学生に議事録を書かせているのですが、当然、質が低い。
議事録をただの「記録ツール」だと認識しているようで、そのせいみたいです。
社内の定例MTG等の議事録は後で見返すための記録ツールでも問題ないと思います。
でも、プロジェクトマネジメントで使う議事録はそれじゃダメ。
議事録は「合意獲得ツール」です。
当然、そこには「いつでも見れる」という「記録ツール」の機能性も含まれます。
しかし、それ以上に重要なことは基本的に会話という不可視状態で行われるMTGにて、決定したこと、検討しなければならないこと、その責任所在をしっかりと文書に残し、プロジェクトメンバー全員が共有、そして「合意」することが重要となります。そのための、議事録。
ということは、これもつまり情報デザインなわけです。
「どこに、何が書いてあるのか」
MTGで話されたことや、報告があったこと、その流れをツラツラと書いている議事録を見ますが、そんなものはICレコーダにでもとっておけばいいのです。ICレコーダが音声をしっかりと拾い上げているなら、それに敵うものなんてないです。でもICレコーダの音声では、MTGのキモとなる部分を即座に抜き出すことができない。だから、議事録の出番となるわけです。
ですから、議事録に必要な要素というのは「日時」「出席者」「議題」「決定事項」「検討事項」「宿題事項」等、「その会議で何が決まったのか」ということが、一番重要。そもそも、会議で一番重要なのは何かを決めたプロセスではなく、決まった結果ですから。そのために貴重な時間を使ってプロジェクトメンバーが一堂にに会するわけで。
議事録のユーザとなるプロジェクトメンバーは、議事録で何を知ろうとしているのか
ユーザの目的、ですね。
「この前の会議で決まったことって何だっけ?」
「検討しなきゃいけないって言ってたことって何?」
「次のMTGまでにやらなきゃいけないことって何だった?」
「次回のMTGっていつだっけ?」
これに応えてこそ、議事録。
そのためには、ユーザが読みやすいようなレイアウト、正しい文書構造でなければなりません。タイトル、大見出し、中見出し、小見出しのルールがバラバラでは読みにくいし、ラベリングもわかりやすくなければなりません。
そうすると、意外とWEBサイトと同じような創り方になりますね。
ユーザの目的に沿って情報の整理をするからこそ、「決定事項」「検討事項」といったカテゴリ分けになるのですから。
議事録って、難しいですよね。
:追記:
議事録って、「相手にいかに読みやすく創るか」という面で重要と上記ですが、流動的に話が流れやすい会議において、その、時には複雑に絡み合った会議内容をキチッと整理して文書化する、ということもまた大変難しく、大変重要で、これってクリエイティブな作業ですよね。全体を捉える力も必要、複雑に絡み合った情報を一つ一つ紐解く力も必要、そして、それらをくみ上げて一つの形にする力も必要、ですから。
うん。議事録はクリエイティブ。