笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

クリエイターは何をしていたの?

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【石原知事会見詳報】 ワッペン作り直し問題「バカじゃないのか」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090410-00000648-san-l13

それはないだろ都知事さんよ~。

というかトップがそんなこと言ったら組織がぶっこわれます。

まあ、確かに水道局職員の判断は異常だと思いますよ。3400万円もの大金を放り出す前にまだやることがあったはず。結論から言えば、ルールが問題ならルールを変えてしまえば良いわけで、その申請を出せば終わりの話。(それをつっぱねるような組織は問題外)

だから、水道局職員の過ちは

1.事前に都のガイドラインを確認しなかったこと

2.ミスに気付いた後、被害を最小限に食い止めるために規定変更の申請をしなかった

の二点のはず。

それを「こっちの方が全然いいじゃないか。無理に規定に合わせるなんてバカげてる。考えればわかるだろう。お役所感覚とはこのことだ」なんて、いくらなんでもひど過ぎる。きちんと作り上げたルールがあり、ガイドラインとして管理されているにも関わらず「自己の判断で動くべき」なんて、それの方がよっぽどお役所仕事だと思いますが。おもいっきり感覚論ですから。

トップが率先してルールを破れだなんて、どうかしてますよほんと。別にルールは絶対じゃないんだから、きちんと手順を踏んで変更すれば良いだけの話ですから。

■業者は何をやっていたんだ

それより気になるのは制作を請け負ったであろう業者ですよ。

あのですねぇWebや広告の仕事をしてる人はわかると思いますが、組織のロゴにガイドラインがあるのなんか当たり前なんですよ零細企業でもない限り、大きな組織でロゴ規定がないなんて聞いたことがない。

だから、当然いつだって制作する前に聞くわけです。

「御社のロゴ規定をいただけますか?」

クリエイターなら当たり前のリスクヘッジです。

確かに、契約上の不備はないですよ。相手が言わないんだもの。そりゃ、言わない方が悪い。でも、それは御用聞きのすることですよ。相手は素人で僕らはプロなんです。相手が気付かないところまで拾ってあげてなんぼでしょ

プロジェクトが暗礁に乗り上げたり、クライアントが欲しいと思っていた資料が出なくてモメた時に「あいつらがちゃんと言わないからだめなんだ。必要なら言わなきゃこちらは作れない。悪いのはあいつらだ」なんていうプロデューサーやディレクターがいるんですが、愚の骨頂だと思います。というよりそんな人プロデューサーじゃない。

・次回までにご用意するのはAとBとCの資料でよろしいですか?

・次回ミーティングまでにこちらが行うタスクは資料作成と○○になります。他にございますか?

何を創るかを決めるということは、何を創らないかを決めることだと思うんです。ファミレスだってそうでしょ?「ご注文の確認」は、創るものを決めることであり、創らないものを決める作業に他ならない。

一昨日書いた「感謝の気持ちを忘れない」に通ずるものがありますが、僕らがユーザに提供するのはHTMLやPHPじゃない。それを媒介とした問題解決をすることによる満足体験を提供しなければならない。

同じように、僕らがクライアントに提供するのは美麗なデザインでもなければ優秀なインターフェイスでもない。それらを駆使して得られる成果を媒介とした「クライアントの問題解決」による「満足体験」だと思います。

どんなに良いモノ創ったって、クライアントが泣いてちゃなんの意味もない。

「なんとかしてこの人をハッピーにしよう」

その意識があれば、聞いていたはずです。

「都のロゴ規定に反しませんか?」