笑顔を創りたいWebディレクターの日常

某事業会社勤務のWebディレクター。つまり「なかのひと」やってます。Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWebディレクターのブログ。

gooのトップページが・・・。

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gooのトップページが大変なことになっています。

いや、いました。

goo_top_2.jpg

iPod nanoのTVCMがそのまんまgooのトップページにデカデカと出ていました。

動きもあるし、ダイナミックでいじっていて面白いし、やはりそこはアップル!

と、言いたいところですが、正直僕はドン引きです・・・・。

何を血迷ったんだgoo・・・・。

ポータルサイトのあるべき姿ではないと思います。

Googleが検索エンジン業界を牛耳る前、確かに、ポータルサイトは、いや、Yahoo!はWebサービス界を牛耳っていたし、Web=Yahoo!という時代もありました。留まることを知らないWebの情報量増大化の手助けとして、その入り口としてポータルサイトは存在意義を発揮し、ネットを使う全てのユーザがそこを通ることによるトラフィック数の多さを活かしたビジネスモデルを構築しました。

がしかし、ポータルサイトはそれに胡坐をかきすぎた。

いや、正確には「ディレクトリ型」ポータルサイトは胡坐をかきすぎた。

キーワードを自動で収集しインデックス化するロボット型検索エンジンは当時、相当精度が悪く、キーワードを散りばめたスパムサイトやアダルトサイトをどんどん引っ掛けていました。だからこそ、ロボットのみに頼らず人間の目利きが必要となり、人間が己の目で情報を整理した「ディレクトリ型」検索エンジンが隆盛するわけです。それがYahoo!ですね。そして、そのトラフィック数の多さを利用し、広告スペースによる収入をビジネスモデルの根幹として大もうけするわけですが、ロボット検索とて死んだわけじゃなかった。

小さな小さな反撃ののろしをあげたロボット検索エンジンサービスの小さな小さな一企業は、それまでの常識だった「絶対に落ちない高性能スーパーコンピュータをサーバに設置する」という前提を覆し、「Webの情報増大速度に追いつくために、多少性能の落ちるコンピュータでも、複数台を同時に稼動させることで、獲得情報量を増やす」という策に出る。また、それだけでなくキーワードや被リンク、有料サイトからのリンク数等を総合的に評価してページにランク付けをする機能を儲け、世界のどこよりも優れた検索エンジンシステムを構築する。それが、今日のGoogleなわけですが。

Googleの小さな反撃が、のちに巨大なWebのメインストリームを生み出すとは夢にも思わない、検索エンジンサービスの大企業は、こぞってこの小さな企業のシステムを導入するわけです。それが、己の首をしめることになるとも知らずに・・・。Googleの優れた検索エンジンシステムを導入したのは良いが、そのおかげでサービスの根幹となる検索エンジンをGoogleに握られることになり、Googleがどんどんと成長しライバルになるという危機感を抱いた時には、時すでに遅し。新たに独自の検索エンジンシステムを構築している間にも、Googleは次から次へと新しいサービスを開発してしまう。

結局、検索一番手にはなれず、「世界中の情報をインデックス化する」というGoogleには勝てず、ディレクトリ型検索エンジンサービスは、独自のサービスモデルで責めるしかなくなるわけです。ゆえに、Yahoo!はまだニュースや個人ツールを大事にしているし、そこをメインに持ってくる。検索一本ではかなわないから。ある意味で、ポータルサイトはどんどんとTVのようなメディア化をしていっているわけですね。(トラフィック数=視聴率)

とすると、Webの本道である「それを求めている人に、求めている情報を、欲しいタイミングで与える」というファンの育成、狙いを定めたサービスとは逆の方向を向かざるを得ない。ポータルサイトは、物凄くたくさんの多様なユーザに対してサービスを展開しなければならなくなる。一つのサービスに特化していたら、膨大な量のトラフィック数は期待できないわけで、だからこそ多種多様なサービスを高品質で取り揃えなければならない。ニュースを見たい人もいれば、メールを使いたい人もいるし、路線検索をしたい人もいるし・・・・。だから、Yahoo!とかgooのトップページってごちゃごちゃしているのですね。

ということは、ポータルサイトのトップページというのは、そのサービスが探しやすいことが一番大事なんですよ。広すぎるぐらい広い幅のユーザを相手にしていて、その全ての人が情報を探しやすくするということは、やはり、無数にあるサービスの質より、そのサービスにいかにストレス無くたどり着くかが鍵になる。

で、今回のgooです。

肝心の「多様なサービスへの入り口」を全部画面下に下げて、ドカンと広告をだすって・・・。

おかげでメールとかニュースとか見えなくなっちゃうし。使いづらくなっちゃうし。

Webは広告には向かない。ユーザが選択できるから。

TVとか雑誌とかは、選べないんです。勝手に流れてくるから。

それも含めてコンテンツであって、広告とは「広く知らしめること」であり、それでよいのです。

が、だからこそ、Webは広告には向かない。

なのに、でっかでかとユーザを無視したような広告を出すって・・・。

iPodユーザ以外関係ないし、iPodユーザですらすでに購入している人はいらない。

金に目がくらんだのか?と邪推してしまいますねぇ。