バイキングをやっていたとする。

そのホテルがターゲットとしている顧客は、そのホテルまでのアクセス方法を知っていますか?という話。知っているなら、バイキングの開催情報さえ教えればいい。しかし、知らないのであれば最寄り駅からの辿り着き方をどこかで提示しなければいけない。それをWeb上ではSEO対策と呼んでいるだけのこと。

だから、ターゲットユーザが何の施策もなしにそのサイトに訪れることができるならSEOなんていらない。ターゲットユーザが持つニーズを満たすことのできるサイトを用意したのに、たどり着く方法を知らないのなら、SEOをするべき。ただ、それだけのことなんです。

映画のサイトやドラマ、ゲームのサイトはたぶんSEO対策なんていらないですね。

その映画の名前をどこかで認知して来ているわけですから、改めてSEO対策なんてする必要ながない。その名前で直に検索をかけてくるのだから。名前を直で検索かけて訪れられないサイトだとすると、それはもうSEO対策以前に致命的な問題を抱えているサイトでしょう(笑)。だから、たまに自社名をリスティング広告で出している企業がいるのですが、あれは一刻も早くやめた方が良いですよねぇ。企業名を検索している時点である程度ブランディングが達成できているユーザであって、そして企業名ならわざわざそんなことしなくても上位表示できているはずです。基本的に競合がいないのだから(笑)

たとえば山手のおいしいフレンチレストランなら、店舗名で検索して来る顧客にはSEOなど必要ないですし、山手でレストランを探しているユーザには、その問題を解決できるサイトを用意し「山手 おすすめ フレンチ」などのキーワードで引っかかるようにサイトを作るべき。これは、SEO対策ですよね。

SEOが良いとか悪いとか言っている時点で、すでにユーザ中心の設計ではなくなっているんです。単なる制作者の好みだから。ユーザが必要としているならSEO対策をするべき、必要ないならその費用を別の場所にまわすべき(事実、SEO対策が必要ないユーザはブランド構築という意味で次のステップに入っているのでWebサイト内にそれ相応の施策が必要になるはず)。

ターゲットとしているユーザの現在地を把握し、問題解決までの道のりをきちんと描き、その道のりのどのタイミングでどんな施策が必要なのか、問題解決までの全ての道程をトータルデザインすることこそ我々が考えなければならないことで、SEO対策はそのうちの一つの手法でしかないと思います。