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笑顔を創りたいWeb屋の日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。

労働環境と就活システムの理想と現実。

日々雑感

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前のエントリが就活関連だったので、その流れで思うことがあり続きを書いてみるのです。なんて!(謎)

なんかこう、twitter上で

「国や政治が悪い、就活システムが悪いなんて言うのはどうかと思う」

「どうせ内定とったら批判しなくなるんだったら初めから言うべきではない」

「現代の日本で育まれてきた以上、ある程度はこのシステムを受け入れるのは当然なのでは?」

という大学生さんのつぶやきを見つけまして。

おお、よく考えてらっしゃる素晴らしいと思ったのですけども。

それに対して「構造的な欠陥から目を背けているようにしか見えない」的なツイートもありつつ。

 

僕は、これはどちらも少し違うなぁと思います。

物凄く簡単に結論だけ言うと「思想や表現と行動は別でもいいじゃない」と思ってます。

というか、そうでなければいけないというか。(無理やり別にする必要はありませんが)

 

僕は、今の就活システム、新卒一括採用だったり意味もなく大学で選定するようなシステムは決して良いとは思いません。でも、それがなんだと思うし、それでどうのこうの言っても始まらないだろう、と思っています。だって、生きていかなきゃいけないんだもん。そういう意味では、上記大学生のツイートは素直にその通りだと思います。



でも、だからといって「批判すべきじゃない」とは思いません。

そもそも、間違っているものは間違っているのであって、口に出す出さない如何によらず、すでにそう思ってしまった時点で同じですから。無理やり思い込むのも違いますし。間違ってると思うものは間違ってるというべきですし、そう発言しアウトプットするからこそまた考えが深まるものだと思います。情報は発信しないとただのガラクタに成り下がる。

 

「批判すること」と「歩みをとめること」はイコールでは無いと僕は思うのですよね。物事について自分なりに分析し、結論を出すのは何歳になっても大事だと思いますし、それを放棄するのはいかがなものかと思います。一方で、否定しようが肯定しようが歩みを止めることが最もよろしくないことであり、目標を見据えて動くことが大事だと思います。要はシステムとして不完全だと思うならそこはきちんと把握すべきだと思いますし、完璧だろうが不完全だろうが進むべきなら進むべきだと思うということです。

 

批判したいならすればいいと思うんです。

間違ってることは間違ってると叫べば良い。

間違ってるから、今すぐ正さないといけないわけでじゃないはずです。

っていうか、思い立った人が何でも正せるなら苦労はしないし、そんな世の中じゃめちゃくちゃになるだけだと思います。間違っているから、その行動をすべきかどうかということは別問題です。そもそも、主語が違う。就活システムが間違っているというのは社会全体の話で、その人個人の話ではない。その人の正解は、まず自分が幸せになることであり、将来的にどうなりたいかという目標をもとに決められるもので無ければいけない。就活システムが正しいとか間違ってるなんてことは瑣末なことで、その目の前にある現状から将来をつかむために今どうするのかという話。就活システムの是非なんてある意味どうでもいいんですよ。

 

要するに理想と現実ですよね。

現実としては働かないと生きていけないし、今のこの国ではその就活システムが基本なのだからその基本に照らし合わせて自分がどうすべきなのかという話で、これは現実の話。

一方で就活システムがどうあるべきかというのは将来的に問題解決をしないといけない理想の話。

大事なのはこの両者をきちんと見据えることであり、理想に対して現状の就活システムがよろしくないのであればそれは大いに議論すると良いと思います。理想を語らなくて何を語る。理想に近づけたいならそうできるように行動すれば良いし、それが今出来ないならしなければいい。そのとき、行動の判断基準になるのは何度も言うように獲得したい将来ありきの話でしょう。

 

「現状の就活システムが悪いからと他に責任を求め動かない」というのは、問題なのは「動かない」ことであって、就活システムが悪いかどうかという「批判」自体は問題ではないし、それが正論ならそういう思想を持つことはむしろ「正しいこと」だとすら僕は思います。

 

だから、逆の視点から言えば、現状のシステムに沿う活動をしたからといって「目を背ける」というのは大間違いだと思います。そもそも、「目を背ける」というのは「目を向けるべき人が背ける」から言われるのであって、大学生が「目を向けるべき」なのは、僕はどう考えても就活システムではなく、自分の将来だと思います。もちろん、当事者である以上就活システムの是非から完全に目を背けるのはよろしくないと思いますが、それこそ僕がここまで散々書いている「善悪を判断し理想を語ること」であって「根本から改善すること」では無いと思います。なぜなら、彼らは政治家でも採用担当でもないのだから。一番目を背けてはいけないのは、その就活システムを作り出している側の人間、変える力を持っている人間でしょう。一大学生に目を背けるなというのは、社会のために自爆しろと言ってる様なもので本末転倒だと思います。社会のために個人がいるのではなく、個人がよりよく暮らすために社会があるのだから。なぜ、一大学生が自分の将来を棒に振ってまで社会と戦わなければならないのか(戦いたい人は戦うと良いと思いますけれどもね)。

