笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

トップページから入る提案ってどうよ。

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はじめにお客様からヒアリングし、お客様のご要望を明確にした後、

ヒアリングした内容をもとにデザイン案を提案します

広告代理店の人やそこを目指して仕事をしている人に言わせると「直にクライアントとやりとりしている制作会社はクライアントの要望を聞きだして、それを創るだけだからだめ。代理店の仕事はそれに付加価値をどれだけつけられるかだから。」ということらしく、それって遅れてるよな~と思って昨日のようなエントリを書いたのですが、上記のような提案をしている制作会社があるからそういう認識をされる部分もあるんだろうなーと思います。(だから、どっちもどっちだと思うのですが)

「お客様のご要望を」って言う時点で、すでにダメなんじゃないの?と思うわけですが、仮にそれがユーザの方に向いていても、提案がトップページからとかデザイン案からっていう時点でアウトだと思います。

トップページだってサイト全体の1ページに過ぎない。

たしかに、インターフェースとしては一番大事なページになるけど、一番大事なページ=サイトの中心ではないでしょう。トップページのデザインから提案するという時点で、すでに「ただのハリボテを創ってます」というもの。だって、全員がトップページから来るわけではないし、トップページさえよければユーザが満足するわけじゃない。

同様の理由で、他社と比較して「このユーザビリティーが悪い」というのも意味がないと思います。だって、そもそも誰が何のために使って、何を求めてどういう風に使うのか?ということが欠如している状態でユーザビリティを語ったって何の意味もない。

サッカースタジアムのトイレと、一流ホテルのスウィートルームトイレを並べて「あなたのトイレはウォシュレットがついてないし、デザイン的にも美麗じゃないからマイナスイメージになるのでダメです」と言ったって、そもそも使う人の目的が違うのだから全く意味がない。サッカースタジアムに来る観客はトイレにゆったりとした居住空間なんて求めてないし、仮にそんなもの設置したら回転が悪くなってさらに行列ができる。これじゃ、結局ユーザの不満を買うことになる。

この場合、スタジアム自体の機能が何をすべきものなのか、そこで観客はどういうプロセスで満足体験をするのかというトータルな話があって、その中でトイレはどんな役割をするのかという考え方をしないといけない。

Webサイトだって同じだと思うんです。

自社のサービスがあり、その中でWebは何を担うのか。

ユーザは自社のサービスを受ける仮定で、いつ、どこで何を求め、Webはどの部分で答えるのか。

提案するなら、まずはサービスプランニングであり、Web屋ならその構造から提案しないと意味がない。

トップページは、玄関でしかない。

しかも、Webの場合決まった入り口はないので、庭からも、勝手口からもユーザは入ってくる。そもそも、「ここが勝手口でここが玄関」というのは提供側が勝手に決めたことであってユーザには関係ない。それを「トップページは御社の顔ですから!」と言って創ってしまうのは、自分達が何を創っているのかをわかっていないんじゃないかと思います。

・そもそも、必要なコンテンツは?

・それを、どういうグループで並べればユーザは迷わずに見つけられるの?

これが決まってから、でしょう。

だって、サイト構造が決まらないとグローバルナビ一つ決まらないじゃないですか。

ユーザが満足する設計を提案しないと、何の提案にもならないじゃないですか。

ユーザへのサービスに最も適したコンテンツと階層構造。

こっちからまずは提案しないと、ビジュアルデザインなんて決まらないはずでしょ。