笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

IAやUI設計における「この情報どっちに置こうか問題」。

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結局移転してないダメブロガーですこんばんちわ。

僕はWebディレクターなんですけども、そのなかでもあいえーとかゆーえっくすとかいうのを語りたがるそんなどこにでも転がってる無名ディレクターなわけですが、だからサイト設計まわりでよく相談されるわけですよ。部下のような人とか同僚とかから。

 

今日はそんなIA的なお話。

 

そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいディレクターのおじかんです。

 



 

でね、こんな相談が来たりするんですよ。

 

「この情報、こっちとこっちと、どっちのページに載せたら良いですかねぇ?」

 

って。

で、僕はその相談に答えることになるわけだけど、だいたい内容も聞かずに答えちゃうことがあります。そのときはいつも同じ返答。

 

 

 

 

 

「両方に置いちゃダメなの?」

 

 

 

 

そうするとだいたい

 

 

 

「えっ・・・(・Д・)」

 

 

ってこんな反応されるわけですが。

これは「どっちに置くか相談」だけじゃなく、誰かがつくったワイヤーフレームのレビューをしてるときに「このページのここにこのコンテンツ入れた方がいいんじゃないの?」っていうと、

 

 

 

 

「や、それはもうこっちのページで使っちゃってるんです」

 

 

とか言われる。

え?なんで?(・ω・)ドウシテ

とか僕は思うんですけども。

 

 

あのー、たぶんとても強い固定観念なんですよね。

だいたい「情報」なんてものはゼロから生み出すわけではなくどっかに転がってるものを集めてきて整理するわけですが、「整理して配置する」ということに頭が行き過ぎてるというか、感覚的には「これはタンスのどこに入れようか」みたいな感覚なんだと思います。でも、そんなもんユーザーには関係ない話で、あくまで設計側の都合でしかないんですよね。

 

っていうかそもそもなんのために設計してんだよっつう話で、ユーザーが求めてるならどっちにも置けばいいじゃんよっていうとてもシンプルな話なんですよね。基本的にデジタルデータなんだから一つを二つに増やしたところで金がかかるわけでもないんだから(厳密にはコストはかかる事がある。後述します)「ユーザーが求めるものを求める順序で求める場所に置く」っていうただそれだけのことなんですけどもね。

 

 

で、これ実は話はもっと深刻で「どっちに置こうか」と悩んでる時点でたぶんそもそもがわかってなかったりするんですよね。

 

たとえば「サービスに対する想い」みたいなものを、会社としての想いだから会社情報のカテゴリに置くべきなのか、製品やサービスの話だから製品カテゴリに置くべきなのか、という話がでてきて前述のとおり「んなもん両方置けばいいじゃん」が結論なんですけども、そもそもそれ以前に「それって同じコンテンツにはならないだろ?」ってのがあるのですよ。

 

たしかにどちらも「サービスへの想い」を語るわけだけど、「その会社がどんな会社なのかを知りたい」という文脈で訪れているユーザーに伝えるべきことと、「このサービスはどんなサービスなの?」という文脈で訪れているユーザーに伝えるべきことは、「サービスへの想い」として大筋おなじだったとしても、細かいところではだいぶ違うはずなんですよ(もしかしたらそれは中身ではなく量の違いかもしれない)。そりゃ話の立ち位置が違うんだから。だから、「どっちに置こうか」と悩んでる時点で、もっと本質的な「このページで何を伝えなければならないのか」ということが考えられてないんじゃないかと、思うわけですね。そりゃよくない。よくなーい!(謎)

 

 

っていうか、冷静に考えてみりゃ商品価格とかそこかしこにあんじゃん、って話なんですけどね。それも、やはり文脈とか利用シーンて話があって、一覧ページと詳細ページでは見せ方が変わりますね。比較としてみるのか、その商品について詳しく知りたいときの一つの(重要な)情報としてみるのか、で。

 

これはサイト内だけじゃなくて、別々のサイト間でも起きる話で、たとえば商品情報というのをIRなども載ってるコーポレートサイトに載せるべきなのか、一般消費者向けの商品サイトやブランドサイトに置くべきか、というときは、はい、「両方置けばいいじゃん」ですね。

 

会社の経営状態とか、その流れで商品の質を見たいという投資家向けの情報と、「この商品買おうかしら?!」と思ってサイトとにくる一般消費者向けの情報は、同じ商品情報でも表現がまったく変わってくる。投資家に向けて伝えるにはリッチなコンテンツなんか逆に見づらくて、きちんと表やリストなんかにしてスペックなどを整理して見せなきゃいけないし、逆にそんなつまらん形で一般消費者に見せてもワクワクしてくれないし。

 

人によっては重複コンテンツになることでSEO観点からマイナス評価を受けることを恐れる人もいるんですけど、前述のとおり文脈が違うので全く同じコンテンツにはならないはずだし、仮になったとしてもページの1コーナーが同じだったぐらいで重複コンテンツ扱いはされないはずです。逆に、ページそのものが全く同じ内容になるというのなら、それはそのページ以前にサイト設計そのものの方を疑った方がいい。そうなるってことは破綻してるはずだから。

 

だから、変な固定観念なんか取っ払ってシンプルにユーザーに向けて伝えるべきことを考えてりゃいいわけですが、ただ、一点だけ注意しなければならないことがあって、さっき「増やしたってデジタルデータなんだから金かからん」と書いたけど、同じ情報をあっちにもこっちにも載せると管理が大変なんですよね。価格情報なんかはその最たる例。もちろん価格情報だけじゃなくて、法律関係とか、関連製品の情報とかもそうですね。月日が経つと話が変わってしまうことがある。あっちにもこっちにも情報を載せた結果、うっかり更新を忘れてしまう、なんてことはよくある。そのときにはCMSの出番だったりするわけですが、動的にせよ静的にせよ管理コストがあがるので、その点については慎重に考えてから設計をすべきと思います。結果として「そこまで管理コストが払えないから、この情報はこのページだけにとどめる」というのも判断としてはありますやね。

 

 

ってなわけで、みんな設計がんばろうぜっていうそういう話でした(謎)