笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

Wordより20年前のワープロ機の方が優れている。

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かも、しれない。

すんません、あおってます。

いや、嘘じゃないですほんとです。

 

ワープロが・・・。

わ、ワープロ機が・・・・。

 

某電源プラグじゃなかった電源プラグがさされる側の素敵極まりないWeb制作会社(設計事務所?)の代表の長谷川さん(ぼく面識無いですけど、「キーパーソンが語る~」とかで読んだりなんだり(謎)尊敬しておりやす。IA100でもお世話になりやした)が、書いたエントリを読んで「そういや、似たようなことあったなぁ」と思いました。

該当のエントリはこれです↓

 

【ユーザーエクスペリエンスデザイン】

http://www.underconcept.com/blog/archives/806

僕は車がわりと好きな方で、もちろん運転も好きだが、車内の情報システムも興味範囲であるので、昔から自分への投資と言い訳をしてさまざまなナビを試したり、実験を繰り返してきた。しかしながら、こういった仕事をしていることもあり、ある程度テクノロジーリテラシーもあるので、実はどういったインターフェイスでもそこそこ使いこなして、問題がない状態にしてしまう。

 

 ~中略~

 

このように、そこそこ使いこなせてしまうと、逆に言えば問題がそこにはないので、問題の発見ができないことになる。禅問答のような話であるが、そういう理由で世の多くの「使いにくい」やら「ひどい体験」は放置され、そもそも問題と認識されていないため、企業側からクレームと認識されてしまっている。

 

―リンク先より抜粋―

 

「慣れてしまったり、リテラシーが高いと問題に気づきにくくなる」っていうことなんですよね。

それとはちょっと違うんですけど、似たような現象をこの前目の当たりにして。



実家にももちろんパソコン(ノートPC)はあるんですけど、いかんせん相当古くてWindowsMEとか使っちゃってるちょっとどうかしちゃってる感じの環境なわけですけど(言い過ぎ)、僕の母はそれをネット閲覧用(たまに)とメール用にしか使ってないんですよ。この前話してたら、メールちゃんとできている割には、Outlookの「送受信」のボタンすら理解してなかったというぐらいのリテラシーの人です(ちなみにそれでも我が家では僕の次にリテラシーが高い)。目の前でメール送信したのに、いつまで経っても届かないので、え?なんで?と思ったらノートPCの前で座ったまま待っていたという。いままで、

 

ノートPC立ち上げる→Outlook立ち上げる→メール来る→返信する→ノートPC閉じる

 

 

という流れしかやったことがなかったんでしょうね。

だから、メールは勝手に届くものだと思ってたらしい。

 

ま、そんな母です。

その母が「新しくPCを買おうと思うんだけど、いままで使ってたワープロ機の代わりはWordなの?」というわけです。うん、まあ、そうです。Wordです。一太郎でもいいのかな?まあでも、とにかくWordがいいでしょう。買えばだいたい入ってるし。

 

「いまのワープロ、もう印刷ができないのよねぇ。Wordでやればいいんでしょうけど、ちゃんと使えるかしら?機能ちゃんとある?ワープロ機じゃないんでしょ?」

 

ノートPCはノートPCであってワープロ機でないことはもうその日本語もう一回自分で発してみればわかると思うんですけどそんなことを言ってはなりませぬ母様ですから。そこはやさしくそっと「そうだね」で良いのであります。で、「機能ちゃんとある?」って聞かれてるわけですけど、これ、いま実家にあるそのワープロ機とやらはもう20年前の代物なのですよ。もはや、よく動いてるなと。印刷機能が止まるぐらいでよく助かってるなと。おまえさん、上の写真のようにならなくて良かったなと思うわけですけど。いや、皆さんよくおわかりだと思いますが、20年前のワープロ機にあってWordにない機能なんてほとんどないだろーおいおいおいwって思ったわけですよ。おニャン子クラブにできてAKBにできないことはまああるかもしれませんけど、同じワープロにおいてそれはないっしょーないない、と思ってたんですよ。

 

 

が!

 

 

後日母親が愚痴るわけですよ。

「WordもExcelも使いづらい!ワープロより優れてるんだろうけど、確実に劣っている部分はある!(怒)」

 

うぉうほんとですか。うぉううぉう、wow wow。

お母様、もしかしてわずか1週間足らずのうちにそんな奥深い機能まで手を出してしまったのですか。危険ですよ、PCは危険です。怪しい国の急流下りぐらい保証がありません。ちょっと、落ち着きましょう。というわけで聞いてみたら

 

「均等割り付けがしづらい」

 

ん?できますよ?

 

「Wordはボタンがあったかも?でもExcelにはない!表作るのめんどくさい!」

 

えーと、それはセルの書式設定をですね・・・あーえーと右クリックしてー

 

「そんなことしなきゃいけないの?!使いづらい!」

 

そ、そうなのか。もはや当たり前だと思ってたからわからなかった。

 

「ワープロなら表も簡単につくれたし、均等割付もキーボードのボタンでできた」

 

え、そうなんだ。

これってつまり、僕がWordに慣れてしまっている、一定のPC操作のスキルを持ってるから気づかなかったわけですけど、それ以前に、母の操作感覚が完全にワープロ機仕様になってるんですよね。そう言われてみれば、ネットやりーのWordつかいーのパワポつかいーのゲームやりーのとあれやこれやできるPCと違って、ワープロ機ってキーボード(文字)配列はともかく、その中にワープロに特化したボタンがいくつもあるんですよね。ああ、そらこれに慣れてたら使いやすいわと。

 

いや、単純な機能で比較したらそのワープロ機は現行のWordの足元にも及ばないとおもいます。

でも、そうじゃないんですよね。

機能そのものが人を満足させてくれるわけじゃない。

機能は使えてこそナンボだし、仮に優秀なインターフェースだったとして、それでも機能が多すぎれば母にはたぶん難しいんです。ノートPCはあれやこれや出来る反面、ワープロとして特化するわけにもいかず、そしてWordは機能が豊富なぶん、メニューやら設定やらが異常に多い。

 

ユーザーが何をなし得たいのか、どうしたら良い体験ができるのかが大事であってそれを満たすための機能にしか過ぎないし、その機能と人をつなげるためのインターフェースに過ぎないんですよね。

 

わかっていたつもりだったんですけど、「んなあほなw」と思った自分を恥ずかしく思います。

慣れって怖いし、母の姿を見れば慣れって素敵だなぁとも思いました。

慣れれば、どんどん使い込んでいけるんだから。