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笑顔を創りたいWeb屋の日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。

新人なんて早く帰らせてナンボだろ。

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って思ってるんですよ。っていうかそういう話をこのまえ新人さんにしたので、忘れないうちの書いておきましょうそうしましょうっていうことでそうします。

 

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そんなわけで、うぇぶぎょうかいのむめいディレクターのおじかんです。

 



 

僕はまあそれはそれはいろんな会社を渡り歩いたダメ人間なので、それの数だけ先輩も上司も経営者も見てきたんですが、なんとまあ本当に多いのが皆様「新人」というものがわかってない。

 

新人というのは「新しい人」というだけのことだと思っている。もちろん、中途採用で業界経験がある即戦力(候補)の人ならそれでいい。実際ぼくは今の会社ではそういう扱いだったと思うし。だがしかし、そうじゃない、新卒や第二新卒、もしくは業界未経験者を受け入れたというのに、まるでそれを理解してない頭の悪いオジサンオバサンがたくさんいて、「僕はああはなりたくないなぁ」と思って見ていたものです。

 

で、なんだろうな、例えば新人さんがまず入社してきて一番に違和感を感じるのが残業をさせてなんとも思ってないところなんですよね。いやもうね、もっと言っちゃうと「○○くんは入社して間もないのに頑張ってるね!」とか推奨しちゃうヤーツ(©ハライチ)。

 

 

あのぉ~聞きたいんですけどぉ~残業してもらって戦力になってるんですかぁ~?

新卒、第二新卒、業界未経験者からの新人さんの場合、つまり圧倒的に知識や経験が不足しているわけで、そう簡単にすぐに戦力になるはずがないんですよね。なんか聞いたことの10倍ぐらい読み取ってできちゃう天才でもない限りは。

 

その人、残業させてなんか戦力になってるんですか?

 

まあ、戦力にならないことはないでしょうね。いわゆる「誰にでもできる雑務」とか。コピーとったり書類をクリッピングしたりお掃除したりお掃除したりお掃除したり。でもそれ残業させてまですることですかねぇ。いや、えーと、納期なり会議なりが迫っていて、文字通り猫の手も借りたいときにそういうことを残業させてまで頼むことはあるかもしれません。そんで、それが毎日になることもあるかもしれません。でもそれ雑用が欲しいとなるとーえーとー、それはそれ専用の人を雇った方がいいでしょうね。ずーっとそれしかできないだろうから。いや、一時的なものならいいですけどね。

 

うん、だから、いいんです。

そこまでわかっていれば。

「いま残業させているのは一時的な対応であり」

「ずっとこの作業をさせるつもりもないし」

「だからこの作業で残業させるのは良くないと思うし」

 

と、わかっているなら。

 

 

問題なのは戦力になってないのに残業させてること

問題なのはそうじゃないとき。

で、ブラックな体質の企業にはこれが本当に多い。

まあ、言ってしまえば残業が目的化してる人たち

 

デザインでもいいし、企画書作成でもいいし、HTMLコーディングでもなんでもいいんですけど、ド新人さんがやったら、基本的にはものすごーく時間がかかるし、教えるぶん教える人の工数もかかっちゃうし、もはや「普通にできる人が普通にやっちゃう方が早いしローコスト」なんですよ。もちろん、「本来、未経験の人には教えなきゃいけないことも自分でわかってできちゃう社内の戦力になる人」もいますが、それを巷では「即戦力」と呼ぶはずなのでこの定義からは外れます。…外れますし、未経験の人のほとんどはそうじゃないですね。

 

だいたい、時間がかかるわけですよ。それで残業になってるわけですよ。それを称賛してどうするんだっつう話なのですよ。だって、普通の人より時間がかかってるわけですよ。つまりそこにはコストがかかってるわけですよ。新人だろうが何だろうが人件費も管理費も発生するのですから。もっといえばその新人さんを管理監督する先輩の人件費もかかりますねぇ。

