読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

笑顔を創りたいWeb屋の日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。

ユーザとクライアントが二律背反なんて絶対ウソだと思う。

Webディレクション

【スポンサーリンク】

いっぱい空いてしまいました・・・。

いや、時間が無かったし、時間がまるで無かったわけでもなくて(どっち)、攻城団が公開してから、まずはそのご報告だ!と思って控えてたんですよね。半分はね。もう半分は、本当に忙しいというだけですけどw

 

でも、広告でちゃったし!

それっていくらなんでもみすぼらしいし!

だから書きますよと。

幸い、書くことなんていくらでもありますからね。

そんなに頻繁に更新してないからw



で、さてさてタイトルの件ですが(何)

僕は受託Web制作業から足を洗おうとしている人間ですが、軸足をずらしただけで完全にやめるわけではないです。今の会社でも業界の絞りはあれども、一応受託制作はやる予定です。・・・まあ、メディア系のサイトでもスポンサーやクライアントがつけば受託に近いものもありますからね。

 

 

で、受託においてとっても多い話がこれ。

 

サイトのデザインは54%が「好みで決定」、27%が最後に上司にひっくり返され、90%は消費者の意見を参考にせず/デザイン決定プロセス調査

*参考意見としてターゲット消費者の意見を取り入れているのは10%に過ぎず、90%が消費者の意見を聞かずにデザインを決定している。

 

*デザイン決定のポイントは、「発注側の経営者・上司・担当者の好み」が54%。「サイト制作のゴールを達成できそうだから」(20.7%)の倍以上の割合で「好み」を優先。

 

*27.3%が「発注側の経営者や上司の独断的な意向で最終決定の直前にデザインがひっくり返った」ことで困った経験がある。

  ※本文より

 

 

まあ、そうだろうねぇという話ですね。

こういうことを踏まえつつ、うまいことプロジェクトの終わりまで運びましょうねということを整理したのが、以前に書いた「中小企業や個人経営規模相手のWebディレクションで気をつけている15のこと。」だったりします。

 

でもね、なんだろうなー、それ以前の意識をちゃんと持たないと意味無いと思うんですよね。

いくらプロジェクトマネジメントやディレクション(進行管理?)のスキルを身につけたところで、根本のところを理解してなきゃ無駄だよなぁと思うわけで。

 

具体的に書くとですね。

ユーザとクライアントが二律背反なんて絶対ウソだと思う。

ついね、ついそう思ってしまうのは、僕だってあります。(しょっちょうあるw)

でも、それは決して二律背反しているわけではなくて、僕らWeb屋の力が足りないか、クライアントの力が無いかのどちらかだと思うんですよね。っていうか、誤解を恐れずに書きますが、そもそもWeb屋はユーザのほうなんか向かなくていいんだよと思います。向かなきゃいけないのは、クライアント。

 

■よくある、二律背反しているという図

スライド1

これがまあ、よく言われる図ですよね。

ビジネスとしてWebサイトを作るのだから売り上げなり、お問い合わせなり、せめて印象なりに何かしらプラスにならないと意味が無いわけで、コンサルに強かろうが弱かろうが「ボタンは大きい方がいいですよ」みたいなレベルのデザイナーだって(どんなレベルだそれはw)、基本的にはそこを目指すわけですよね。でも、困ったことにお金を払う側のクライアントがまるでユーザーフレンドリーを意識せず、こちらの提案をまるで受け入れずに、結果としてユーザのためにならないサイトを作ってしまうという。で、成果が出なくて制作会社の責任にされてしまうという(笑)やってらんね|Д`)ノ~

 

でもね、これが大間違いだろうというか、逆に言うとWebをなめとんのかとも思うんですよね。僕もWeb屋なのにね(謎)。上にも書いたけど、もともとユーザなんか見る必要ないよって。いや、ユーザを見なきゃいけないんですけどねw でも、ユーザの方を直接向く必要も無いし、自分たちのビジネスじゃないんだから向くことがそもそもおかしいし。ユーザは、消費者は、制作会社に発注をしているクライアント企業のその向こうにいるわけじゃないですか。別に僕らが直接サービスするわけじゃないし。だから、もともとユーザの方向とクライアントの方向なんてものが存在しないと思うんですよ。あるのは、クライアントの方向だけ。

 

だからといって言いなりになるべきということじゃないですよ。

そうじゃなくて、クライアントの向こう側にエンドユーザがいるわけで、そのエンドユーザはクライアント企業のサービスを受ける人ですよね(もしくは受けると幸せになる人)。Webサイトもそのサービスの一つですよね。クライアントの方向というのはつまり(というかもちろん)クライアントのビジネスの方向だと思います。クライアントのビジネスの方向を向いていれば、その先に絶対にエンドユーザがいる。だから、別に二律背反してないんです。本当はこうのはず。