 

これ、労働環境も同じ話だと思うんですよね。

サービス残業や休日出勤が横行するわが国ですが、当然これは間違ったことだと思います。

まあ、単純に法律違反ですからねぇ・・・・。

でも、今のこの過剰労働を対価としてサービスを提供している社会では、一社員、一経営者にはどうしようもないこともあると思います。特にWeb業界なんか未成熟な業界だからしょうがないことも多々ある。いくら制作会社の社長が努力しようにも単価が低ければ給料はあげられないし、安い単価で経営しようと思えば数をこなさなければならず、どうしたって労働環境は悪くなる。僕だって好き好んで残業はしませんし、クリエイターやプランナーとしては、絶対になるべく早く帰宅して楽しく食事をするなりTVを見て情報収集するなり運動するなりした方が良いものが創れると思います。が、それがすぐに実現できるわけではないですから。いや、やれるもんならやってみろという話で、もちろんそういう環境を優秀な経営者さんは目指しているとは思いますが、現実としてはまだまだ難しいものだと思います。

 

そういう「現実」がある中で、誰でもかんでも「残業なんておかしい!絶対しない!」と言い切って働けるならそれに越したことはありませんが、それは少なくとも今のところ「理想」であって実現しないし、できない。ある程度それは仕方ない。そんな中で「本来間違っていることなのに残業してる奴はおかしい!そいつらだって片棒担いでる」みたいなことを言うのは僕は違うと思うんですよね。だって、じゃあ、死ねって言うの?全員が経営者になれとでも?という話ですから。しょうがないじゃん、生きなきゃいけないんだから。嫌だけど、しょうがないこともままあるわけで、それが嫌で拒否できるならどうぞ(というよりむしろ是非)やってくださいとしかいえない。

 

まあ、たとえば労働者である人全員が、明日から突然「サービス残業、休日出勤は一切しません!」と言って実行できればそれで世の中変わるかもしれませんが、まず日本経済がストップしますし、そもそも国民の半分以上が突然一枚岩になれるぐらいなら政治はいらないよねーという話で、できるわけがない。

 

徐々に変えていくしかないと思うのですよ。

そのためには、現状は労働環境が悪くても仕方ないとしても「これは本当はダメなんだ」「労働環境を改善しなければいけない」という意識を持ち、少しずつでもその方向に行動することが大事だと思うんですよね。で、そのためには、たとえば一社員である僕は、何の実績もなく突然労働環境の改善を求めたところで代わりを用意されてしまうだけですから。多くの人もそうだと思いますけど、だからこそそう簡単に会社と戦えないわけですよね。それすらもおかしいわけですが、だったら戦える力を持てば良いわけです。簡単にはクビを切れないポジションを確保した上で、おかしいことはおかしいと戦えば良いと思うし、僕は実際そうしてきました。また、そういうポジションを獲得した人間から、会社と戦っていかなければ現状は何も変わらないと思うんです。選挙の一票と同じで、選挙権を手に入れた者が意思表明をしなければ何も変わらない、たった一票では大して変わらないけれども、各々がその一票で意思表示をしなければ絶対に何も変わらないと思います。

 

大事なのは、理想についてきちんと描くことであり、語ることであり、そしてそれにどうやってたどり着くかを現実の行動に落とし込むことだと思います。ベストとしての思想は絶対に持つべきだし、それがなければどうしようもない。でも、それを今すぐ実現しようとするのはまたおかしな話で、実現できるように今、明日、数年後に何をするのかというプロセスを持つことが大事だと思います。

 

僕は、Web業界の労働環境は正しいとは思いません。

でも、今すぐ変えるのは無理だと思います。

無理だから何もしない、無理だからそれが正しいと思い込むのも違うと思います。

理想に向かって、自分が何が出来るのか、それを現在の落とし込んで行動することが正しい選択だと思います。

 

だから、僕は戦える限り戦いますし、理想のようにはならなくても「サービス残業が当たり前」「休日出勤が当たり前」「残業した奴こそ偉い」なんていう文化、価値観は断固否定します。否定するから、それを常に拒否するわけじゃないんです。そういう価値観ではダメだと言い、だからこそ変えるために頑張りましょうと言います。その努力が、少しずつでも環境を変えると僕は思います。

 

理想を持って、冷静に現実と戦うことが大事だと思います。