笑顔を創りたいWeb屋の日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。

高校の先生は何をやってるんでしょうか。

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私に著作権は無いの?

と、

私に著作権はあるの?→あれ、無いんじゃない?

を読んで、正直がっかりというかため息が止まらないというか。

この増田である高校生ではなくて、先生に。いったい何やってんの?という感じです。

この書き手の高校生は問題の本質を少し見失っているけど、問題は著作権の帰属に関することや、それにより金銭報酬の有無ではないはず。著作権は基本的に著作者本人に帰属し、特段どこかで書面でもかわしていなければ、学校で制作したものでも著作権は生徒本人に帰属する・・・はず・・・と思うw。企業に所属し、企業の発案、命令で創作したものであればそれは企業に著作権があるということになるけれども、高校生は法人に所属しているわけではないですからね(本陣に所属しているのは先生の方)。そしてまた、著作権に対して自動的に金銭が発することなど無く、著作者がタダであげるといえば、それはタダになる。ただそれだけの話。別に(この段階では)難しい話ではない。

だから、そもそも著作権の帰属場所と報酬の因果関係などここでは問題ではない。

右も左もわからない高校生が創ったものをタダ同然で売るという指導をしている先生が問題。

僕は元専門学校の教員ですが(しかも非常勤ではなく学校法人に所属していた正職員です。)高校だろうが専門学校だろうが、教育には変わりないはず。であるならば、授業や指導というものは当たり前のようにそれは高校生、専門学校生の成長のために存在しているはずです。まさか、先生の自己満足のために授業をしていいわけではないし、課題を提示していいわけがない。

何が言いたいかというと、

先生、いったいなんのためにキャラクター制作をさせたのですか?

いったいなんのためにそれを売り込みに行ったのですか?

生徒にIllustratorのスキルを習得させたいため?

であるならば、企業に売り込む必要はないです。

企業に売り込もうが学内にとどめようが、スキルに変わりはないから。

生徒の作品を世に出したいため?

それは、先生が考えることじゃない。

創った本人が考えること。(それこそが”著作権”だと思いますが)

いや、企業に売り込むことを否定しているわけじゃないんです。売り込んで企業に採用してもらうのは素晴らしいこと。でも、売り込んだ結果は誰のためになるのですか?何に繋がるんですか?そのために売り込むんでしょ?売り込むというのならそういうことをきちんと共有してから、本人の承諾をとって売り込むべきなのですよ。それをしないで「売れればいいだろう」「企業に採用されるのは誰でも嬉しいだろう」という短絡的な思考で動くから、生徒がその感覚についてこないのですよ。

つまり、報酬の問題だし、それをどう感じさせるかなんですよね。

で、報酬は出ているんですよ。グッズ一式。

でも、それに筆者の高校生は納得してないんですよ。それをどう感じるかはその人次第。別に責められた話じゃないし、そして、僕が教員なら絶対にそんなものでは納得させないですよ。そんなの、グッズ一式なんて金で買えるから。タダ同然って言われてもそら仕方ない。で、まだ世間にもでてない、ビジネスの、お仕事の右も左もわからないこれからの子供に、自分の知的労働を、一生懸命やったことをタダ同然で売る、そう高校生に思わせるなんて、いったい先生は何のために存在するのですか?と問いたくなります。一生懸命やったことでも、それを相手が気に入ったとしても、報われないのが当たり前と思わせる、そんな教育でいいんですか?って。ため息が出ちゃいます。

で、こともあろうに、その先生本人が

先生に相談したところ、「交渉次第じゃない?」と言われました。

と言ってしまうのは、もはや自分が何を伝えるべきなのかを考えていないのでは?と思ってしまう。

企業の門をたたくことが先生の仕事じゃないでしょ。

門をたたくことから始まり、自分の仕事を提供するというのはどういうことなのかを教えることが仕事でしょ。

先生は、それを教えるために売り込みに行かなきゃいけないんじゃないの?