 

■本来の図

スライド2

もともと両方を見る必要なんか無くて、そもそもクライアントのビジネスさえ見とけばいいんだと思います。エンドユーザがどうのこうのは、それは方向性の話であって、誰もそれが絶対だなんて言ってないし。そうすると「じゃあどうやって成果出すの?」っていう話になると思うんですけどね、だから、それが僕はおかしいと思うんですよね。むしろ、なんで成果出すことが絶対になってるの?っていう。いやはや、だって出ないかもしれないじゃないですか。いや、それはもちろん世の中の環境が悪いからとか、運がとか、そういう話じゃないですよ(そういう原因もあるとは思いますが、今は別の話)。だって、無理じゃないですかそれって。物理的に。

 

・・・ってなぜ思うのかをもう少し整理して説明してみます。みますみますみます(謎)

 

 

■本来のWeb制作ビジネス

スライド3

こうですよね、本来のWeb制作ビジネスって。

基本的には相手のビジネスで、そこでWebのプロとしてWebサイトを作ってビジネスに貢献するわけですね。

 

でも、クライアントってみんな同じじゃないですよね。

それぞれレベルがあって、申し訳ないけどリテラシーの低い人もたくさんいるわけで。

で、それで、自社としては同じサービスをするわけですよね。(価格が同じだとしたら、ですよ)

 

じゃあ、こういう場合どうでしょうかね。

 

■どっちが成果出やすいですか?

スライド4

はよくWebのことを勉強していて、ともすればHTMLの知識なんかもちょっとあっちゃったりする、そんな素敵な担当者です。もちろん、マーケティングにも興味があって、一生懸命更新しようと思って、制作会社にその辺までサポートを依頼するわけですね。ともかく、お客様のために情報をたくさん!っていう心意気のある人ですね。いやはや、大好きですw

はWebのことなんかまるで知らないし、どうやってつくるのかも、更新する気も無くて「なんか必要だと思ったから」っていう程度で依頼してくる担当者ですね。だから目的もないし、そもそもお客様のためにサービスの一つとしてWebサイトをつくろうなんていう気はさらさら無くて、ともかく早く、カッコいいデザインを作って欲しいっていう人ですね。

 

 

 

 

 

 

 

・・・どっちが成果が出やすいかなんて火を見るより明らかだと思います(泣)

 

じゃあ、こういうクライアントはどうですかね。

 

 

 

 

■いわゆる一つのジャイアン

スライド5

 

 

100%無理でしょうね。

 

 

だってお客様の方向いてないもん。

エンドユーザのことを1ミクロも考えてなくて、Webサイトを自分のファッションかなんかだと勘違いしているわけで、そりゃねぇ、誰がお問い合わせなんかしますかっっていう話ですよねぇw

 

気持ちはわかるんですよ。

二律背反してるって言いたい。そういう錯覚も物凄く共感しちゃう。

でも「それは違うだろう」っていうプライドが無いとダメだろうって思うんですよね。

絶対に成果が出るようにつくらなければいけないって思っているからそうなるんですよね。

そもそもそれが大間違いだと僕は思うんです。

 

 

だって、出るわけ無いじゃんw

別に珍しい話じゃないですよね。

ネットショップなんか顕著な例で、インターネットで売ればリアル店舗よりガッポガッポ売れると思い込んでいるオーナーなんて、絶対売れるわけ無いんですよね。商品を買うお客様のこと考えてないんだから。そういう人をクライアントにして成果を出しますって相当な離れ業なわけで、まず相手の意識から変えるセミナーからはじめなきゃいけないわけですよ。でも、それにももちろん費用がかかるし、そもそもそういう何も考えてないクライアントはセミナーなんて受ける気もないでしょうね。

 

 

■できねぇもんはできねぇって言うのが本来の仕事でしょ。

でも、そんな難しい話じゃないと思うんですよ。

最高のWebサイトを創る必要などない。」でも書いたけど、要するにOLのお姉さんにビーフストロガノフを教えるのと、包丁も握ったことの無い幼稚園児に教えるのとどっちがうまくいきますかという話で、幼稚園児のほうがビーフストロガノフ成功の鍵(なんだそれ)から遥かに距離が遠いですよね。たっくさん教えなきゃいけないことがあるんですよ。当たり前ですけど、料金は違って当たり前ですし、レシピもカリキュラムも先生も違って当たり前ですよね。それ、同じ額でできるわけないじゃんっていう話ですよね。