コストがかかったとしても、そこから売上なりなんなりに貢献していればよいのですけどね。その貢献できる人(および力)のことを人は「戦力」と呼ぶわけですが、そう、だから戦力になってるのならいいのです。他の人に任せるよりその人に任せた方が(スキルレベル的にも)良いのなら。

 

 

業界未経験の新人さんにまず一番初めに教えるべきこと

それは、

「タスクに対して、あるべき時間で終わらせ、だからこそあるべき時間配分を守らせること」

だと思うんですよ。なんでかっていうとコストがかかるから。

 

バナーデザイン一つにしたって、かけて良い時間というものがあるわけですよ。そりゃね、あれですよ、デザインというものは、いつ神が降りてくるのかという神降臨待ちという部分はありますよ。あったとしてもですね、じゃあバナーデザイン一つに一ヶ月もかけて良いことなんてほとんどないのですよ(というか僕はそんな案件、一度も見たことがない)。

仮に神が降りてこないとできないにしても、だったら納期までに神が降りてきてデザインできる手法を身につけろって話なわけですよ。

 

どんなタスクだってそこに人件費なりが発生している以上コストなのですよ。そしてそのかけたコストに対してどれだけの価値を生み出せるかが勝負なわけですが、要は「そのタスクにどれだけかけていいか」というのが当然のようにあるはずなんです。

 

でも、入社したばかりの新人さんは、その人が真面目であればあるほど「もっと頑張らなきゃ!」と思って、もっともっと、もっともっとと頑張った結果時間をかけちゃうんですよね。で、残業することになる。本来残業しなくても終わる仕事なのに、残業しちゃう。でも、それって全然良くないことなんですよね。

 

すべてはコストであるという観点で見れば、つまりかけるコストを少なく、効果を最大化できる人が優秀なわけです。凡人がやれば8時間かかるページデザインを、同じクオリティで1時間でできる人がいたらその人はとってもすごい人なわけです。その人はやろうと思えば同じ時間で8ページデザインができてしまうわけです。なんだそれ、天才やがなぁ!

逆に、凡人が8時間でできるページデザインを3日(24時間)かけないとできない人は、能力が低いわけです。

 

新人さんにまず一番初めに教えるべきことは「残業していっぱい頑張ればいいってことじゃねぇ」ってことだと思うんですよね。もっとつっこむと「それにかけて良い適正時間というものが存在する」ってことだと思うんですよ。

 

 

いや、ほんとはもっとあってね(笑)

「いやー残業頑張ってるねー!」

「はい、頑張ってます!ぼく頑張ります!」

っていうコミュニケーションってほんと終わってると思うんですよ。

これはね、弊害が物凄くたくさんあるんです。

 

前述の通り

「それにかけて良い適正時間というものが存在する」ってこと教えるべきだ

なわけですけど、つまりこれを教えないことによる弊害が物凄く大きいと思うわけです。以下に僕が弊害と思う部分を記載していきます。

 

 

■1.自分の業務の計画が立てられない

そりゃそうですよね。だって、「それに何時間かけるべきか」がわかってないんだから、計画なんか立つはずがない。立っていたとしてもそれは自分が勝手に決めた物差しで、会社のそれと同じではない。同じではないということは、そもそも計画そのものが会社の方針と合ってないことになります。

 

 

■2.忙しくないのに「忙しい」とかいっちゃう

「それに、どれぐらいかけるべきか」という物差しがないわけです。これを放置しておくと、「わたし、こんなに忙しいのに!」とか言うんだけど、実は作業が遅いだけ、チンタラやってるだけかもしれないわけです。弊害はそれだけじゃなくて、逆のパターンもあるわけですよね。自分が常人より著しくスピードが早いのに、それを自覚してないので、遅い人を責めるわけです。「どうしてそんなに遅いのか」と。実際には、早くできる人がそれだけの報酬をもらえばいいだけです。でもそのためには、「自分は会社の物差しでいけば早くたくさんできる人材である」と認識しなければならず、その根本にはまず物差し、目盛りがしっかりしてないといけません。

