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笑顔を創りたいWeb屋の日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。

統一した意識が無いからこそ実力が無いんだよね。

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ユーザ中心というか、なんかそんな大層なことじゃなくてもいいんですけども(何)

たぶん、この話は世の経営者さんやWebの黎明期からご活躍なさってる神々のおわす所にいらっしゃる方(言い過ぎ)にしてみれば当たり前の話なんだと思います。が、僕は僕であって、僕にとっては結構な発見だったので書くのです。いいのです書くのです!(謎)

 

■敵は社内にありw

今の会社に来てから(いや、その前から薄々思っていましたけど)、企業にとって一番強いのは全員が同じ方向を向いてることなんだなぁと、痛切に感じています。「最高のWebサイトを創る必要などない。」で書きましたが、やはり、良いWebサイト、成果につながるWebサイトを創るには、クライアントの協力無しにはできないし、逆に言えばWebに対する熱意やリテラシー、もっというときちんとビジネスや商売を考えているクライアントとそうでないクライアントに対応したとき成果物のクオリティが変わるのは当然のことだと思っています。



でも、それより何より思うのは、クライアントという「社外の人」より、一緒に仕事をする「社内の人」の意識が統一されていることの方がもっともっと大事だなぁと思います。僕がどんなにきっちりとディレクションをしよう、予算が無い中でもなんとかかんとか調査して仮説を立てる工程を入れ込もうとしても、当たり前に僕一人で会社が動いているわけでもなく、周りの上司や同僚がそれを理解していないとできるものもできません。

 

例えば、「きちんとヒアリングをしてユーザ設定からサイト構築を行いましょう」と僕が言っても、仕事を取ってくる時点で「さっさとデザインつくってほしい」というのを鵜呑みにしてとってこられてしまうと、もう僕がもらう時点では覆せなくなっていますし、クライアントの言いなりになってはいけないわけでプロとしてきちんとそこは説明すべきと言っても「いや、お客さんがそう言ってるんだからそうすべきだ」という人とではもう、できないんですよね。

 

例えば、僕はWeb系のシステムのUI設計を任されたりすることもあるのですが、ユーザ設定もなし、ユーザ体験のフローもシナリオも無しで、サイト構造というかコンテンツ間の情報構造も大雑把なままで「これでUIを考えてください」なんて渡され方をされるわけです。僕が今まで通ってきた文化からすればもうあり得ないわけですね。「ええ、それもうふくわらいの世界じゃん・・・」と。でも、それはもう僕の力では回避できないわけですよ。

 

これを回避しようと思うと、全社員に「Webサイトとは」「デザインとは」という話を1からしなければいけないです。時間を貰えれば良いのですが、そもそもそういうもの(意識や考え方)があるということすら意識出来ていなければ時間が取れるなんていうフェーズのずーっと手前なわけですね。

 

■文化という名の価値観で片付けられてしまうと・・・

で、これを「それはWebデザイン(制作)のプロだから文化が違うだけ」と一蹴されてしまうのですがw、僕はそうだとは全然思ってなくて。そりゃHTMLだのCSSだのUIにおけるユーザビリティだのという話はその通りWeb的なものですが、僕が言ってることってもっとその手前の話で、「モノを創る」「サービスを創る」というのは「相手」無しには語れず、そして何より「目的」をきちんと見据えてやらなければ駄目だろうという、そういうことなのですが、それが妙に「ユーザ中心の文化」みたいに片付けられてしまう。「あなたはあなた。私は私。文化よね」みたいな・・・。

 

いやいや、文化で片付けじゃだめだよねという話で。

たとえば、皆様から大変好評いただいた「中小企業や個人経営規模相手のWebディレクションで気をつけている15のこと。」の話は、もちろんWebディレクションの話ですが根本の根本は「お仕事の段取り」であり、大概の内容はほぼ全てのビジネスでも使える、意識すべき内容だと思うのですね。でも、弊社は議事録一つフォーマットがありませんし、そもそも打ち合わせのたびにきちんと議事録なりメールなりでその内容を可視化するということすら共有されていません。ワークフローをきちんと提示して、いつ、誰が、何を、どのくらいするのかというロードマップの共有すらしていません。単純なシステムを構築するのみであれば期限さえ切らなければそれでもできますが、受託の場合はお客様がいるわけで、その人にサービスをしているわけですから、僕は間違いなくこれでは駄目だと思います。システムを売ることがサービスではなくて、「システムを完成させて納品するすべての工程」がサービスなのだから、議事録だってロードマップだってメールだって納品物です。

 

■意識の問題

こういう発想になるのは、結局のところ「自分は相手に何を届けることで満足体験を得てもらい、お金をもらうのか」という商売の基本の基本が土台としてあるからです。これ、つまりWebサイトの創り方も同じだし、マーケティングだって同じじゃないですか。基本の基本ですから。ユーザ中心の文化とかそれ以前の話で、これはもう本来当たり前の話だと僕は思っています。宋文洲さんでは無いですが本当の意味で「お客様中心に考える」ことができていれば、その人に自分が、自社が何が出来るのか、何をすべきなのかという思考になり、さすれば自ずとプロマネも意識するはずですし、議事録もロードマップもタスクリストも出てくるはずなんですよね、ということです。