 

たとえば、足し算引き算もできない高校三年生の息子を年末あたりにお母さんが連れてきて「この子を偏差値70以上大学へ現役合格させてください!」とか言われたりするわけですね。でも、もはやこれは学力だけじゃなくて、おそらく生活態度、勉強するとはどういうことなのかから教えないといけないわけですよね。うん、無理。少なくとも、相当スパルタで尚且つこちら(予備校)の言うことを完全に聞く環境と、そして料金がなければできないわけで。現実的に考えるなら「いえいえお母さん、今からじゃどうひっくり返っても難しいと思いますよ。息子さんの現在の状況も踏まえて、○○大学あたりを狙わせるのはどうでしょう」っていうのがあるべきサービスじゃないかと思います(いや、東大に入れられるならどうぞやりましょうって話だけど)。

 

Web制作の話に戻しますが、クライアントが「こうしたい」と言い出して、それが間違いなら正すべきだし、受け入れられないなら「それではおそらく成果は出ません。それでも良いですか?」ぐらい言わなきゃダメでしょうって話ですよ。二律背反してるなんて考えるから、息子さんも大学合格も考えなきゃいけないのに~なんてなるんですよね。違いますよね。無理なもんは無理じゃないですか。僕らは、ビジネスのお手伝いなんですよ。相手の立場から、どうやったら少しでもユーザフレンドリーなサイト、コンテンツができるのかをエスコートするのがお仕事で、もともとエンドユーザへのサービスなんてものは入ってないはずです。

 

 

■「あっちにお客様がいるっぽいですよ!」「ささ、一緒に行きましょう!」

Web制作でビジネスのお手伝いをするというのは、要するにクライアントの手をとって、一緒に歩いてお客様のいる方へ歩いていくっていうことだと思うんですよね。だから、OLの大人なキレイで真面目なお姉さんとちょっと目を離せばあっち行きたいこっち行きたいっていう5歳児では、やるべきことも、かかる手間も違うんですよね。それ、一緒にしちゃだめでしょうっていう

 

Webに一生懸命、お客様へのサービスを常に考えているクライアントは、すでに凄い力を持ってるんですよ。そういうクライアントと、朝令暮改大好きワガママオーナーのダメダメクライアントはまるで持っている力が違うんですよね。こちらはいつも同じ力でやってるんだから、それはもちろん結果が違って当たり前だし、同じ料金でできるわけもないし、同じ料金で同じような結果になるのなら、それって力のあるクライアントをバカにしているし、自分たちがつくるWebサイトが全知全能だって言ってるようなもんだと思うんですよね。

 

お客様が、ゴールがどっちにあるかを知っていて、その方向をちゃんと指し示すことがWeb屋の仕事であって、もともとエンドユーザへのサービスなんて仕事じゃないはずです。方向を指し示し、手をつないで一緒に歩くのがお仕事で、少しでも近づけることが仕事だと思います。だから、二律背反なんてしてないんですよ。クライアントをいかにお客様へ少しでも近づけるかが勝負であって、相手が遠けりゃそら到達地点もそれなりにしかならないっていう話です。

 

ま、専門学校とか、同じ話なんですけどね。

お金を払っている学生と保護者がいて、就職先の企業がいる。

ユーザが二人いる!なんて錯覚に陥るわけですね。

でも、違いますよね。

エンドユーザは企業です。

学生や保護者がクライアント。

優秀な学生もいれば、親御さんがほったらかしの学生もいる。

アプローチの仕方を変えることは出来ると思うけど、時間は同じなわけで、当然内定が取れる確率も違うんですよね。もちろん「絶対に一部上場企業に入れます!」なんて言えるわけも無く。ならつきっきりでやるのでもっとお金くださいっていうねw

 

「あの企業に入るためにはこういうことが大事だ!」と、方向指し示すことができ、そこへ一緒に手をつないで歩いていくことしかできないんですよ。相手には相手の能力があるわけで。二律背反なんかしてないんです。もともと、自分が相手にするのは学生というクライアントしかいないんです。その人をいかに、どれくらい内定に近づけることができるか、なんですよね。

 

 

ユーザとクライアントが二律背反なんて絶対ウソだと思います。

クライアントのビジネスしか向く方向は無いです。

そのビジネスの先には必ずエンドユーザがいます。

エンドユーザはあっちにいるから、一緒にこういう道のりで行きましょうねと、エスコートするのが仕事。

 

二律背反って思った時点で、自分たちが何を提供すべきなのかわかってないんじゃないかと思いますよ。