 

 

■3.どこまでのクオリティを出すべきかを考えない

「この時間内でやるべきだ」を意識しないということは「どこにどこまで力をいれるべきだ」ということを考えないということと同義だと僕は思うんですよね。それって両輪だから。片側を考えなければもう一方も考えられるはずがない。クオリティをあげようと思えば、どんだけでも時間をかければいいんだから。時間が無限ならいくらでもやればいいということになる。

たとえば「お餅が必要」となったとします。でもそれって、いくらでも方法があるわけですよ。一番簡単なのはスーパーで切り餅を買ってくることでしょうね。でも、「お餅を手に入れる」ということだけなら、他に臼と杵を用意してその場でつくこともできるし、もち米の栽培や臼をつくるための木材を調達しに行くところからだってできるわけですよ。時間と労力とお金をかければいくらでも突き詰めることができる。でも、たかだかお正月に家族で食べるのにもち米を田んぼから栽培する人はそうそういないでしょう(まあ、趣味でやりたい人はやればいいけど)。

 

「それにかけて良い適正時間というものが存在する」を考えないということは、同時に「どこまでのクオリティを出すか」を考えてないのと一緒なんですよね。

 

 

■4.だからほかの人に適切に仕事が渡せない

「これ」を「どれくらいに時間」で「どれくらいのクオリティ」で仕上げるべきかということを考えてないわけですから。そんな人が自分以外の人に適切にお仕事を渡せるわけがないんですよね。

 

 

■5.だから適切に評価もできない

「これ」に対して「これぐらいやってほしい」というのがあるから、

 ・「それ通りだったか」

 ・「それを下回ったか」

 ・「それを超えてきたか」

がわかるんだと思うんです。

LPデザインを3日であげてきてほしいからこそ、1日であげて来たら驚くわけですよ。3日で3案出してくれたら「うおおありがたい」って思うわけですよね。それは、そもそもまず依頼する時点で適切な依頼ハードルを渡せるからこそできるんですよね。

 

 

■6.タスクから出た結果の問題点を見つけられない

これは自分にも誰かにお仕事を依頼する時にも言えることですが、「それにかけて良い適正時間というものが存在する」ことを考えないということは、終わりの時間を意識しないわけです。「この時間までにこのクオリティで納品する」という意識があれば、おのずと「じゃあこの時間にはここまでできてないといけない」となるわけです。するとそれは、タスク分解を行い、それをゴールまでに構造的に並べた「ワークフロー」ができているはずなんですよね。

それができているからこそ、「間に合わなかった理由」「クオリティが到達できなかった理由」が見えてくるはずなんですよ。何も考えず、タスク分解もせず計画も立てないで進めたら、どこでどんな問題が起きたかがわからないわけです。さっきのお餅の調達の話で言えば、そもそも目指すべきクオリティ設定が間違っていたのか(田んぼからつくるとか)、クオリティは合ってたんだけど行くべきスーパーを間違えたとか、はたまた行くべきお店は間違ってなかったんだけど定休日を調べてなかったとか、いろいろあるわけです。

でもこれを何も考えずにエイヤ!と取り組んだら出てこないんですよ。「それにかけて良い適正時間というものが存在する」ということをわかるからできるわけで。

 

 

■7.そもそも「人生は仕事がすべてじゃない」ということすらわからなくなる

なぜなら仕事を定義せず、設計せず、ほかの人にも適切に依頼できないから。

残業することが美徳となり、それが当たり前となり、しまいにはそれを強要するような人にもなるでしょうねぇ・・・。

きちんと仕事をして、それでもあふれるならそれは「仕事が多すぎる」んですよね。

でもじゃあどうやって「きちんと仕事をしている」と測るのかってのが無いと、話にならないわけですよ。

それを持たない人は、そもそも考えてもいないわけで。「仕事があるんだからやる」になるわけです。そうしたら、同僚や後輩にもそれを求めだすでしょうね。まあなんてブラックなんでしょう。