 

批判がしたいわけじゃなくて(いやしてるけどw)、結局僕一人がそう思っていてもダメなんですよね。社内に対するそういう教育(というと上目線過ぎますが・・・)が先であり、それはまた途方も無い時間がかかるし、もう言い切ってしまうと「そうじゃないこと」が当たり前だった人にはいくら口で言ってももう伝わらないんですよね。で、そこで成果の出る物を創ろうと思えばコミュニケーションコストが異常にかかるか、無理かの結末が待ってます。

 

そして、逆を考えてみるわけです

全員が目的意識を持ち、相手のことを中心に考え、尚且つその中での細かい価値観まで統一できていたら、社内での無駄なコミュニケーションコストは生まれず、クオリティの維持もできるし、何よりスタートラインが高いので、よりプラスに向かっての議論ができる。そういう会社は強いよなぁ、伊達に大手じゃないよねーと思うのですが、いやいやいや。そうじゃなくて。そもそも、それがその会社の実力そのものなんだよねと思うわけです。

 

■「時間がない」という発言そのものがすでに・・・

こういう話をすると「話はわかるんだけど時間がないんだよね」っていう返答がまず間違いなく返ってきます(弊社じゃなくてクライアントでも)。でも、その時点でおかしいんですよね。そここそがビジネスじゃんって話で。「どんな時に、どんなコンセプトのどんな料理を誰に出す店にするの?」って聞いてるのに、お客さんに料理出すシェフが「いやぁ、わかってはいるんだけどなかなか時間が取れなくてそこまで考えられないんだよね」って言ったら、それはもう時間云々じゃなくて本当の意味でそれを考えるということがどういうことなのかわかってないってことなんですよね。

 

時間があるとかないとかじゃなくて、それはまずそっちから先に考えるのが当たり前であって、それなしにレストランなんか開店してんじゃないよ、それなしにテレアポしてんじゃないよってことで。それ、押し売りじゃん?っていう。だから、やはり実力のあるWeb屋さんや制作会社さんて、Webサイトの成果物だけじゃないんですよね。物事の進め方、対応の仕方一つとってもその意識がにじみ出てる。メールひとつとっても全然違いますよねやっぱり。根底にその意識があるからだと思います。

 

そして、これは何もWeb屋だけの話しではないんですよね。

僕はWeb制作会社だけにいたわけではないですから。

とある所では、セミナーやイベントなどの実施報告書を出すのですが、そのフォーマットをもらったらタイトルに「報告書」とあるだけで、あとはA4いっぱいにおっきな枠線があるだけなんですよね。そう、書く項目がなーんにも決まってないんですよ。僕、頭の中真っ白になって(笑)え?何を報告するの?っていう。当時の上司は「報告書のデザインだろうが」「それこそお前が考えることだろうが」「ぜんぜんなってない」みたいなことをおっしゃっていたのですが、いやいや。報告が欲しいのは会社でしょ?。何のために報告をさせるのか、その大目的を決めるのは会社側でしょう。その大目的の中で、各人が「こういうことを伝えるべき」ということをデザインするのであって、全くの真っ白ってのはつまりそれは報告の目的そのものが既にあやふやだということなんですよね。何のために報告するのか、業務の、管理の何に活かすための「報告」なのかが明確になっていれば、必ずフォーマットはもっと細かく項目が立てられているはずなんですよね(いろいろ使い回すために空白というのは意志をアウトプットに落とし込む作業を怠けているだけです)。

 

その組織は、やっぱり設計やプロセスという文化がなくて、個々人が勝手に動いて勝手にやってる組織でした。もっというとワークフロー一つ無い組織で、それはやっぱり上司やトップの朝令暮改体質なわけですね。やっぱり・・・。その時点ですでに目的意識や相手思考はないということなんですよね。オーナー企業にありがちな話ですけどもね!(笑)

 

■意識を統一することこそ、組織の強み

やっぱり、意識なんですよね。

皆が統一した意識、同じ方向を向いている組織というのは強いし、それができていない組織は物凄く弱いと思います。個々人の能力すらうまく発揮できない。よくクライアントが言う「社員によって言う事がバラバラ」っていうのは、つまり同じ方向に向いてない、会社経営として哲学を持っていないという何よりの証拠なんでしょうね。(あるとしても金稼ぎたいよねっていうばかりのそっち側の哲学でしょうねぇ)

 

世の独立した方やフリーランスで名を馳せている方々は、きっとその統一が出来ていない、自分と志を同じくすることができない故に、「ならばひとりの方が」「ならば自分が会社を起こした方が」と判断して行動に起こした方々なんだろうなぁと思います(当たり前か)。

 

会社として哲学を持つこと。

全員が同じ方向を向くことって、凄く重要なことだと思います。

(ガチガチのワークフローが必要だということではないですよ)

 

僕が次にどこにいるのか自分でもまだわかりませんが、出来る限り自分とともに仕事をする人とは同じ方向を向けるようにしたいし、そしてなにより、同じ方向を向いている人が周りにいる環境というのは実はとんでもなく素晴らしく、とんでもなく力のある状態なんだということを、今一度認識しなおしたいと思いました。