だから「何のために売り込みに行くの?」と問いたくなるわけです。

だから、先生は報酬をとってこなきゃいけないんです。

そして、その報酬をきちんと創作した生徒に伝えて理解させなきゃいけないんです。

それこそが先生の仕事だと僕は思うんですよ。

Illustratorなんて金払えばどこでも教えてくれるし、独学でもたくさん勉強できる。

Illustratorを使ったお仕事を媒介に、世の中の仕組みを教えることが10代の教育では?

それをちゃんとしてない。

だから、筆者の高校生は報酬といってお金の話しか出てこない。

お金の話しか出てこないから、自分のことを「欲深い」と言ってしまう。

欲深いなんてことないでしょう?自分が一生懸命にやったことを相手が評価して、それを欲しいというのだから、同等の報酬を貰うのは大人として当たり前のことです。逆に、もらわなきゃいけない。でなければ価格破壊が起きて、その世界で生きる人が皆生活できなくなる。

ただ、高校生のスキル、ステータスでお金をたくさんもらえないのも事実。そしてなにより、企業はその価格を見込んで採用しているのだから、そこに大金をふっかけるというのは需要と供給の面で間違ってる。そこにニーズはないのだから。でも、だからこそ、そこに先生の手腕が問われるんじゃないですか。報酬は何もお金だけではないのですよ。

高校生の作品がが企業に採用されるというのは凄いことです。

本来プロの力を借りなければならないものを、その高校生の力はそれに準ずる力があると評価されているのだから。だから、それをきちんと報酬としてもらえばいいんですよ。具体的に言えば、企業がお金を出せないのなら、企業発信でそれをWebサイトなり広報なりから宣伝してもらえばいい。「このキャラクターを制作した○○高校の××さんです」って大々的に告知してもらえばいい。はたまた、企業の偉い人を呼んで、体育館なり市の施設なり、もしくは企業内のスペースなりどこでもいいから表彰してもらうなどして、それを写真に収め、高校の広報で出すなりすればいい。グッズ展開なら、告知するところはどこでもあるはずです。

その中で程度の問題はありますよ。

グッズと抱合せでどこでもその高校生を出していたんじゃ、それは企業のブランドになりえないわけで、その辺の調整は必要です。でも、それは調整の話であって、全くそれをしないというのは絶対におかしい。

それがたった、企業がきて高校の中で表彰するだけだったり、企業のWebサイトの隅っこに告知されるだけだとしても、それでもじゅうぶんだと思います。高校生が企業に見初められ作品を使ってもらうというのは、それだけでじゅうぶんに価値がある。たとえば、大学受験には大いに役に立つはずだし、その後の就職活動でも間違いなく役に立つはずです。でも、それが本人の口頭だけじゃ重みがなく、企業側がそれを堂々と認めたなら、その重みは全く変わってくるはずです。

コメントに「報酬てのはお金だけでは~」という意見があるけど、それは高校生にはわかるわけがないし、そもそも本人がそう言ってるだけじゃ全然報酬にならないんですよ。それをきちんと企業側と交渉して、「ウチの生徒のために、表彰をお願いします」とか「地方新聞への告知に、合わせて載せてもらえないでしょうか?」とかそういうことを取り付けてくるのが先生の仕事でしょう。そして、それをきちんと生徒に「仕事とは何か」「報酬とは何か」を教えるのが一番大事だと思います。というか、むしろ、Illustratorで制作させるとか企業に売り込むだとかなんてのはそれを教えるための「環境」「体験」でしかなくて、それを前後できちんとサポートし、フォローし生徒のライフプランをきちんと考えさせることこそ、そのために全てはあるのでは?と思います。

故に、僕はこの件は、間違いなく高校の先生の怠慢だと思います。

高校の先生そのものが、世の中のしくみ、働くことの意義をきちんと伝えられないんじゃないのでしょうか。