 

 

「残業してる姿」を喜んでるなんて先輩とか経営者の自己満足

会社のためにはまったくならない。

いや、新しく入ってきた人が、自分の能力が足りないことを痛感し「がんばらないと(汗)」と思うのは、とても良いことだと思います。受け入れる側としてはこれほどありがたいことはないんじゃないかなと思います。でも、だからこそそれは止めなきゃいけないと思うんですよね。

 

「うん。やる気があるのはわかったよ。でも、君のやる気のぶんだけいろんなコストがかかってるのわかってる?」

 

「やる気があるんだったら、だからこそ事前の目標通りに、必ずその時間で終わるようになぜ計画を立てない?」

 

「なぜ”一時間でも早く終わること”に心血を注がないの?」

 

と言うべきだと思うんです。

もし頑張っていてそれが貴重なら「その気持ちはとてもありがたいよ」と伝えながら。

そこでそれを伝えないと、クオリティもコストも意識しない人ができあがると思います。そして、会社組織がそんな人だらけになったら、会社はいつまでたっても赤字体質、ブラック体質が抜けませんよ。だって、みんな頑張ってるように見えるし、そう評価することになっちゃうんだもん。それを是正する管理職もいなければ、それに対して適切なクレームを入れられる現場もいないはずですし。

そして、そんなことをしていたら、本当に優秀な人はいなくなりますよね。そらそうだ。8時間かかるバナーデザインを1時間で仕上げても「あいつ暇だ」って言われるんだから。

 

 

うん。だから、マネジメントしてますか?って話

新人さんを切り口に書きましたが、結局これってワークフローの整備であり、評価制度の確立であり、それらを新しい人に浸透し活用してもらるための教育システムの礎でもあるわけですよ。つまり、これはそもそも組織のマネジメントが先にあるべき話なんですよね。人事評価はそもそも新人さんだけの話じゃないし、むしろ新人さんよりそれより上にいる中堅、ベテランにこそシビアに影響してくる話ですし。

 

よーうすーるにー(謎)

入って間もない新人さんが残業していることを褒めて推奨しているような経営者、管理者、先輩は、組織にとって害以外の何物でもない大ばか者だと僕は思うのですよ。そしてその大ばか者は自分の組織のマネジメントなんてまるでやってない、なんちゃってマネージャーだよなぁ、と。

 

もちろんね、完璧には無理だし、それもまた同じ話になりますが、完璧にするにもコストがかかる。そしてそのコストはどこまでもかけてよいものではない。でもね、だからこそ「自分の組織はマネジメントにここまでコストをかけてここまでしっかりやる」「でもこれ以上はやらない」「やらないことによる弊害や損失はこういうことがある」とわかっているかどうかだと思うんですよね。

それがちゃんとわかっていて、説明できれば、あとはもう渡された者が受け入れるかどうかだけだと思いますし。「トレードオフ」とか「バランス」の中で、どのポジショニングを求めるかというだけの話なので。

 

 

ってことでまとめ

まとめは、タイトルそのままです。

 

「新人なんて早く帰らせてナンボだろ」

 

 

====追記====

書いた後で気づきました。

この記事まるで自分が勤めている会社が残業称賛していて、マネジメントも評価システムもないような書き方になってますが(なってるかな・・・?)、そうじゃないです。むしろそのへんをちゃんとしているから新人さんにもそのように教えることができるわけで。

 

・・・過去に所属していた組織にはこの記事のようなところいっぱいありましたけどね(笑)

 

というわけでこれを読んでいるWeb業界の人、そこに参加したい人いっしょに働きませんかとか言ってみる(謎)